輪島市 珠洲市で震度5強 能登町で震度5弱
地震があったのは3日午前6時31分ごろで、震度5強の揺れを石川県の輪島市と珠洲市で、震度5弱を能登町で観測しました。
また、震度4の揺れを石川県七尾市と穴水町、それに新潟県の上越地方と中越地方で観測しました。
このほか東北や北陸、関東甲信、東海、近畿、中国地方、四国の広い範囲で震度3から1の揺れを観測しました。
気象庁によりますと、震源地は石川県能登地方で、震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.9と推定されています。
この地震で多少の潮位の変化があるかもしれませんが、被害の心配はありません。
この地震およそ10分後の午前6時40分ごろには石川県珠洲市で震度4の揺れを観測するなど能登地方では地震が相次いでいて、今後の揺れに十分注意してください。
専門家「能登半島地震の余震 引き続き警戒」
石川県で震度5強の揺れを観測した地震について、地震のメカニズムに詳しい東京大学地震研究所の佐竹健治特別研究員は「震源の位置や深さなどから考えると、ことしの元日に発生した能登半島地震の余震と考えられる。きょうの地震も『逆断層』というメカニズムで元日の地震と同じだが、マグニチュードが比較的小さかったため津波は発生しなかった」と指摘しています。
そのうえで、「能登半島地震はマグニチュード7クラスの規模の大きな地震だったため、数か月たってから今回程度の地震が起きることはよくある。今回の地震によって再び一時的に地震活動が高まる可能性もあるため、引き続き、地震活動には警戒してほしい。特に、元日の揺れで被害を受けた建物や山の斜面、それに、まだ撤去されていないがれきなどは、弱い揺れでも崩れることがあるため危険な場所には近づかないでほしい」と話していました。
輪島市 2階建て住宅の1階部分が倒壊 これまでけが人の情報なし
NHKが撮影した映像では、石川県輪島市大屋地区にある2階建ての住宅の1階部分が倒壊し、住宅のとびらなどが道路にはみ出している様子が確認できます。
警察によりますと、この住宅は2日の時点では倒壊していなかったということです。
また、今のところけが人の情報は入っていないということです。
現場では警察官が交通整理を行っていて道路は通行できるようになっています。
長周期地震動の「階級2」を観測
石川県で震度5強の揺れを観測した地震で、石川県では長くゆっくりとした揺れ、「長周期地震動」の「階級2」を観測しました。
「階級2」の揺れを観測したのは石川県の輪島市と珠洲市、それに能登町でした。「階級2」は4つの階級のうち上から3番目です。
また、「階級1」の揺れを新潟県と長野県で観測しました。
長周期地震動は、規模の大きな地震で発生する周期が2秒を超えるような大きくゆっくりとした揺れで、特に高層ビルなどで影響が出ます。気象庁は、「階級2」は室内で大きな揺れを感じ、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じるとしています。
《原発の情報》
北陸電力“志賀原発 これまでのところ異常は確認されず”
3日6時半ごろの地震で震度3の揺れを観測した石川県志賀町にある志賀原子力発電所は、1号機、2号機ともに長期間運転を停止していますが、北陸電力によりますと、これまでのところこの地震による異常は確認されていないということです。
また、原発周辺の放射線量を測るモニタリングポストの値にも変化はないということです。
東京電力“柏崎刈羽原発 これまでのところ被害確認されず”
東京電力によりますと、新潟県柏崎市と刈羽村にある柏崎刈羽原子力発電所ではこれまでのところ地震による被害は確認されていないということです。
原子力規制庁“柏崎刈羽原発・志賀原発 異常確認されず”
原子力規制庁によりますと、3日6時半ごろ地震で震度4の揺れを観測した新潟県柏崎市と刈羽村にある東京電力の柏崎刈羽原子力発電所と、震度3の揺れを観測した石川県志賀町にある北陸電力の志賀原子力発電所では、いずれもすべての原子炉が長期間運転を停止していますが、これまでのところ、この地震による異常は確認されていないということです。
また、原発周辺の放射線量を測るモニタリングポストの値に変化はないということです。
北陸電力“これまでのところ停電の情報入っていない”
北陸電力によりますと、これまでのところ停電の情報は入っていないということです。
石川県で震度5強以上は1月6日の地震以来
石川県で震度5強以上の揺れを観測したのは、ことし1月6日に能登半島沖を震源とするマグニチュード4.3を観測した地震以来です。
このときは石川県志賀町で震度6弱を観測しました。
政府 官邸対策室で情報の収集と警戒
今回の地震について、政府は、能登半島地震を受けて総理大臣官邸の危機管理センターに設置されている官邸対策室で情報の収集と警戒にあたっています。
《交通影響》
国道470号 一部を安全確認のため午前7時半から通行止め
国土交通省の金沢河川国道事務所は国道470号の「穴水インターチェンジ」から「のと三井インターチェンジ」までの上下線を道路の安全確認のため、午前7時半から通行止めにするということです。
「のと里山海道」これまで地震による新たな被害確認されず
石川県の中能登土木総合事務所によりますと、金沢市と能登半島を結ぶ自動車専用道路「のと里山海道」では、これまでのところ、地震による新たな被害は確認されていないということです。
北陸新幹線と上越新幹線 一時運転を見合わせ 順次再開も遅れ発生
JR西日本によりますと、北陸新幹線は地震による停電の影響で、群馬県の高崎駅と福井県の越前たけふ駅の間で運転を見合わせていましたが、午前6時50分に運転を再開しました。また、JR七尾線は平常どおりの運行となっています。
また、JR東日本によりますと地震の影響で北陸新幹線と上越新幹線は停電が発生したため一時運転を見合わせましたが、安全の確認がとれたとして午前6時50分から運転を再開しています。遅れが発生しているということです。
「のと鉄道」全線で運転見合わせ 点検には数時間かかる見通し
「のと鉄道」は、地震の影響で七尾駅と穴水駅駅の間の全線で運転を見合わせています。現在、運行に支障がないか点検をしており、確認には数時間かかる見通しだということです。
新潟県内の在来線 一部で運転見合わせ
新潟県内の在来線は、信越本線の上越市の直江津駅と長岡市の塚山駅の間の上下線で運転を見合わせています。また、北越急行はほくほく線の上越市のくびき駅と犀潟駅の間の上下線運転を見合わせています。
全日空“能登空港と羽田空港を結ぶ便への地震の影響なし”
石川県輪島市にある能登空港の管理事務所によりますと、調査の結果、滑走路やターミナルビルに被害などは確認されなかったということです。全日空も、能登空港と羽田空港を結ぶ便への地震の影響はないとしています。
日本航空と全日空“新潟空港発着の便に欠航や遅れなど影響なし”
日本航空と全日空によりますと、新潟空港を発着する空の便に欠航や遅れなど影響はないということです。
《石川県の状況》
輪島市で建物3棟が倒壊 消防庁
総務省消防庁によりますと、午前8時50分現在、石川県輪島市で建物3棟が今回の地震で倒壊したということです。
倒壊したのは市内の小伊勢町と二ツ屋町、杉平町の3棟で、いずれもけが人の情報はないとしています。
金沢市 粟崎小学校近くの歩道の一部陥没 警察が状況確認中
警察によりますと、3日朝の地震の影響で金沢市の粟崎小学校近くの歩道の一部が陥没し、現場で警察官が状況を確認しているということです。
石川県“6つの市町と連絡取り情報収集中”
石川県によりますと、県はことし元日の能登半島地震で大きな被害が出た輪島市、珠洲市、七尾市、能登町、穴水町、志賀町のあわせて6つの市と町と順次、連絡を取り合って情報の収集を進めています。
午前7時15分までに、被害の情報は入っていないということです。
また、準備が整い次第、災害対策本部会議を開くとしています。
石川県警察本部“これまでのところけが人情報なし”
石川県警察本部によりますと、午前7時30分現在、けがをした人の情報は入っていないということですが、引き続き地震による被害の状況を確認しているということです。
輪島警察署“午前6時45分現在 被害の情報は入っていない”
石川県輪島市の輪島警察署によりますと、午前6時45分現在、地震による被害の情報は入っていませんが、情報収集を進めているということです。
珠洲警察署“午前7時半までに被害の情報は入っていない”
震度5強の揺れを観測した珠洲市にある珠洲警察署によりますと、突き上げるような揺れのあと10秒ほどの横揺れを感じたものの、机から物が落ちるようことは無かったいうことです。午前7時半までに被害の情報は入っていないということで、確認を進めているということです。
珠洲市に住む女性「部屋の壁がはがれたり物が落ちたりして散乱」
震度5強を観測した石川県珠洲市に住む女性は「いきなり大きな揺れが来て怖かった。横揺れがすごくて、部屋の壁がはがれたり台所や洗面所の物が落ちたりして散乱している」と話していました。
珠洲市の旅館「久しぶりに大きく揺れた」
石川県珠洲市飯田町の谷野旅館に勤める谷野英子さんは、「最近は大きな揺れがないと安心していたら、久しぶりに大きく揺れました。本当にひどい揺れでした。横揺れが20秒くらい続いたと思います。泊まっているお客様は20人ほどですが、今のところ大きな混乱はありません。高いところにおいている調味料の瓶や食器が倒れて割れているので、ほかの被害の確認もしたいと思います」と話していました。
輪島市の民宿「1月の揺れを思い出して不安に」
震度5強の揺れを観測した輪島市で、民宿を営む坂口晃さんは「久しぶりに大きな揺れでした。1階のフロントにいたときに揺れを感じて机の下に隠れました。民宿には復興作業にあたっている人が宿泊していて、揺れにびっくりして部屋の外に出た人と『大丈夫ですか』と声を掛け合いました。物が落ちたり割れたりする被害はありませんでしたが、1月の揺れを思い出して、まだこんな地震があるのかと不安になりました」と話していました。
《新潟県の状況》
新潟県警察本部“これまで被害の情報入ってきていない”
県警察本部によりますと、これまでのところ被害の情報は入ってきていないということです。また、震度4の揺れを観測した自治体を管轄する各警察署にも被害の情報は入ってきていないということで、警察は、引き続き情報収集にあたるとしています。
新潟県内の高速道路 地震の影響による通行止めなし
東日本高速道路によりますと、午前7時現在、新潟県内の高速道路では、地震の影響による通行止めはないということです。
新潟県上越市の直江津駅 運転再開を待つ利用者の姿
震度4の揺れを観測した新潟県上越市の直江津駅では、安全確認のため、列車が運転を見合わせていて、改札の外で運転再開を待つ利用者の姿が見られました。
駅近くにある飲食店の店員は、「正月の地震に比べれば揺れませんでしたが、鍋の汁がこぼれました」と話していました。
10代の男性は、「地震が起きたときは自宅にいて、結構、横揺れがありました。学校に向かっているので、早く電車が再開してくれると助かります」と話していました。
震度5強 どんな揺れ?注意点は?
気象庁によりますと、震度5強の揺れでは多くの人が物につかまらないと歩くことが難しくなります。
耐震性の低い木造の建物は、壁などにひびや亀裂が入ることがあるほか、地盤や斜面では亀裂や液状化、落石、それに崖崩れなどが発生するおそれがあります。
固定していない家具は倒れることもあり、屋外では、補強されていないブロック塀が崩れることもあります。
倒れやすいものや崖の近くなど危険な場所には近づかないようにしてください。
室内では、棚にある食器類や本で落ちる物が多くなり、割れた食器やガラスなどがあると片付けをする場合などに思わぬけがをするおそれがあります。
決して無理をしないようにして、室内を歩くときはスリッパや靴を履くようにしてください。
不安を感じる場合は、安全な場所に避難してください。
今回の地震は朝の通勤・通学の時間帯に発生しましたが、気象庁によりますと、震度4程度以上の揺れがあった場合は、鉄道や高速道路などで安全確認のため運転の見合わせや通行規制などを行う可能性があり、最新の交通情報も確認するようにしてください。