菅官房長官
菅官房長官は、3日午後、東京 世田谷区にある谷垣グループの特別顧問を務める谷垣前総裁の自宅を訪問し、総裁選挙での支援を求めました。
このあと菅氏は、記者団に対し「応援いただけるようお願いした」と述べました。
同席した谷垣グループの牧原経済産業副大臣によりますと、菅氏が、「コロナ禍や経済も心配な中で、安倍総理大臣が積み上げたものを壊すわけにはいかない」と述べたのに対し、谷垣氏は、「自分も障害者になり、ウイルスが怖いという感覚を持っている。対策の陣頭指揮をとってきた菅氏の立候補は国民に安心感を与えるもので、頑張ってもらいたい」と応じたということです。
谷垣グループは、今回の総裁選挙では自主投票とする方針を決めています。
谷垣前総裁を訪問したあとの午後の記者会見で、菅官房長官は、「障害や難病のある方々が、仕事でも地域でも個性を発揮して、生き生きと活躍することができる社会を作りあげていくことは重要だ。これまでも建物のバリアフリー化や障害者雇用の推進などの取り組みを進めているが、来年はオリンピック・パラリンピックもあり、しっかり取り組む必要がある」と述べました。
菅官房長官を支持する細田派、麻生派、竹下派、二階派、石原派の5つの派閥と、菅氏に近い無派閥の議員で作る陣営は、午前に続いて夕方も会合を開き、選挙対策本部の発足に向けて対応を協議しました。
そして、選挙対策本部長に、無派閥の小此木元国家公安委員長を決めました。小此木氏は、菅氏がかつて秘書として仕えた小此木彦三郎元建設大臣の三男です。
また、事務総長は竹下派の山口組織運動本部長、事務局長は二階派の吉川前農林水産大臣が務めることになりました。
さらに、立候補に必要な20人の推薦人については、派閥の所属議員の規模などに応じて人数を割りふることを確認しました。
会合のあと、山口氏は記者団に対し、「選挙対策本部の幹部には、派閥の領袖などはつけず、シンプルな体制とした。一致団結し、みんなで輪を作っていくには偏りがないほうがいいと判断した」と述べました。
菅官房長官は、民放の番組で、衆議院の解散・総選挙について、「総理大臣が決まれば、速やかに国民の信を問う必要があるか」と問われたのに対し、「それは状況しだいだと思う。今まさにコロナ禍の状況で、何としてもコロナ対策をしっかりやってほしいというのが国民の声であり、これが終えんを告げられるかどうかだろうと思う」と述べ、新型コロナウイルス対策を最優先にすべきだという認識を示しました。
そのうえで、「誰が総裁になるかはわからないが、なった人の判断だと思う。ただ、環境とすれば、コロナ禍の中で、国民が何をやってほしいかということを客観的に考えながらやるべきだろう」と述べました。
岸田政調会長
岸田政務調査会長は、3日午後、東京都内の病院を訪れ、新型コロナウイルスの感染者の受け入れ態勢の視察や、病院関係者らとの意見交換を行い、PCR検査の拡充や、医療機関への財政支援に取り組んでいく考えを伝えました。
岸田氏は、記者団に対し、「政策の一丁目一番地は新型コロナウイルスとの戦いだ。医療機関の経営が深刻な状況であり、予備費の活用などしっかりと取り組まなければならない。中小企業への支援も含め、検査体制の充実が必要だ」と述べました。
そのうえで、岸田氏は、「現場の苦労を聞き、政治がどう応えるか考えるために視察した。国民が最も関心を持つ課題への考えを発信することが、国会議員にも届き、総裁選挙に大きな影響を及ぼすと信じている」と述べました。
石破元幹事長
石破元幹事長は、派閥の会合で、「党員や国民に、日本や自民党はどうあるべきかをそれぞれの候補者が示し、やがて来るであろう国政選挙で国民の納得と共感を得られる総裁選挙にしたい。『政治は一部の人が決めるものだ』とか『政治家は自分たちの利害しか考えていない』などと国民に思われたら、民主主義は根底から崩れてしまう。そうなる前に、私は全力でこの選挙を戦いたい」と述べました。
石破元幹事長の陣営は、3日午後、東京都内のホテルに選挙対策本部を発足させました。
初会合には、石破派に所属する国会議員のほか、無派閥の渡海元文部科学大臣や、竹下派の三原朝彦衆議院議員など、およそ20人が出席しました。
会合では、選挙対策本部長に石破派の会長代行を務める山本元農林水産大臣を決めたうえで、各地で予備選挙が行われることを踏まえ、石破陣営が期待を寄せる地方票の獲得に向けた戦略などを協議しました。
会合のあと、石破氏は、記者団に対し、「本当にさわやかで晴れやかな気持ちだ。国民や次の時代のために意義ある戦いにしたい。この国がどうあるべきか、自分の思っていることを全身全霊で訴えたい」と決意を示しました。