アフガニスタン タリバン戦闘せんとう員いんが街頭がいとう検問けんもん 人々ひとびとに不安ふあん広ひろがる

タリバンの報道ほうどう官かんなどが柔軟じゅうなんな姿勢しせいを示しめす一方いっぽう、戦闘せんとう員いんによる締しめつけは強つよまっていて、カブールでは20日にち、政府せいふで働はたらいていた女性じょせいなどが女性じょせいの権利けんりの尊重そんちょうを求もとめるデモを行おこなうなど、かつてのようなイスラムの教おしえを厳格げんかくに解釈かいしゃくした統治とうちへの不安ふあんが人々ひとびとの間まで広ひろがっています。

不安ふあん要素ようその1つは、領土りょうど問題もんだいで敵対てきたいする隣国りんごくパキスタンをめぐる情勢じょうせいです。

タリバンがパキスタンに接近せっきんし、明確めいかくな敵対てきたい勢力せいりょくになること、これこそ、インドが最もっとも恐おそれるシナリオです。

またタリバンの復権ふっけんによりテロが活発かっぱつ化かするという懸念けねんもあるため、インドは、緊張きんちょう感かんをもってタリバンとの間合まあいをはかろうとしています。

近年きんねん、日本にっぽんやアメリカと連携れんけいを深ふかめるインドが、タリバンとどう向き合むきあうのか。

その判断はんだんは、南みなみアジアにとどまらず、国際こくさい情勢じょうせい全体ぜんたいに影響えいきょうを及およぼすことになります。

イスラム過激かげき派はが活発かっぱつ化かして自治じち区くの独立どくりつを主張しゅちょうする勢力せいりょくと連携れんけいしないか神経しんけいをとがらせているのです。

7月つきには、王おう毅あつし外相がいしょうが中国ちゅうごくを訪おとずれたタリバンの幹部かんぶと会談かいだんし、テロ組織そしきとの関係かんけいを断たつよう求もとめていました。

一方いっぽう、今回こんかいの事態じたいを受うけて中国ちゅうごくのメディアからは、アメリカは自国じこくの利益りえきにあわせて同盟どうめい国こくなどを簡単かんたんに見捨みすてるといった指摘してきも出でています。

中国ちゅうごくは、アメリカの威信いしんが低下ていかし、同盟どうめい国こくなどとの関係かんけいにひびが入はいるのかどうか注視ちゅうししているものとみられます。

バイデン政権せいけんがアフガニスタンからの軍ぐんの撤退てったいを進すすめた背景はいけいには、最大さいだいの競合きょうごう国こくと位置いちづける中国ちゅうごくに対抗たいこうするため、人員じんいんや資源しげんを再さい配分はいぶんさせたいという考かんがえがあります。

ただ、撤退てったいをめぐり批判ひはんもあるなか、人権じんけんの重視じゅうしを掲かかげてきたバイデン政権せいけんとしては、かつてのようにアフガニスタンで女性じょせいが抑圧よくあつされるような事態じたいは受け入うけいれられません。

また、アフガニスタンが再ふたたびテロの温床おんしょうになることがないよう各国かっこくとともに監視かんししていく方針ほうしんです。

しかし現地げんちから人員じんいんを撤退てったいさせるなか、どこまで実効じっこう性せいのある対策たいさくをとれるのか、大おおきな課題かだいを抱かかえることになります。

そして、タリバンによる政権せいけんを承認しょうにんするかどうか、アメリカをはじめとする各国かっこくと連携れんけいしながら、慎重しんちょうに判断はんだんすることにしています。

また、日本にっぽん政府せいふはアフガニスタンに対にたいし、2001年ねんからの20年間ねんかんで、日本にっぽん円えんにしておよそ7000億おく円えんにのぼる復興ふっこう支援しえんを行おこない、今後こんご4年間ねんかんについても、年間ねんかん200億おく円えん規模きぼの支援しえんの維持いじを目指めざす方針ほうしんを明あきらかにしていますが、現地げんちの状況じょうきょうを見極みきわめながら、改あらためて支援しえんの在り方ありかたを検討けんとうするものとみられます。

一方いっぽう、日本にっぽん政府せいふは、治安ちあん情勢じょうせいの悪化あっかを受うけ、大使館たいしかん職員しょくいんを退避たいひさせ、現地げんちにいる日本人にっぽんじんについても退避たいひの支援しえんにあたっているほか、大使館たいしかんなどが雇用こようしているアフガニスタン人じんやその家族かぞくらの退避たいひも支援しえんできるか、検討けんとうを進すすめています。

中東ちゅうとう地域ちいきを歴訪れきほう中ちゅうの茂木もぎ外務がいむ大臣だいじんは日本にっぽん時間じかんのきょう未明みめい、訪問ほうもん先さきのトルコ・イスタンブールで岡田おかだアフガニスタン大使たいしと面会めんかいし最新さいしんの情勢じょうせいについて報告ほうこくを受うけるとともに、今後こんごの対応たいおうをめぐって意見いけんを交かわしました。

政府せいふは、茂木もぎ大臣だいじんの帰国きこく後ご、当面とうめんの対応たいおう方針ほうしんを確認かくにんし、来週らいしゅうオンラインで開ひらかれる見通みとおしのG7＝主要しゅよう7か国かこくの首脳しゅのうによる会合かいごうに臨のぞむものとみられます。