非核化をめぐり
アメリカと
北朝鮮の
駆け引きが
続く中、
拉致被害者の
家族が
東京で
大規模な
集会を
開き、すべての
被害者を
一刻も
早く
帰国させるという
北朝鮮への
要求を
決して下げることなく、
確実に
肉親と
再会できるよう、
政府に
最大限の
取り組みを
求めました。
集会では、はじめに
拉致被害者の
家族会代表で、
田口八重子さんの
兄の
飯塚繁雄さん(80)が「
これまで
焦った
結果、
北朝鮮にだまされ、
被害者の
帰国に
結びつかずにきました。
今度は
そうはいかない。
政府は
被害者の
帰国だけに
焦点を
当てて
取り組みを
進めてほしい」と
求めました。
このあと、家族一人一人が壇上に立ち、横田めぐみさんの母親の早紀江さん(82)は「残された被害者は40年間、どれほどの孤独感に耐え続けていることでしょう。この問題が放置されることなく、絶対に解決されることを願っています」と訴えました。
また、16年前に帰国した曽我ひとみさん(59)は、一緒に拉致された母親に買ってもらった時計を持参し「40年間母に会えず、本当に寂しくてなりません。北朝鮮にいるとき、時計は何度か止まり、母はどうしているのかと寂しさの中で暮らしていました。帰国後は止まっていた時計も無事に動いています。母は元気で日本に帰ってくることを願って頑張っていると思います」と話しました。
集会では最後に、被害者を帰国させるための実質的な協議に応じるよう北朝鮮に要求するとともに、政府に対し、すべての被害者の一刻も早い帰国という要求を下げず、全力で取り組むよう求める大会決議を採択しました。
熊本市出身の拉致被害者、松木薫さんの姉の斉藤文代さんは「亡くなった母親は生前、『薫は海の向こうにいる』と私が告げると、翌日から薫を捜し求めて海岸に出歩いたり、夜にも出かけたりするようになりました。私もみずからの病気に負けず、父と母の墓前に必ず連れて帰るという信念を持って一生懸命頑張るので、応援をよろしくお願いします」と述べ、肉親の帰国に向けて協力を求めました。