日本にっぽん画家がか 平山ひらやま郁夫いくおさんの未み公開こうかい作品さくひん確認かくにん 若わかき日ひの11点てん

平山ひらやまさんから絵えを学まなんでいたという女性じょせいの遺族いぞくが11点てんの絵画かいがを保管ほかんしていることを、千葉ちば県けんの柏かしわ市し教育きょういく委員いいん会かいが知しり、専門せんもん家かに調査ちょうさを依頼いらいしたところ、平山ひらやまさんが20歳さい前後ぜんごから30代だい後半こうはんにかけて描えがいたと見みられる作品さくひんだと確認かくにんされました。このうち10点てんは、一般いっぱんには知しられていない未み公開こうかいの作品さくひんと見みられています。

中なかでも50年ねんほど前まえにウズベキスタンの古都こと、サマルカンドのモスクなどを描えがいた３さん点てんは、シルクロードをテーマにした最もっとも早はやい時期じきの作品さくひんで、平山ひらやまさんの出発しゅっぱつ点てんを示しめす貴重きちょうな資料しりょうとして注目ちゅうもくを集あつめそうです。

調査ちょうさに当あたった平山ひらやま郁夫いくおシルクロード美術館びじゅつかんの平山ひらやま東子とうこ副ふく館長かんちょうは、「これだけ多おおくの作品さくひんが未み公開こうかいという形かたちで出でてきたことは驚おどろきです。初期しょきの制作せいさくの状況じょうきょうを知しるうえで大変たいへん貴重きちょうだ」と話はなしています。

平山ひらやま郁夫いくおさんは、仏教ぶっきょうやシルクロードなどをテーマに活躍かつやくした戦後せんごを代表だいひょうする日本にっぽん画家がかで、９きゅう年ねん前まえ、79歳さいで亡なくなりました。

平山ひらやまさんから絵えを学まなんでいたという女性じょせいの遺族いぞくが11点てんの絵画かいがを保管ほかんしていることを、千葉ちば県けんの柏かしわ市し教育きょういく委員いいん会かいが知しり、専門せんもん家かに調査ちょうさを依頼いらいしたところ、平山ひらやまさんが20歳さい前後ぜんごから30代だい後半こうはんにかけて描えがいたと見みられる作品さくひんだと確認かくにんされました。このうち10点てんは、一般いっぱんには知しられていない未み公開こうかいの作品さくひんと見みられています。

中なかでも50年ねんほど前まえにウズベキスタンの古都こと、サマルカンドのモスクなどを描えがいた３さん点てんは、シルクロードをテーマにした最もっとも早はやい時期じきの作品さくひんで、平山ひらやまさんの出発しゅっぱつ点てんを示しめす貴重きちょうな資料しりょうとして注目ちゅうもくを集あつめそうです。

調査ちょうさに当あたった平山ひらやま郁夫いくおシルクロード美術館びじゅつかんの平山ひらやま東子とうこ副ふく館長かんちょうは、「これだけ多おおくの作品さくひんが未み公開こうかいという形かたちで出でてきたことは驚おどろきです。初期しょきの制作せいさくの状況じょうきょうを知しるうえで大変たいへん貴重きちょうだ」と話はなしています。

確認かくにんされた未み公開こうかい作品さくひん

今回こんかい、確認かくにんされた絵画かいが11点てんは、平山ひらやま郁夫いくおさんに絵えを学まなんでいたという東京とうきょうの女性じょせいの遺族いぞくが保管ほかんしていたものです。それを知しった千葉ちば県けんの柏かしわ市し教育きょういく委員いいん会かいの担当たんとう者しゃが借り受かりうけ、専門せんもん家かに調査ちょうさを依頼いらいしたところ、すべてが平山ひらやまさんの作品さくひんと確認かくにんされました。

作品さくひんには、平山ひらやまさんが20歳さい前後ぜんごのときに描えがいたとみられる、おびなやめびな、墨ぼく一色いっしょくで表現ひょうげんされた騎馬きば武者むしゃや中国ちゅうごくの神かみ＝鍾馗しょうき（しょうき）などがあります。

また「湖みずうみ」というタイトルがつけられた絵えには静しずかな表情ひょうじょうの女性じょせいが、厚手あつでの上着うわぎを身みにつけて座すわっている様子ようすが描えがかれています。

注目ちゅうもくされるのは、平山ひらやまさんが生涯しょうがいのテーマとした「シルクロード」の様子ようすを描えがいた作品さくひんです。このうち「シルクロードの遺跡いせき（サマルカンドビビ・ハヌイム）」は、昭和しょうわ43年ねん８月はちがつの作品さくひんで、ウズベキスタンの古都ことで“青あおの都と”とも呼よばれるサマルカンドのモスクを描えがいています。遺跡いせきに映はえる青あおいタイルなどが印象いんしょう的てきなパステル画がで、平山ひらやまさんは、平成へいせい６ろく年ねんにもほぼ同おなじ構図こうずの作品さくひんを残のこしています。

昭和しょうわ41年ねん９月くがつの日付ひづけがある「トルコベリシラマ村むらの女おんな」は、民族みんぞく衣装いしょうを身みに着つけた女性じょせいの姿すがたを淡あわい色合いろあいで描えがいた作品さくひんです。

いずれも平山ひらやまさんがシルクロードをテーマに描えがいた最もっとも早はやい時期じきの絵画かいがで、平山ひらやま郁夫いくおシルクロード美術館びじゅつかんの平山ひらやま東子とうこ副ふく館長かんちょうは「終生しゅうせいのテーマに出会であったときの感激かんげきや情熱じょうねつが込こめられているという印象いんしょうを受うけた。平山ひらやま郁夫いくおの出発しゅっぱつ点てんともいえる作品さくひんだ」と話はなしています。

柏かしわ市し教育きょういく委員いいん会かいは、平山ひらやまさんが亡なくなって10年ねんとなる来年らいねん、今回こんかいの作品さくひんを紹介しょうかいする展覧てんらん会かいを開ひらきたいとしています。

日本にっぽん画家がか平山ひらやま郁夫いくおさんとは

平山ひらやま郁夫いくおさんは、広島ひろしま県けん尾道おのみち市しの出身しゅっしんで、15歳さいのとき勤労きんろう動員どういんされていた広島ひろしま市内しないで被爆ひばくしました。

今いまの東京とうきょう藝げい術じゅつ大学だいがくに進すすみ、日本にっぽん画家がかの前田まえだ青邨せいそんから教おしえを受うけた平山ひらやまさんは昭和しょうわ34年ねん、被爆ひばくの後遺症こういしょうに悩なやまされながら描えがいた作品さくひん、「仏教ぶっきょう伝来でんらい」で一躍いちやく、脚光きゃっこうを浴あびます。この作品さくひんは、シルクロードを旅たびした中国ちゅうごく・唐とうの僧侶そうりょ、玄奘三蔵げんしょうさんぞうをイメージしながら平和へいわを祈いのって描えがかれた作品さくひんで、これ以降いこう、仏教ぶっきょうを題材だいざいにした幻想げんそう的てきな作風さくふうを確立かくりつしました。

その後そのご、平山ひらやまさんは、宗教しゅうきょうや民族みんぞくが異ことなるさまざまな人ひとたちが行き交いきかったシルクロードへの興味きょうみを深ふかめて中央アジアちゅうおうあじあやアフガニスタン、それにトルコなどを訪おとずれるようになり、その旅たびは生涯しょうがいで100回かい以上いじょうに及およんだといいます。

さらに、戦争せんそうで破壊はかいされたり、盗掘とうくつや略奪りゃくだつで海外かいがいの古こ美術びじゅつ市場しじょうに流出りゅうしゅつしたりしたシルクロードの文化ぶんか遺産いさんの行く末ゆくすえにも危機きき感かんを持もち、保護ほごや修復しゅうふくに力ちからを入いれました。

そして、アフガニスタンのバーミヤンにあった２に体たいの大仏だいぶつが破壊はかいされた際さいには各国かっこくの美術館びじゅつかんに呼よびかけて抗議こうぎ声明せいめいを発表はっぴょうするなど、世界せかいに向むけて国際こくさい交流こうりゅうと平和へいわの大切たいせつさを訴うったえました。

こうした功績こうせきなどから平成へいせい10年ねんに文化ぶんか勲章くんしょうを受うけた平山ひらやまさんは、９きゅう年ねん前まえの平成へいせい21年ねんに79歳さいで亡なくなりました。