そして試合前から応援歌を歌うなどして会場を盛り上げ、試合が動くたびにスタジアムは大きな歓声に包まれました。
すべての観客席で声出し応援ができるようになったことについて山梨県から訪れた19歳の男性は「コロナ前にだんだん戻っている感じがするし、みんなで声を出すという一体感が味わえていい。サポーターとしてもすごくうれしいし、選手のモチベーションにもつながると思う。甲府の歌を歌って選手を後押ししたい」と話していました。
また、1歳の息子と一緒に訪れた横浜F・マリノスファンの男性は「鳥肌が立つと思うので、ワクワクしている。声出し応援ができなくなってから加入してきた選手もいるので、その選手の応援歌を聞くのも楽しみだ。サポーターの声援が選手の頑張りにつながればいい」と話していました。
野々村チェアマンはその理由について集客面での期待に加え「サポーターの熱量が相当、勝ち負けに影響するという実感を持っている。サポーターが力を発揮できる場を提供できない状況は本来のサッカーではない」と述べ、競技の面からも声出し応援ができる環境整備は欠かせないとしていました。 Jリーグは去年6月、ゴール裏の一部に声を出して応援できるエリアを設け、国内の主要なプロスポーツの中でもっとも早く、声出し応援を再開しました。 しかし、当時は政府の基本的対処方針で大声を伴うイベントの観客の収容率を50%に制限することが求められていたため、観客はスタジアム全体の50%までしか入れませんでした。 その後、Jリーグは声出し応援が許可された試合のマスク着用率や二酸化炭素の濃度など、科学的なデータを示して観客の収容率などの見直しを政府に働きかけてきました。 その中で去年9月、声出し応援ができないエリアに限って定員の100%まで観客を入れることができるようになりました。 そして先月、政府が大声を伴うイベントで感染対策を行えば定員の100%まで入場を可能にする方針を示したことを受けて、Jリーグがゴール裏などに限定していた声出し応援のエリアを撤廃し、すべての席で声出し応援ができるようになりました。 ただ声出し応援をする際の制約は依然として残っています。 周りの人との距離が2メートル以上ある場合を除きマスクの着用が求められ、マスクを着用せずに飛まつ拡散のおそれがある指笛などをする行為は禁止されています。 野々村チェアマンは「ようやくここまで来た」としたうえで、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行することを踏まえ「もっと前に進めないといけないこともある。社会が元に戻っていく中でサッカーがその一助になれるようにやっていかないといけない」と話しました。
また、ヴァンフォーレ甲府のサポーターで23歳の男性は「声を出せて一体感があった。ファンの気持ちが乗ったすごくいい試合だった。声出し応援ができる状態を続けられるようにしてほしい」と話していました。
また、決勝ゴールを決めた西村拓真選手は「やっとJリーグが始まるのでこの勢いで開幕からいいスタートを切れるよう戦っていきましょう」と観客席を埋めたサポーターに呼びかけていました。
野々村チェアマン「ようやくここまで来た」
サポーター「360度から声援を」
喜田「最初の公式戦にふさわしい雰囲気」