不正入試が
明らかになった
東京医科大学は
7日、
記者会見を
開き、
去年とことしの
不正で
不合格とされた
女子受験生や
浪人生など、
合わせて101
人を
追加合格の
対象にすることを
明らかにしました。ただし、
追加合格には
上限が
あるため、
希望者全員が
入学できない
可能性があるということです。
東京医科大学は、
女子受験生や
浪人生の
得点を
一律に
減点する
などの
不正入試を
行っていたことが
明らかになり、
第三者委員会を
設置するなどして
対応を
検討していました。
大学は7日、都内で記者会見を開き、林由起子学長が「追加合格の対象者があまりにも多く、がく然としています。不利益を被った人たちには本当に申し訳なく思っています」と述べて謝罪しました。
そして、去年とことしの入試で合格ラインを超えていながら不合格とされた女子受験生と浪人生など、合わせて101人を追加合格の対象とすることを明らかにしました。
101人の内訳は、去年が男子と女子ともに16人の合わせて32人、ことしが男子18人、女子51人の合わせて69人です。
大学は今月末までに本人に入学の意思があるか確認したうえで、来年4月に入学を認めることにしています。
ただし、追加合格の上限は63人と決められていて、不正入試により入学した在校生を退学させることはできないため、希望者全員が入学できない可能性があるということです。
また、来年の入試については、推薦は例年どおり実施し、一般とセンター試験利用は、追加合格者を差し引いたうえで定員を確定し、実施するということです。
大学はおととしより前の入試については、引き続き、第三者委員会の調査結果を待って対応することにしています。
元受験生「差別が間違いだったと認めて」
東京医科大学を去年受験して不合格になり、今は別の大学の医学部に通っている女性は、模擬試験で東京医科大学は80%以上の合格率を示す「A」と判定されましたが、実際の入試では2次試験で不合格とされました。
この女性は「最初に入試で不正があったと聞いたときはやっぱりかと思ったが、話を聞くにつれて悔しいとか悲しいという気持ちが大きくなっていく。不合格になったのは1次試験の結果が悪かったのか、ほかに理由があったのか、はっきりさせたい。大学には受験料6万円の返還と差別が間違いだったとしっかりと認めてほしい」と話していました。
現役合格の男子学生「不正な判断の結果ならつらい」
東京医科大医学科に現役で合格した男子学生は「女性や浪人した人の代わりに自分が不正な判断の結果、入学できたのかもしれないと思うと、申し訳ないし、つらいです。産休を取る可能性を考え、女子の合格者を少なくする意図があるならば、募集要項に記すべきだ。今後はきちんとした試験をしてほしい」と話していました。
他大学の調査は
この問題を受けて、文部科学省は、医学部のある全国80の大学に対して同様の不正がないか調査を行っています。
先月の中間報告では、不適切な入試が行われた大学は、東京医科大学や昭和大学以外にも複数あり、不適切な事例は性別や年齢による得点操作など少なくとも4種類あることを明らかにしました。
一方で、具体的な大学名や数については、調査が途中であることや大学側が自発的に公表すべきだといった理由で、一切明らかにしていません。
これまでに入試に問題があったことを認めたのは昭和大学だけで、男女の合格率の開きが最も大きかった順天堂大学は今月下旬をめどに調査結果を公表するとしています。
文部科学省は、各大学の対応などを見極めて、年末までに最終的な調査結果を公表するとしています。