新型コロナウイルスの
感染が
全国で
拡大する
中、
政府の
分科会は
感染状況を4つの
段階に
分け、
状況が
悪化する
前に
重症者数などの
指標を
踏まえ
必要な
対策を
講じるべきだとする
考え方をまとめました。
分科会の
尾身会長は、
感染者が
増加する
東京や
大阪などは、
医療提供体制への
負荷が
蓄積しつつ
ある2
段階目の「
感染漸増段階」にあたるという
認識を
示しました。31
日に
開かれた
政府の
分科会のあと、
西村経済再生担当大臣と
尾身茂会長が
記者会見し、
新型コロナウイルスの
感染状況を4つの
段階に
分け、
必要な
対策を
検討して
いくとする
考え方をまとめたことを
明らかにしました。
具体的には、
▽感染者が散発的に発生している状況を「感染ゼロ散発段階」、
▽感染者が徐々に増加し、医療提供体制への負荷が蓄積しつつある状況を「感染漸増段階」、
▽感染者数が急増し、医療提供体制に支障が出ている状況を「感染急増段階」、
▽爆発的な感染拡大が起き、医療提供体制が機能不全に陥っている状況を「感染爆発段階」としています。
そのうえで、状況が悪化して次の段階に移行する前に重症者数や医療提供体制などの指標を踏まえて、必要な対策を講じることが重要だとしています。
尾身氏は、感染者が増えている東京や大阪などは2段階目の「感染漸増段階」にあたるという認識を示しました。
また、西村大臣は、感染状況を判断するための指標について、「今後、医療提供体制や、60代以上の感染者の数、重症者の数、新規感染者の数をどう見ていくのか、さらに議論を詰めていただきたい。全国共通の指標としてお示しすることを念頭に置いている」と述べました。
一方、西村大臣は、感染者に対する偏見や差別などが指摘されているとして、専門家などによるワーキンググループを新たに設置し、対策を検討する考えを示しました。
感染状況を4段階に分類
政府の分科会は、感染状況について感染者が少ないほうから、
▽「感染ゼロ散発段階」、
▽「感染漸増段階」、
▽「感染急増段階」、
▽「感染爆発段階」の4つの段階に分けるとする考え方を示しました。
それによりますと、感染が最も少ない「感染ゼロ散発段階」は、感染が起きていないか、8散発的に起きているものの医療提供体制に特段の支障が出ていない状況です。
現在、感染者数が少ない地域はこの段階にあるとしています。
2段階目の「感染漸増段階」は、感染者の集団、クラスターが発生するなど、感染者が増え、重症患者も徐々に増加することで対策にあたる保健所や医療提供体制への負荷が高まりつつある状況です。
分科会の尾身茂会長は感染者が増えている東京や大阪などはこの段階にあたるという認識を示しました。
3段階目の「感染急増段階」は、クラスターが多発して、感染者が急増することで医療提供体制への負荷がさらに高まって一般の医療にも大きな影響が出ている状況を指すとしています。
現在、この段階にある地域はないとしています。
そして、感染状況が最も深刻な4段階目の「感染爆発段階」は、病院内など大規模なクラスター感染が連鎖して起きることで、爆発的な感染拡大につながった状況を示すとしています。
高齢者や持病のある人など重症化リスクの高い人たちが多く感染し、保健所や医療提供体制が機能不全に陥っている状況です。
悪化の予兆把握へ対策と指標
分科会は、それぞれの段階で感染の状況が悪化し、次の段階に進んでしまう前にいち早く予兆をつかんで必要な対策を講じることが重要だとしています。
そのための指標は、具体的には、今後検討するとしていますが、医療提供体制のひっ迫具合を見るために、
▽確保できている病床数や、
▽重症患者の数、
▽それに60歳以上の感染者数などを踏まえ判断するとしています。
また、
▽PCR検査で陽性と判定される割合、
▽「陽性率」や感染経路が不明な人の割合なども検査体制や対策を行う公衆衛生への負荷を見るうえで重要だとしています。
さらに分科会は、感染状況が悪化し、段階が進むのを防ぐ対策についても考え方をまとめ、このうち、「感染漸増段階」から「感染急増段階」への移行を防ぐためには、
▽ガイドラインを守っていない酒を提供する飲食店への休業要請や、
▽3密を徹底的に避けること、
▽それに、病床や宿泊療養施設の追加での確保など、現在行われているような対策を進めることが大事だとしています。
また、「感染爆発段階」への移行を防ぐためには、全面的に人と人との接触機会を減らす必要があるため、「緊急事態宣言」など強制力のある対応を検討せざるをえないとして、
▽外出自粛やイベントの開催自粛の要請、
▽軽症者は原則、宿泊療養とするなど、入院治療が必要な重症者を徹底的に優先するなどといった対策を示しています。
尾身会長「早いうちに数値など具体的な指標を示す」
尾身会長は記者会見で、「これから1週間ほどかけてなるべく早いうちに数値など、さらに具体的な指標を示したい。指標は、対策を行う都道府県にとって納得感のあるものでないといけないので、しっかりと連携しながら作っていきたい」と述べ、次回の分科会までにより具体的な指標を提案する考えを示しました。