ヨーロッパ最大の経済大国のドイツでは23日、連邦議会の選挙が行われました。
開票は続いていますがドイツの公共放送ZDFによる日本時間午前5時時点の得票率の予測では最大野党で中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」が28.6%で首位に立ち第一党になる見通しです。
また、移民や難民に対して排他的な主張を掲げ、極右だとされ、ウクライナ支援にも消極的な右派政党「ドイツのための選択肢」は20.5%となっていて前回の選挙から得票率を倍増させる勢いです。
一方、ショルツ首相の与党で中道左派の「社会民主党」は、16.5%で3位となっています。
最大野党の「キリスト教民主・社会同盟」の首相候補、フリードリヒ・メルツ氏は首都ベルリンで支持者らを前に勝利を宣言しました。
今後は「キリスト教民主・社会同盟」が新たな政権の枠組みを決める連立協議を主導する見通しで、交渉の相手として地元メディアは「社会民主党」や「緑の党」の名前を挙げています。
そして次の首相には「キリスト教民主・社会同盟」のメルツ氏が就任することが見込まれています。
メルツ氏 速やかに連立協議を始めたい考え示す
最大野党で中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」の首相候補で、次の首相への就任が見込まれているメルツ氏は、首都ベルリンで支持者を前に演説し「この歴史的な夜にようこそ。私たちはこの選挙に勝利した」と述べ、勝利を宣言しました。
そして「重要なのはドイツに再び行動のできる政府をできるだけ早くつくることだ。世界は私たちを待ってはくれない」と述べ、速やかに政権の枠組みを決める連立協議を始めたいという考えを示しました。
“極右”政党 ワイデル共同党首「歴史的な結果」
移民や難民に対して排他的な姿勢を掲げ、極右だとされ、ウクライナ支援にも消極的な右派政党「ドイツのための選択肢」のアリス・ワイデル共同党首は23日、首都ベルリンで支持者らを前に演説し、前回・2021年の選挙から得票率を倍増させる勢いになっていることについて「歴史的な結果を成し遂げた。国民の政党としての立場を固めた」と述べ、勢力の拡大に自信を示しました。
ショルツ首相「苦い結果」
与党「社会民主党」のショルツ首相は、23日、首都ベルリンで支持者らを前に演説し「与党にとって苦い結果だ。この結果の責任は私にある」と述べ、敗北を認めました。そして、第一党となることが予測されている最大野党で中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」の首相候補、メルツ氏に祝意を示しました。
トランプ大統領 SNSに投稿
ドイツで行われた総選挙についてアメリカのトランプ大統領は23日、SNSに「ドイツで保守的な政党が勝利を収めたようだ。アメリカと同様に、ドイツ国民は、特にエネルギーと移民に関して、長年にわたり優勢であった常識のない政策にうんざりしていた。きょうはドイツにとって、そしてドナルド・トランプという紳士が率いるアメリカにとって、すばらしい日だ。皆さん、おめでとう」と投稿しました。