「将来しょうらい子こどもを持もつ」46％ 18歳さい前後ぜんごの若者わかもの 金銭きんせん負担ふたんなどが壁かべに

▽「教育きょういく無償むしょう化か」が39％、

▽「子育こそだて世帯せたいへの手当てあて・補助ほじょ金きんの拡充かくじゅう」が33％と続つづいたほか、

▽「育児いくじ休暇きゅうかの取得しゅとく促進そくしん」や、

▽「保育ほいく所しょなどの受け皿うけざらの整備せいび・拡充かくじゅう」も20％を超こえています。

日本にっぽん財団ざいだんは「子こどもを持もちたいと考かんがえる若わかい人ひとも、金銭きんせん的てき負担ふたんや仕事しごととの両立りょうりつが壁かべになると考かんがえている現状げんじょうを重おもく受け止うけとめる必要ひつようがある。精神せいしん的てきな負担ふたんなど子こどもを産うみ育そだてることへの不安ふあんは多岐たきにわたっており、幅広はばひろい支援しえんが必要ひつようだ」としています。

最初さいしょに弁護士べんごしが病気びょうきなどの理由りゆうで返済へんさいが厳きびしくなった場合ばあいについて、返済へんさい期限きげんの猶予ゆうよを申請しんせいしたり、返済へんさい期間きかんを延のばして月々つきづきの返済へんさい額がくを減額げんがくしたりする方法ほうほうがあることなどを説明せつめいしました。

このあと互たがいの状況じょうきょうを語り合かたりあうワークショップが開ひらかれ「奨学しょうがく金きんの返済へんさいで、貯金ちょきんもやりたいこともできない」とか「生き方いきかたの幅はばが狭せばまっている」といった不安ふあんの声こえが聞きかれました。

参加さんかした25歳さいの女性じょせいは「夢ゆめを持もって社会しゃかい人じんになったのに生活せいかつが苦くるしい。手取てどりも15万まん円えんほどで、『子育こそだてもしたいけれど考かんがえられないよね』という話はなしを友達ともだちとよくします。それが普通ふつうの会話かいわなので、悲かなしくなる時ときがあります」と話はなしていました。

都内とないに住すむ25歳さいの女性じょせいは、教員きょういんになる夢ゆめをかなえたいと、地元じもとを離はなれて教職きょうしょく課程かていがある都内とないの私立しりつ大学だいがくに通かよいましたが、兄弟きょうだいもいるため、自身じしんの学費がくひと1人にん暮くらしに必要ひつような生活せいかつ費ひは奨学しょうがく金きん400万まん円えんを借かりて賄まかないました。

無事ぶじに教員きょういん免許めんきょを取とり卒業そつぎょう後ごは高校こうこうの教員きょういんとして働はたらき始はじめましたが、手取てどりおよそ20万まん円えんの給料きゅうりょうから月つきに1万まん7000円えんずつの返済へんさいが始はじまりました。

その後そのご、体調たいちょうを崩くずして退職たいしょくを余儀よぎなくされると、貯金ちょきんはすぐに底そこをついて奨学しょうがく金きんの返済へんさいが難むずかしくなり、一時いちじは知人ちじんに借かりて対応たいおうしたということです。

女性じょせいは「400万まん円えんは大おおきな額がくだと思おもっていましたが、学生がくせい時代じだいは大学だいがくを卒業そつぎょうして真面目まじめに働はたらけば返かえせるだろうと思おもっていました。まさか自分じぶんが体調たいちょう不良ふりょうになって仕事しごとを辞やめると想像そうぞうしていなかったので、真っ先まっさきに奨学しょうがく金きんどうしようと考かんがえ、死しんで何なんとかしなければと、思い悩おもいなやんだこともありました」と振り返ふりかえりました。

女性じょせいはその後そのご転職てんしょくし、生活せいかつは安定あんていしつつあるといいますが、今後こんご、返済へんさいは18年間ねんかん続つづき、自分じぶんが生いきていくための衣食住いしょくじゅうを確保かくほしていく以上いじょうの余裕よゆうはないと感かんじていて、将来しょうらい子こどもは絶対ぜったいに産うまないと決きめているといいます。

女性じょせいは「子こどもはすごく好すきで、見みかけると『かわいいな』と目めで追おってしまうほどですが、自分じぶんの奨学しょうがく金きんを返かえさなければいけないのに、子こどもの学費がくひのことを考かんがえたら産うむ想像そうぞうもできないです。お金おかねを借かりなければ進学しんがくができない人ひとが多おおい現状げんじょうを知しってほしいし、お金おかねの不安ふあんや子こどもの学費がくひへの心配しんぱいが解消かいしょうされないと考かんがえは変かわらないと思おもう」と話はなしていました。

中央ちゅうおう大学だいがく文学ぶんがく部ぶのゼミで家族かぞくの在り方ありかたや少子しょうし化か問題もんだいを学まなんできた学生がくせいたちに、国くにに進すすめてほしい少子しょうし化か対策たいさくを聞きいたところ、4年生ねんせいの男子だんし学生がくせいは「子育こそだてにかかるコストは、みんなが不安ふあんを抱かかえている少子しょうし化かの根本こんぽん的てきな部分ぶぶんだと思おもうので、いちばん対策たいさくが大事だいじなのかなと思おもう」と話はなしていました。

そのうえで、別べつの4年生ねんせいの男子だんし学生がくせいは「財源ざいげんがないのは承知しょうちしているが、子こどもは国くにの将来しょうらいに直接ちょくせつ関かかわると思おもうので、未来みらいに投資とうしするために少子しょうし化か対策たいさくにもっとお金おかねを使つかってほしい。漠然ばくぜんとした不安ふあんがあるので、大おおきなインパクトのある大学だいがくの学費がくひ無償むしょう化かなどがあれば、前向まえむきになれるのではないか」と話はなしていました。

また、3年生ねんせいの女子じょし学生がくせいからは「子こどもを産うんでも仕事しごとを諦あきらめてなくていいような働はたらき方かたの工夫くふうが必要ひつよう」といった声こえが上あがるなど、安心あんしんして子育こそだてができる環境かんきょうづくりを求もとめる意見いけんが相次あいつぎました。

一方いっぽうで、別べつの3年生ねんせいの女子じょし学生がくせいからは「漠然ばくぜんとした不安ふあんをきちんとことばにしないと政治せいじ家かには伝つたわらないので、その不安ふあんを自分じぶんたちの中なかでも理解りかいしてことばにしていく必要ひつようがあると思おもう」といった声こえも上あがり、世代せだいを超こえてともに議論ぎろんしていく重要じゅうよう性せいも指摘してきしていました。

そのうえで求もとめられる対策たいさくとして「児童じどう手当てあての拡充かくじゅうなど子育こそだて家庭かていへの支援しえんも必要ひつようだが、経済けいざい的てきな理由りゆうから結婚けっこんしたくでもできない人ひとも増ふえているので、奨学しょうがく金きん返済へんさいの軽減けいげん策さくなど、若わかい人ひと向むけの対策たいさくも必要ひつようだ。いちばん不安ふあんが大おおきい高等こうとう教育きょういくの費用ひようの負担ふたん軽減けいげんも、少子しょうし化か対策たいさくの大おおきなポイントになる」と話はなしています。

そして「今いまの若者わかものは働はたらき方かたも含ふくめ非常ひじょうに多様たようで、正せい社員しゃいんどうしの夫婦ふうふもいれば、2人にんとも非ひ正規せいきで働はたらくカップルも増ふえている。結婚けっこんしない人ひともたくさんいる。若わかい人ひとの立場たちばに合あわせてきめ細きめこまかな対策たいさくを取とらないと少子しょうし化か対策たいさくにはならない。若者わかものはこうだと決きめつけるのではなく、さまざまな声こえを吸い上すいあげて対策たいさくを打うっていく必要ひつようがある」と話はなしていました。