今月4日、
関西空港の
連絡橋にタンカーが
衝突した
事故の
際、
海上保安庁が
停泊しないよう
呼びかけていた
空港周辺の
海域には、タンカー
以外にも
少なくとも10
隻の
船が
停泊していたことが
専門家の
分析でわかりました。
専門家は「
重要施設から
離れた
停泊を
ルール化すべきだ」と
指摘しています。
海上保安庁は、
台風など悪天候が
予想されるときには、
空港島から
およそ5.5
キロ以内の
海域に
停泊しないよう
呼びかけていましたが、タンカーは
この海域に
停泊していて
流され
連絡橋に
衝突しました。
船舶事故に詳しい神戸大学大学院の若林伸和教授は、AISと呼ばれる船の位置などを電波で発信する装置のデータから、当時の大阪湾内の船舶の状況を分析しました。その結果、停泊しないよう呼びかけられていた海域には、このタンカー以外にも少なくとも10隻の船が停泊していたことがわかりました。
このうち3隻は、タンカーと同じように海底のいかりごと風や波で流される「走錨(そうびょう)」が起きていた可能性があるということです。
また、先月23日に台風20号が通過した際には、同じ海域に少なくとも33隻の船が停泊していたこともわかりました。この中には海上保安庁の巡視船も含まれていましたが、海上保安庁は「停泊していた船が多く事故に備え警戒していた。気象状況を見て判断していて、運用に問題はなかった」と説明しています。
若林教授は「海上保安庁の呼びかけに実効性があったのか疑問だ。重要施設から離れた停泊をルール化すべきだ」と指摘しています。