ことしのノーベル
医学・
生理学賞に
選ばれたことで
注目を
集めるがんの
免疫治療について、
患者団体の
中には「
効果が
科学的に
証明されていないものも
ある」として、
患者に
正確な
情報を
届ける活動を
検討する
動きもでています。
東京に
本部が
ある胃がんの
患者でつくる
団体では、がんの
免疫治療がノーベル
医学・
生理学賞の
対象になって、
問い合わせが
増えているとして、
正しい情報を
患者に
届ける活動を
検討しています。
団体では、セミナーを開くことにしていて、2日に講師を務めるがんの専門医と内容の打ち合わせを行いました。
この中では、がんの免疫治療の中には、オプジーボのように治療効果が科学的に証明されている治療法がある一方で、保険が適用されていない治療法では、効果が証明されていないものが、高額で行われているケースがあるとして、患者団体が相談を受け付ける仕組みについて話し合っていました。
また、通常よりも安い価格で免疫治療が行えるなどと説明して、治療薬を薄めて使ったり、少量しか投与しなかったりする悪質なケースもあるということで、団体では、セミナーなどを通して注意を呼びかけたいとしています。
打ち合わせに参加した、がんが専門の慶応大学の浜本康夫医師は「保険が適用されずに行われるいわゆる免疫治療と言われているものの、中には治療効果が期待できないものも含まれているのは事実だ。冷静に判断し、まずは信頼できる医師に相談してほしい」と話していました。
また、団体代表の轟浩美さん(56)は「治療方法がないと言われ、絶望的な気持ちでいる時、家族はわらにもすがる思いで治療方法を探します。そうしたときに誤った選択をしないよう、免疫治療に注目が集まる今だからこそ、正確な情報を伝えていきたいと思っています」と話していました。