入国にゅうこく制限せいげんの緩和かんわ後ご 初はつの日本にっぽんからの臨時りんじ便びんがベトナム到着とうちゃく

25日にちは、合意ごうい後ご初はじめてとなるベトナム行いきの臨時りんじ便びんが運航うんこうされ、日本人にっぽんじん駐在ちゅうざい員いんや出張しゅっちょう者しゃなど、およそ150人にんを乗のせた旅客機りょかくきが日本にっぽん時間じかんの午後ごご4時じすぎ、首都しゅとハノイから150キロ余あまり離はなれたベトナム北部ほくぶの空港くうこうに到着とうちゃくしました。

入国にゅうこく手続てつづきを済すませた一行いっこうは、日本にっぽんを出発しゅっぱつした時ときと同おなじように感染かんせん防止ぼうしのためのガウンを身みにつけたまま、軍ぐんの兵士へいしなどに案内あんないされながら迎むかえのバスに分乗ぶんじょうし空港くうこうをあとにしました。

このあと一いち行こうは、それぞれＰＣＲ検査けんさを受うけるほか、14日間にちかんの隔離かくりが求もとめられているため、滞在たいざい先さきのホテルで過すごすことになっているということです。

ベトナムへの臨時りんじ便びんは、26日にちと27日にちにも運航うんこうされることになっていて、3日間にちかんでおよそ440人にんの日本人にっぽんじんがベトナムに入国にゅうこくする予定よていです。

一方いっぽう、外務省がいむしょうによりますと、ベトナムのビジネス関係かんけい者しゃや技能ぎのう実習じっしゅう生せいらの日本にっぽんへの入国にゅうこくについては、できるだけ早はやい時期じきに開始かいしする方向ほうこうで調整ちょうせいしているということです。

技能ぎのう実習じっしゅう生せいや企業きぎょうから喜よろこびの声こえ

日本にっぽんとベトナム両りょう政府せいふが、相互そうごに入国にゅうこく制限せいげんを緩和かんわすることで合意ごういしたことを受うけて、日本にっぽんで働はたらく予定よていの技能ぎのう実習じっしゅう生せいや実習じっしゅう生せいを送り出おくりだす企業きぎょうの関係かんけい者しゃからは、喜よろこびの声こえが聞きかれました。

このうち、首都しゅとハノイにある技能ぎのう実習じっしゅう生せいの送り出おくりだし企業きぎょうでは、感染かんせん拡大かくだいで日本にっぽんとの往来おうらいが制限せいげんされた結果けっか、およそ300人にんの実習じっしゅう生せいが出国しゅっこく時期じきの変更へんこうを余儀よぎなくされるなど、影響えいきょうが広ひろがっているということです。

実習じっしゅう生せいたちは、日本にっぽんへ行いく前まえに寮りょうで生活せいかつしながら、併設へいせつされた学校がっこうで日本語にほんごや日本にっぽんのマナー、それに建設けんせつといった専門せんもん的てきな技術ぎじゅつを学まなんでいますが、渡航とこうのめどが立たたないなか、大半たいはんが実家じっかのある地方ちほうに帰省きせいし、オンラインで授業じゅぎょうを受うけているということです。

こうした中なかでも、学校がっこうに残のこって日本語にほんごの勉強べんきょうを続つづけている29歳さいの男性だんせいは、本来ほんらいならばことし4月つきから福岡ふくおか県内けんないの漬つけ物ぶつ工場こうじょうで働はたらく予定よていだったということで「日本にっぽんに行いける可能かのう性せいが出でてきたのでうれしいです。もっと勉強べんきょうして、日本にっぽんでの仕事しごとにすぐになじめるよう、準備じゅんびを進すすめたいです」と話はなしていました。

送り出おくりだし企業きぎょうの経営けいえい者しゃは「両国りょうこく政府せいふが、合意ごういできてうれしいです。ビジネスにも大おおきな影響えいきょうが出でていますが、実習じっしゅう生せいの不安ふあんを軽減けいげんできるよう、取り組とりくんできました。早はやく実習じっしゅう生せいを日本にっぽんに送り出おくりだしたいですが、彼かれらが日本にっぽんで安心あんしんして働はたらけるよう、十分じゅうぶんな感染かんせん対策たいさくをお願おねがいしたいです」と話はなしていました。

去年きょねん1年間ねんかんに、ベトナムから海外かいがいに送り出おくりだされた労働ろうどう者しゃは、15万まん人にん余あまりに上のぼり、このうち半数はんすうを占しめるおよそ8万まん人にんが技能ぎのう実習じっしゅう生せいなどとして日本にっぽんに渡わたっています。

海外かいがいへの労働ろうどう者しゃの送り出おくりだしは、経済けいざいを下支したざさえする重要じゅうよう政策せいさくの1つだけに、ベトナム政府せいふとしては技能ぎのう実習じっしゅう生せいが、早はやく日本にっぽんで働はたらけるよう日本にっぽん政府せいふとの調整ちょうせいを急いそぎたい考かんがえです。

ベトナムの感染かんせん状況じょうきょうと入国にゅうこく制限せいげん

ベトナムは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが広ひろがる中なか、早はやい段階だんかいで水際みずぎわ対策たいさくの強化きょうかに乗り出のりだし、ことし3月つき下旬げじゅん以降いこうは、原則げんそくとして外国がいこく人じんの入国にゅうこくを認みとめていません。

しかし、国内こくないの感染かんせん者しゃは352人にんと感染かんせんの抑え込おさえこみに成果せいかをあげていることや、打撃だげきを受うけた経済けいざいの立て直たてなおしを図はかるため、ベトナム政府せいふは専門せんもん家かや高度こうどな技術ぎじゅつ者しゃなど一部いちぶの外国がいこく人じんについては特別とくべつに入国にゅうこくを認みとめています。

このうち日本人にっぽんじんについては、先月せんげつ9日にちに日本にっぽんに一時いちじ帰国きこくしていた駐在ちゅうざい員いんなど68人にんが現地げんちの日本にっぽん商工しょうこう会議かいぎ所しょが手配てはいしたチャーター機きで特別とくべつに入国にゅうこくしています。

ただ、アメリカやヨーロッパなど海外かいがいの国々くにぐにでは、依然いぜんとして感染かんせんの拡大かくだいが続つづいていることからベトナム政府せいふは、国外こくがいからウイルスが持ち込もちこまれ、再ふたたび国内こくないで感染かんせんが広ひろがることに警戒けいかいを強つよめています。

このため今回こんかい、入国にゅうこくが認みとめられた日本人にっぽんじんビジネス関係かんけい者しゃについても入国にゅうこく後ごにＰＣＲ検査けんさを受うけることやホテルなどで14日間にちかんの隔離かくりが求もとめられています。

一方いっぽう、ベトナム政府せいふは観光かんこう客きゃくなど受け入うけいれる外国がいこく人じんの範囲はんいの拡大かくだいや国際線こくさいせんの再開さいかいについて慎重しんちょうに検討けんとうしています。

官房かんぼう長官ちょうかん「わが国わがくにの検査けんさ体制たいせいの拡充かくじゅうが必要ひつよう不可欠ふかけつ」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは記者きしゃ会見かいけんで「今回こんかいのビジネス関係かんけい者しゃの渡航とこうは、両国りょうこく間かんのさらなる往来おうらいに向むけた第だい1歩ほだ。今後こんごとも、ベトナム当局とうきょくとは、外交がいこうルートを通をつうじて具体ぐたい的てきな措置そちや手続てつづきについて調整ちょうせいしていきたい」と述のべました。

そのうえで「国際こくさい的てきな人ひとの往来おうらいを再開さいかいしていくにあたり、わが国わがくにの検査けんさ能力のうりょくや体制たいせいを拡充かくじゅうすることは必要ひつよう不可欠ふかけつだ。厚生こうせい労働ろうどう省しょうをはじめ関係かんけい省庁しょうちょうが連携れんけいし、唾液だえきＰＣＲ検査けんさなどの導入どうにゅうや海外かいがいに行いく人ひとのためのＰＣＲセンターの設置せっちなどをしっかり進すすめていきたい」と述のべました。