日本新聞: 政治資金規正法の改正案特別委で可決あす衆院本会議へ

政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせいをめぐり、自民党じみんとうが公明党こうめいとうと日本にっぽん維新いしんの会かいの主張しゅちょうを踏ふまえて、新あらたに修正しゅうせいした法案ほうあんは、衆議院しゅうぎいんの特別とくべつ委員いいん会かいで採決さいけつが行おこなわれ、3党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつされました。法案ほうあんは、6日にちに本ほん会議かいぎで可決かけつされ参議院さんぎいんに送おくられる見通みとおしです。

政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせいをめぐり、衆議院しゅうぎいんの特別とくべつ委員いいん会かいは5日にち、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんに出席しゅっせきを求もとめて質疑しつぎを行おこないました。

このあと委員いいん会かいでは与野党よやとう双方そうほうが提出ていしゅつした法案ほうあんの採決さいけつが行おこなわれ、自民党じみんとうが、公明党こうめいとうと日本にっぽん維新いしんの会かいの主張しゅちょうを踏ふまえて新あらたに修正しゅうせいした法案ほうあんは、3党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつされました。

立憲りっけん民主党みんしゅとう、共産党きょうさんとう、国民こくみん民主みんしゅ党とうなどは反対はんたいしました。

一方いっぽう、立憲りっけん民主みんしゅ党とうと国民こくみん民主党みんしゅとうが提出ていしゅつした法案ほうあんなどは、いずれも否決ひけつされました。

委員いいん会かいでは、

▽個人こじんや企業きぎょうなどのパーティー券けんの購入こうにゅう額がくの上限じょうげんや

▽政治せいじ資金しきんパーティー以外いがいの事業じぎょうによる収入しゅうにゅうのあり方ありかた

▽親族しんぞく間かんでの政治せいじ資金しきんの移動いどう制限せいげんなどについて検討けんとうするとした付帯ふたい決議けつぎも、

自民党じみんとう、公明党こうめいとう、日本にっぽん維新いしんの会かいなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつされました。

自民党じみんとうの法案ほうあんは、6日にちに衆議院しゅうぎいん本ほん会議かいぎで可決かけつされ参議院さんぎいんに送おくられる見通みとおしです。

採決さいけつに先立さきだち岸田きしだ首相しゅしょう出席しゅっせきし質疑しつぎ

採決さいけつに先立さきだって、衆議院しゅうぎいんの特別とくべつ委員いいん会かいでは岸田きしだ総理そうり大臣だいじんも出席しゅっせきして質疑しつぎが行おこなわれました。

▽立憲りっけん民主みんしゅ党とうの岡田おかだ幹事かんじ長ちょうは、党とうから支給しきゅうされる「政策せいさく活動かつどう費ひ」をめぐり、

「まず支給しきゅうの基準きじゅんがあって、それに合あっているかを独立どくりつの第三者だいさんしゃ機関きかんが判断はんだんしたうえで認みとめることにしないと、何なんでもかんでも認みとめられるのでは、事実じじつ上じょうの脱法だつほう行為こういを認みとめることになる」とただしました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「政策せいさく活動かつどう費ひを公開こうかいするという方向ほうこう性せいは確認かくにんしている。個人こじんのプライバシーや政党せいとうの戦略せんりゃく的てきな取り組とりくみが外部がいぶに知しられるといった点てんに配慮はいりょしながら、具体ぐたい的てきなルールを、これから作つくっていく。あわせて制度せいどの信頼しんらい性せいを高たかめるための第三者だいさんしゃ機関きかんについても議論ぎろんしていく」と述のべました。

また、

▽岡田おかだ氏しは、第三者だいさんしゃ機関きかんの設置せっちについて

「自民党じみんとうの改正かいせい案あんには時期じきの明示めいじがなく、結局けっきょくできない可能かのう性せいがある。来年度らいねんどの収支しゅうし報告ほうこくから適用てきようできるよう、年内ねんないに準備じゅんびを終おえると約束やくそくしてもらいたい」と迫せまりました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「第だい三さん者しゃ機関きかんにどういう権限けんげんを与あたえるのか、政治せいじ活動かつどうの自由じゆうや透明とうめい性せいとの関係かんけいでどのような機関きかんを作つくるのかなど、簡単かんたんな議論ぎろんではないが、できるだけ早はやく取り組とりくみを進すすめることが重要じゅうようだ」と述のべました。

▽日本にっぽん維新いしんの会かいの青柳あおやぎ仁士ひとし氏しは、「政策せいさく活動かつどう費ひ」の領収りょうしゅう書しょの公開こうかいについて

「領収りょうしゅう書しょは最終さいしゅう的てきに支出ししゅつされたものでなければ意味いみがない。別べつの議員ぎいんに渡わたして別べつの個人こじん名めいで書かいた領収りょうしゅう書しょは出だせないということでよいか」とただしました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「10年ねん後ごの領収りょうしゅう書しょの公開こうかいは、収支しゅうし報告ほうこく書しょの記載きさい内容ないようを確認かくにん・検証けんしょうするために行おこなうものと理解りかいしており、制度せいどの詳細しょうさいは今後こんご詰つめていかなければならない。指摘してきも念頭ねんとうに置おきながら詳細しょうさいを詰つめていく」と述のべました。

▽公明党こうめいとうの中野なかの洋ひろし昌あきら氏しは、

「公明党こうめいとうが訴うったえた点てんや、野党やとうの意見いけんも幅広はばひろく取り入とりいれられたが、ここからが大事だいじだ」と述のべ、政治せいじの信頼しんらい回復かいふくに向むけた決意けついを示しめすよう求もとめました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「一連いちれんの議論ぎろんの発端ほったんは、わが党とうが作つくった。原因げんいんを作つくった立場たちばとして実効じっこう性せいのある再発さいはつ防止ぼうし策さくを提案ていあんしなければならないという思おもいで、思い切おもいきった踏み込ふみこんだ案あんを示しめした。今いまの国会こっかいでの確実かくじつな法ほう改正かいせいと政治せいじの信頼しんらい回復かいふくに全力ぜんりょくで取り組とりくみたい」と述のべました。

自民じみん鈴木すずき氏し「各党かくとうの意見いけん反映はんえいさせ一いち歩ほ踏み出ふみだせた」

自民党じみんとうの法案ほうあん提出ていしゅつ者しゃの鈴木すずき馨かおる祐ゆう氏しは記者きしゃ団だんに対にたいし「各党かくとうの意見いけんを幅広はばひろく受け入うけいれて反映はんえいさせ、一番いちばん大事だいじな再発さいはつ防止ぼうしを徹底てっていし、透明とうめい性せいをしっかり向上こうじょうさせるという一いち歩ほを踏み出ふみだすことができた。今後こんごの審議しんぎでもさまざまな議論ぎろんが起おきると思おもうので、真摯しんし（しんし）に臨のぞんでいきたい」と述のべました。

維新いしん藤田ふじた幹事かんじ長ちょう「岸田きしだ首相しゅしょうの覚悟かくごを一定いってい評価ひょうか」

日本にっぽん維新いしんの会かいの藤田ふじた幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで「企業きぎょう・団体だんたい献金けんきんの禁止きんしの議論ぎろんがほとんどされず、100点てんの政治せいじ改革かいかくではないと言いわざるをえない。ただ、政策せいさく活動かつどう費ひについては、最終さいしゅう的てきには自民党じみんとうが丸まるのみの形かたちで合意ごういに踏み込ふみこんだ。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんの覚悟かくごを一定いってい、評価ひょうかしたい。自民党じみんとうとかなり密接みっせつに協議きょうぎし、最終さいしゅう的てきには『抜け穴ぬけあな』はすべてふさげた」と述のべました。

また、党とうが主張しゅちょうする「調査ちょうさ研究けんきゅう広報こうほう滞在たいざい費ひ」の使つかいみちの公開こうかいなどについて「先送さきおくりになり、なし崩なしくずし的てきにならないよう、今こん国会こっかい中ちゅうに成立せいりつするよう動うごきたい。自民党じみんとうが『うん』と言いって合意ごういして、採決さいけつしたら終おわりだ。党首とうしゅどうしが合意ごうい文書ぶんしょにサインまでしているのだから、これをやらないなら自民党じみんとうは最低さいていだ」と述のべました。

立たつ民みん岡田おかだ幹事かんじ長ちょう「参院さんいんでも自民党じみんとう案あんの修正しゅうせい求もとめていく」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの岡田おかだ幹事かんじ長ちょうは、衆議院しゅうぎいんの特別とくべつ委員いいん会かいでの質疑しつぎのあと、記者きしゃ団だんに対にたいし、「自民党じみんとうがもっと早はやく法案ほうあんを提出ていしゅつしていれば、しっかり審議しんぎができていたが、審議しんぎ時間じかんが非常ひじょうに短みじかかった。意図いと的てきに国会こっかいの終盤しゅうばんに提出ていしゅつしたとも思おもえる。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、国民こくみんに説明せつめいしようという気きがなく、真面目まじめな態度たいどが欠かけている」と述のべました。

そのうえで、「政策せいさく活動かつどう費ひが大おおきな焦点しょうてんで、しっかり内容ないようを詰つめないと、ほとんど意味いみのない制度せいどになりかねない。参議院さんぎいんの審議しんぎでも、党とうの考かんがえを主張しゅちょうしながら、自民党じみんとう案あんの修正しゅうせいを求もとめていく」と述のべました。

共産きょうさん田村たむら委員いいん長ちょう「自民じみん公明こうめい維新いしんには重大じゅうだいな責任せきにん」

共産きょうさん党とうの田村たむら委員いいん長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで「採決さいけつに断固だんこ、抗議こうぎしたい。自民党じみんとうが新あらたに修正しゅうせいした法案ほうあんを吟味ぎんみし、審議しんぎする時間じかんすら与あたえられなかった。『透明とうめい性せいを高たかめる』と言いいながら、国民こくみんが監視かんししづらくなるような改悪かいあく法案ほうあんを押し通おしとおした自民党じみんとうと公明党こうめいとう、そして日本にっぽん維新いしんの会かいには重大じゅうだいな責任せきにんがある。求もとめられる政治せいじ改革かいかくは企業きぎょう・団体だんたい献金けんきんの禁止きんしだということを、参議院さんぎいんの審議しんぎで徹底てってい的てきに明あきらかにしていく」と述のべました。

国民こくみん独自どくじの改正かいせい案あんを参議院さんぎいんに提出ていしゅつ

国民こくみん民主みんしゅ党とうは、政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせいに向むけた議論ぎろんが近ちかく、参議院さんぎいんで始はじまるのを前まえに、議員ぎいんに規正きせい法ほう違反いはんなどがあった場合ばあいに政党せいとう交付こうふ金きんの一部いちぶの交付こうふを停止ていしする制度せいどを創設そうせつすることなどを盛り込もりこんだ、党とう独自どくじの改正かいせい案あんを参議院さんぎいんに提出ていしゅつしました。

この中なかでは、議員ぎいん本人ほんにんに収支しゅうし報告ほうこく書しょの記載きさいや提出ていしゅつを義務ぎむづけ、不ふ記載きさいなどがあった場合ばあいに公民こうみん権けん停止ていしの対象たいしょうとする、いわゆる「連座れんざ制せい」を導入どうにゅうするとともに、党とうから議員ぎいんへの「政策せいさく活動かつどう費ひ」の支給しきゅうを禁止きんしするとしています。

また、政治せいじ資金しきんパーティーをめぐり、外国がいこく人じんによるパーティー券けんの購入こうにゅうを禁止きんしするほか、法案ほうあんの付則ふそくで、議員ぎいんに規正きせい法ほう違反いはんなどがあった場合ばあいに政党せいとう交付こうふ金きんの一部いちぶの交付こうふを停止ていしする制度せいどを創設そうせつすることや、政治せいじ資金しきんの監視かんしなどを行おこなう機関きかんを国会こっかいに設置せっちすることなどを求もとめています。