日本新聞: 「アビガン」明確な有効性確認できず藤田医大など新型コロナ

「アビガン」明確めいかくな有効ゆうこう性せい確認かくにんできず藤田ふじた医大いだいなど新型しんがたコロナ

Jul 10, 2020 15:07

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの治療ちりょう薬やくの候補こうほとして期待きたいされている「アビガン」について、患者かんじゃに投与とうよする臨床りんしょう研究けんきゅうで明確めいかくな有効ゆうこう性せいは確認かくにんできなかったなどとする結果けっかを愛知あいち県けんにある藤田ふじた医科いか大学だいがくなどのグループが発表はっぴょうしました。藤田ふじた医科いか大学だいがくなどのグループは、ことし3月つきからインフルエンザ治療ちりょう薬やくの「アビガン」を軽症けいしょうや無む症状しょうじょうの入院にゅういん患者かんじゃ、88人にんに投与とうよし、有効ゆうこう性せいや安全あんぜん性せいを確たしかめる臨床りんしょう研究けんきゅうを行おこなっていて、10日にち、オンラインでの会見かいけんで結果けっかを公表こうひょうしました。

臨床りんしょう研究けんきゅうは「初日しょにちから最長さいちょうで10日間にちかんアビガンを投与とうよするグループ」と、「最初さいしょの5日間にちかんは投与とうよせず入院にゅういん6日にち目め以降いこうに投与とうよするグループ」で比較ひかくして調しらべています。

発表はっぴょうによりますと、「初日しょにちから投与とうよしたグループ」では6日にち目めまでにウイルスが検出けんしゅつされなくなった患者かんじゃは66.7％でしたが、「5日間にちかん投与とうよしなかったグループ」では56.1％でした。

また熱ねつが下さがるまでにかかった平均へいきんの日数にっすうは、初日しょにちから投与とうよすると2.1日にち、5日間にちかん投与とうよしなかった場合ばあいは3.2日にちだったということです。

研究けんきゅうグループは、入院にゅういん初日しょにちから投与とうよした方ほうがウイルスがなくなったり、熱ねつが下さがったりしやすい傾向けいこうは見みられたものの、統計とうけい的てきに明確めいかくな有効ゆうこう性せいは確認かくにんできなかったとしています。

一方いっぽう、重大じゅうだいな副作用ふくさようは確認かくにんできなかったということです。

土井どい洋平ようへい教授きょうじゅは「早はやく改善かいぜんする傾向けいこうはあり、有効ゆうこう性せいがなかったという結論けつろんではないと思おもう。国くにには依頼いらいがあればデータを提供ていきょうしていきたい」と話はなしています。

厚あつ労ろう省しょう「申請しんせいするかどうかは製薬せいやく企業きぎょうの判断はんだん」

「アビガン」について藤田ふじた医科いか大学だいがくの臨床りんしょう研究けんきゅうの結果けっかが示しめされたことを受うけ、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、「今回こんかいの結果けっかをどう扱あつかうのかや、新型しんがたコロナウイルスの治療ちりょう薬やくとしての承認しょうにんを今後こんご申請しんせいするかどうかは製薬せいやく企業きぎょうの判断はんだんだ。申請しんせいされた場合ばあいは厚生こうせい労働ろうどう省しょうとして改あらためて審議しんぎする必要ひつようがある」とコメントしています。