商船三井が
運航する
貨物船が
インド洋の
島国、モーリシャスの
沖合で
座礁した
事故で、
商船三井は
船の
中に
残っていた
油は、
ほぼすべて
回収したとみられると
発表しました。
流出がさらに
拡大する
事態は
避けられましたが、
海上に
残る油の
回収が
終わるめどは
立たない
状況が
続いています。
先月26
日、
商船三井が
運航する
貨物船が、モーリシャスの
沖合で
座礁した
事故では、
船の
中に
残った
油の
流出を
防ぐため、
専門の
業者が
油を
抜き取る作業を
進めていました。
商船三井は13日、船の中の油について「ほぼ全量を回収できたとみられる」と発表しました。
これによって、油の流出がさらに拡大する事態は避けられました。
一方、海に流出した、およそ1000トンの重油のうち、これまでに回収できたのは、半分程度にとどまっているということです。
今後の回収作業については、現場の波の高さなど気象状況が不安定なため「見通しを示すのは難しい」としたうえで、「早期の事態解決に向けて取り組む」とコメントしています。
また、船を所有する長鋪汽船は「当事者としての責任を痛感しており、賠償については適用される法に基づき、誠意を持って対応させていただくつもりだ。モーリシャスの皆様や関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしており、申し訳ございません」というコメントを発表しました。
油流出の賠償責任は
船から油が流出した場合の賠償責任や額については、国際的な条約で取り決められています。
今回、モーリシャスの沖合で座礁した大型のばら積み貨物船、「WAKASHIO」は、岡山県の長鋪汽船が所有し、海運大手の商船三井がチャーターしていました。
海難事故に関わる条約では、事故で油が流出した場合、賠償責任は、船の所有者が負うことになっていて、保険を活用して賠償金を支払うことになります。
条約では、船の容積を示す「トン数」に応じて賠償額の上限が定められています。
船舶の所有者でつくる相互保険組合の「JAPAN P&I CLUB」によりますと、今回の事故の場合、賠償額の上限は、日本円にして19億円相当と見込まれるということです。
ただ、今回の事故では、モーリシャスの主要産業である観光事業への打撃や、さんご礁や水鳥など環境への影響が懸念されているだけに、船を運航していた商船三井も含めて、今後の対応が問われることになりそうです。