北朝鮮きたちょうせんミサイル「ＳＬＢＭとみられる」韓国かんこく軍ぐん合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶ発表はっぴょう

北朝鮮きたちょうせんによるＳＬＢＭの発射はっしゃが確認かくにんされれば、３さん年ねん前まえの2016年ねん８月はちがつ以来いらいとなり、アメリカを強つよく揺ゆさぶる狙ねらいがあるとみられます。韓国かんこく軍ぐんの合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶは北朝鮮きたちょうせんが２に日にち午前ごぜん７なな時じ11分ふんごろ、東部とうぶウォンサン北東ほくとうの日本海にほんかいの海上かいじょうから東ひがしに向むけて弾道だんどうミサイル１いち発はつを発射はっしゃしたと発表はっぴょうしました。

発射はっしゃされたのは、ＳＬＢＭ＝潜水せんすい艦かん発射はっしゃ弾道だんどうミサイル「北極星ほっきょくせい」の系列けいれつとみられ、飛行ひこう距離きょりはおよそ450キロ、高度こうどは910キロあまりで、米べい韓かん両りょう軍ぐんが詳くわしい分析ぶんせきを進すすめています。

北朝鮮きたちょうせんが、ＳＬＢＭを発射はっしゃするのは、３さん年ねん前まえの2016年ねん８月はちがつ以来いらいです。北朝鮮きたちょうせんは2017年ねんには、ＳＬＢＭを地上ちじょう配備はいび型がたに改良かいりょうした新あたらしい中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイル「北極星ほっきょくせい２に型がた」を発射はっしゃしました。

北朝鮮きたちょうせんの国営こくえいメディアは、ことし７月しちがつ、キム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう委員いいん長ちょうが、新あらたに建造けんぞうした潜水せんすい艦かんを視察しさつしたと伝つたえ、韓国かんこく軍ぐんは、ＳＬＢＭを３さん発はつ搭載とうさいできるとする分析ぶんせきを明あきらかにしました。

ＳＬＢＭを搭載とうさいできるとされる潜水せんすい艦かんが、進水しんすいしたことは確認かくにんされていませんが、潜水せんすい艦かんから発射はっしゃできる状態じょうたいになれば、アメリカにとって直接ちょくせつの脅威きょういになります。

短距離たんきょり弾道だんどうミサイルなどの発射はっしゃを繰り返くりかえす北朝鮮きたちょうせんに対にたいし、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは、距離きょりが短みじかいものであれば、発射はっしゃを問題もんだい視ししない姿勢しせいをとってきました。

北朝鮮きたちょうせんは、１いち日にち、今月こんげつ４よん日にちにアメリカとの予備よび接触せっしょくを行おこなったあと、５ご日にちに実務じつむ担当たんとう者しゃによる協議きょうぎを行おこなうことで合意ごういしたと明あきらかにしていました。

それを前まえに、ＳＬＢＭの発射はっしゃに踏み切ふみきることで、アメリカを強つよく揺ゆさぶり、出方でかたを探さぐるとともに、みずからの技術ぎじゅつ力りょくを見みせつけることで、交渉こうしょうを有利ゆうりに進すすめる狙ねらいがあるとみられます。

一連いちれんの発射はっしゃより高たかい高度こうど 防衛ぼうえい省しょう

防衛ぼうえい省しょうは今回こんかい、北朝鮮きたちょうせんが発射はっしゃした弾道だんどうミサイルについて、アメリカ軍ぐんなどとも連携れんけいして分析ぶんせきを進すすめていますが、関係かんけい者しゃによりますと、このうち日本にっぽんの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきに落下らっかしたと推定すいていされる１いち発はつについては、高度こうどがおよそ920キロに達たっしたと推定すいていされるということです。

北朝鮮きたちょうせんは、ことし５月ごがつ以降いこう、短距離たんきょり弾道だんどうミサイルなどの発射はっしゃを繰り返くりかえしていますが、高度こうどは高たかいものでも100キロ程度ていどと推定すいていされていて、今回こんかいは、一連いちれんの発射はっしゃを大おおきく上回うわまわっています。

北朝鮮きたちょうせんの弾道だんどうミサイルで、高度こうどが最もっとも高たかいと推定すいていされるのは、おととし11月つきに発射はっしゃされた最大さいだい射程しゃていが１いち万まんキロを超こえるＩＣＢＭ級きゅうのミサイルで、高度こうどが4000キロを大おおきく超こえたと見みられています。

ＳＬＢＭ4年ねん前まえから 防衛ぼうえい省しょう

防衛ぼうえい省しょうによりますと、北朝鮮きたちょうせんは、４よん年ねん前まえの2015年ねん５月ごがつに、初はじめてＳＬＢＭ＝潜水せんすい艦かん発射はっしゃ弾道だんどうミサイルの試験しけん発射はっしゃに成功せいこうしたと発表はっぴょうしました。

その後そのご、３さん年ねん前まえの2016年ねん８月はちがつ24日にちに、北朝鮮きたちょうせん東岸とうがんの自治体じちたい、シンポ付近ふきんから日本海にほんかいに向むけて発射はっしゃしたのを含ふくめ、北朝鮮きたちょうせんはあわせて４よん回かいの発射はっしゃを公表こうひょうしています。

防衛ぼうえい省しょうは、「北朝鮮きたちょうせんが、ＳＬＢＭや、ＳＬＢＭを搭載とうさいするための新型しんがた潜水せんすい艦かんの開発かいはつを進すすめることで、攻撃こうげき能力のうりょくを多様たよう化かさせるとともに他たの国くにから攻撃こうげきを受うけた際さいに兵器へいきを残のこせる、残存ざんそん性せいの向上こうじょうを図はかっていると考かんがえられる」と分析ぶんせきしています。

北朝鮮きたちょうせんのＳＬＢＭをめぐっては、アメリカの研究けんきゅうグループが最近さいきん、衛星えいせい写真しゃしんの分析ぶんせきから、「北朝鮮きたちょうせんが発射はっしゃ実験じっけんに向むけた準備じゅんびを進すすめている可能かのう性せいが高たかい」という分析ぶんせき結果けっかを明あきらかにしていて、防衛ぼうえい省しょうは、警戒けいかいと情報じょうほう収集しゅうしゅうを進すすめていました。

北朝鮮きたちょうせんのこれまでのＳＬＢＭ発射はっしゃ

北朝鮮きたちょうせんによるＳＬＢＭの発射はっしゃが確認かくにんされれば、３さん年ねん前まえの2016年ねん８月はちがつ以来いらいとなります。

北朝鮮きたちょうせんは、ＳＬＢＭについて４よん年ねん前まえの2015年ねん５月ごがつに水中すいちゅうからの発射はっしゃ実験じっけんに初はじめて成功せいこうしたと発表はっぴょうしました。

その後そのごもＳＬＢＭの発射はっしゃ実験じっけんを繰り返くりかえし、2016年ねん４月しがつには、東部とうぶハムギョン南道みなみどうのシンポ（新しん浦うら）付近ふきんの日本海にほんかいでＳＬＢＭを発射はっしゃしておよそ30キロ飛行ひこうし、「ＳＬＢＭの発射はっしゃ実験じっけんに再ふたたび成功せいこうした」と発表はっぴょうしました。

このおよそ３さんか月かげつ後ごの2016年ねん７月しちがつにも、北朝鮮きたちょうせんは東部とうぶのシンポ付近ふきんの日本海にほんかいでＳＬＢＭとみられるミサイル１いち発はつを発射はっしゃしましたが、このときは潜水せんすい艦かんからの射出しゃしゅつには成功せいこうしたものの、飛行ひこうには失敗しっぱいしたとみられています。

このあと北朝鮮きたちょうせんは１いちか月かげつ後ごの2016年ねん８月はちがつに再ふたたびＳＬＢＭを発射はっしゃし、飛行ひこう距離きょりがおよそ500キロに達たっしました。北朝鮮きたちょうせんは翌日よくじつ、映像えいぞうを公開こうかいして「ミサイル技術ぎじゅつが向上こうじょうしている」と強調きょうちょうしました。

さらに、このときの発射はっしゃは、通常つうじょうより角度かくどをつけて高たかく打ち上うちあげる「ロフテッド軌道きどう」が用もちいられていて、韓国かんこく軍ぐんは、通常つうじょうの角度かくどで発射はっしゃされた場合ばあい、飛行ひこう距離きょりが1000キロを超こえる可能かのう性せいもあるとしていました。