平成10年7月25日、和歌山市園部の夏祭りの会場で、カレーを食べた小学生を含む4人が死亡し、63人がヒ素中毒となった「毒物カレー事件」では、近所に住む林真須美死刑囚(59)が殺人などの罪に問われ、平成21年に死刑が確定しました。
林死刑囚は、再審=裁判のやり直しを求め、現在、最高裁判所に特別抗告しています。
事件から22年となる25日、今は空き地になっている夏祭りが開かれた現場に地元の人が訪れ、雨が降る中、花束をたむけたあと静かに手を合わせ祈りをささげていました。
この空き地では、地元の自治会が事件の翌年から、毎年、慰霊祭を開いてきましたが「静かに命日を迎えたい」という遺族からの要望で10年前からとりやめています。
空き地で手を合わせた「カレー事件被害者の会」の杉谷安生副会長(73)は「今でも当時のことが鮮明に浮かんできます。亡くなった人を思うと胸がいたく、怒りと悲しみを感じます。風化させないように、献花には来られるかぎり来たいです」と話していました。