今回の
記録的な
豪雨で
熊本県では
多くの
犠牲者がでました。
このうち亡くなった
場所がわかった34
人のうち31
人が、
国などが
浸水や
土砂崩れが
発生するリスクが
高いとしていた
区域内で
被災していたことがわかりました。
専門家は「
危険な
場所を
教えて
くれる『ハザードマップ』の
活用が
非常に
重要だ」と
指摘しています。
今回の記録的な豪雨で熊本県では65人が死亡し、2人が行方不明となっています。
このうち、自宅や高齢者施設など亡くなった場所が判明したのはこれまでに34人に上りますが、このうち31人が、国などが浸水や土砂崩れが起きるリスクが高いとして事前に指定していた区域内で被災していたことがNHKの取材でわかりました。
残る1世帯3人の犠牲者もこうした区域の近くで亡くなっていました。
内訳をみますと、人吉市や球磨村、それに八代市では球磨川が氾濫するなどして特別養護老人ホーム「千寿園」で亡くなった14人の入居者を含む24人が、国や県が指定し自治体が作成するハザードマップのもとになる「洪水浸水想定区域」の内側で亡くなっていました。
一方、大規模な土砂災害が起きた芦北町では、犠牲になった7人はいずれも崖崩れや土石流などが発生するおそれがあるとして県が指定する「土砂災害警戒区域」の内側で被災していました。
災害時の避難行動に詳しい静岡大学の牛山素行教授は「近年、雨の降り方が変わって何が起きるかわからないという見方があるが、変わったのは激しい雨の降る頻度であって、今まで全く起きなかった場所で災害が発生する訳では無い。これは災害のたびに繰り返されていることで、本当に痛ましいが、今回も同様のことが起きたのだと言える。どこが危ないのか、より危険な場所がどこかを教えてくれる『ハザードマップ』の活用が非常に重要だ」と指摘しています。