警視庁は、機動隊など警察官数百人を配置して警戒に当たっています。
「DJポリス」と呼ばれる機動隊の広報班がマイクを使って誘導にあたっていて、外国人も多く集まるため、英語などでも呼びかけを行うということです。
また、制服の警察官が交差点近くに数メートル置きに立って、歩きながらの写真撮影をやめることや信号を守るよう声をかけていました。警視庁は、さらに混雑が激しくなれば、周辺の道路の車両の通行を規制することにしています。
渋谷では、ハロウィーン前の週末から仮装した若者などが大勢集まっていて、今月28日には、通りかかった軽トラックが集まった人に取り囲まれて横倒しにさせられたほか、暴行や痴漢の疑いで逮捕者も出ています。
警視庁は、1日の未明まで警戒を続けることにしていて、マナーを守って楽しむよう呼びかけています。
近くの大学に通う男性は「きょうは人が多くて騒がしいので、ほかの場所に移動したいと思う。集まる人はマナーを守ってほしい」と話していました。
渋谷 ごみ袋5万枚配布
仮装した人たちなどで混雑が予想される東京・渋谷区では、マナーを守って楽しんでもらうため、ごみ袋、5万枚を用意して無料で配っています。
渋谷でのハロウィーンをめぐっては、毎年、仮装した人たちが大勢集まるなか、割れた酒の瓶とみられるガラスの破片や空き缶、それに、たばこの吸い殻など、路上に散乱するごみが問題となっています。
ハロウィーンの31日、渋谷区と企業などが協力してカボチャをイメージしたごみ袋、5万枚を用意し、渋谷駅周辺の8か所で無料で配っています。
このうち渋谷区宇田川町に臨時に設けられるトイレの前では、担当スタッフが「ごみ袋を配布しています」と呼びかけながら、繁華街に向かう若者らに手渡していました。
埼玉県から来た21歳の会社員の女性は、「かわいいし便利なのできょうはこの袋にごみを入れて帰ります」と話していました。
また、横浜から来た16歳の男子高校生は「ごみ袋を渡されたからには落ちているごみを拾って帰ろうと思います」と話していました。
渋谷区環境政策課の國副隆課長は「自分で出したごみを持ち帰るのもひとつのマナーです。駅の周辺に設置されたエコステーションでもごみを集めているので、ポイ捨てをせずにごみを処理してほしい」と話していました。
群集心理も影響か
東京・渋谷などで起きたハロウィーンでのトラブルについて、社会心理学が専門の東洋大学の戸梶亜紀彦教授は、大勢の人が集まった時に見られる、「群集心理」と呼ばれるふだんとは異なる心理状態が働いたのではないかと指摘しています。
戸梶教授は「大勢の人が集まると無意識のうちに人と同じ行動をとってしまう『同調行動』と呼ばれることがおきやすい。悪い行動でも追従しやすい傾向がある」と話しています。
そして「特にハロウィーンでは仮装をしているのでより匿名性が高まり、自分が自分ではない感覚に陥り無責任な行動を取りやすくなる。物を壊したりゴミを散らかすなどの行為を見ても、『みんながやっているならかまわない』と責任が分散されるような感覚を持ったのではないか」と指摘しています。
そのうえで「渋谷の駅前は近年、サッカーのワールドカップの応援などあらゆるイベントのたびに大勢の人が集まっている。ふだん許されないことが許される場のように感じる人もいて、それは年々エスカレートしているように感じる」と話しています。