IOC調整ちょうせい委い始はじまる バッハ会長かいちょうは東京とうきょう五輪ごりん開催かいさいへ強つよい意欲いよく

IOCの調整ちょうせい委員いいん会かいにバッハ会長かいちょうみずからが参加さんかするのは異例いれいのことで、リモートで参加さんかした会議かいぎの冒頭ぼうとう、「この大会たいかいをポストコロナの世界せかいにあわせたものにしたい。最近さいきん大おおきなスポーツ大会たいかいが成功裏せいこうりに開催かいさいされ、たとえワクチンがなくても安全あんぜんな大会たいかいができると証明しょうめいした。スポーツは復活ふっかつしつつある。前例ぜんれいのない延期えんきは大おおきな課題かだいだが、10か月かげつ後ごに何なにをしないといけないか今いま、はっきりとは言いえず、適切てきせつな時期じきに正ただしい決定けっていをすべきだ」と話はなしました。

そのうえで、「この危機ききには柔軟じゅうなん性せいや創意そうい工夫くふうが必要ひつようで犠牲ぎせいもいるが、協力きょうりょく関係かんけいがあれば必かならず実行じっこうできる。この大会たいかいは歴史れきし的てきなものになり必かならず成功せいこうする」と述のべ、大会たいかいの開催かいさいへ強つよい意欲いよくを示しめしました。

これに対にたいし組織そしき委員いいん会かいの森もり会長かいちょうは、「大会たいかいを開催かいさいできるという機運きうんを高たかめることも重要じゅうようだ。誰だれも取り組とりくんだことのない難なん事業じぎょうだが、職員しょくいん一丸いちがんとなった一ひとつの船ふねに乗のって頑張がんばっていきたい」と応おうじました。

会議かいぎは、IOCのコーツ調整ちょうせい委員いいん長ちょうなども参加さんかして25日にちまで非ひ公開こうかいで行おこなわれ、大会たいかいの最大さいだいの課題かだいとなる新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん対策たいさくと、延期えんきに伴ともなう大会たいかい経費けいひを削減さくげんするための簡素かんそ化かを主おもなテーマに議論ぎろんが行おこなわれます。

このうち簡素かんそ化かでは、国際こくさい競技きょうぎ団体だんたいなどへのヒアリングの結果けっか、大会たいかい関係かんけい者しゃの人数にんずうは少すくなくとも10％から15％ほど減へらせるという見通みとおしが報告ほうこくされるほか、「オリンピックファミリー」と呼よばれるIOC関係かんけい者しゃ向むけのサービスを見直みなおしたりするなど、52の項目こうもくをあげて検討けんとうし、合意ごういを目指めざすことになっています。

コロナ対策たいさくを議論ぎろんへ

今回こんかいの会議かいぎでは、日本にっぽん国内こくないの新型しんがたコロナウイルスの対策たいさく会議かいぎで方向ほうこう性せいがまとまった、選手せんしゅの入国にゅうこくや入国にゅうこく後ごに大会たいかいへの参加さんかなどを可能かのうにするしくみについて、IOCに報告ほうこくし議論ぎろんすることになっています。

政府せいふが主導しゅどうする組織そしき委員いいん会かい、東京とうきょう都となどによる対策たいさく会議かいぎは、23日にち第だい2回かいの会合かいごうが開ひらかれ、海外かいがいからの代表だいひょう選手せんしゅらの受け入うけいれについて、必要ひつような防疫ぼうえき上じょうの措置そちを講こうじたうえで入国にゅうこくを認みとめ、14日間にちかんの待機たいき期間きかん中ちゅうも大会たいかいへの参加さんかや練習れんしゅうを可能かのうにするしくみを作つくることを了承りょうしょうしました。

具体ぐたい的てきには、まず検査けんさについて、

▽自国じこくの出国しゅっこく前まえ、▽日本にっぽんへの入国にゅうこく時じ、▽事前じぜんキャンプ地ちやホストタウンの滞在たいざい期間きかん、▽選手せんしゅ村むらの滞在たいざい期間きかん、それに▽競技きょうぎ会場かいじょうなどといった選手せんしゅの行程こうていの場面ばめんごとに行おこなう方針ほうしんを確認かくにんしました。検査けんさの頻度ひんどや、陽性ようせい者しゃが出でた場合ばあいの対応たいおうは、競技きょうぎごとの特性とくせいを踏ふまえながら今後こんご、詳細しょうさいを詰つめるとしています。

選手せんしゅの移動いどうについては、

公共こうきょう交通こうつう機関きかんを利用りようせず、原則げんそく、専用せんようの車くるまで移動いどうすることを求もとめることになりました。

▽空港くうこうから選手せんしゅ村むらに直行ちょっこうする場合ばあいや、選手せんしゅ村むらと競技きょうぎ会場かいじょうや練習れんしゅう会場かいじょうの行き来いききは、原則げんそく、組織そしき委員いいん会かいの用意よういする車くるま、

▽事前じぜんキャンプ地ちやホストタウンを含ふくむ移動いどうは、原則げんそく、自治体じちたいなどの用意よういする車くるまを利用りようし、やむを得やむをえない場合ばあいは新幹線しんかんせんや航空こうくう機きといった公共こうきょう交通こうつう機関きかんを限定げんてい的てきに利用りようするとしています。

選手せんしゅの行動こうどうも厳格げんかくに管理かんりされる方針ほうしんです。

国内こくないでのすべての行程こうていの提出ていしゅつを求もとめ、接触せっしょく確認かくにんアプリや位置いち情報じょうほうの保存ほぞんも活用かつようしながら入国にゅうこくから出国しゅっこくまでを網羅もうら的てきに管理かんりするとしています。行動こうどう管理かんりに違反いはんした場合ばあいの措置そちはIOCや国際こくさい競技きょうぎ団体だんたいなどと協議きょうぎして今後こんごルール化かします。

さらに、こうした選手せんしゅの受け入うけいれを円滑えんかつに行おこなうには、事前じぜんキャンプ地ちやホストタウンでの対策たいさくも重要じゅうような課題かだいです。政府せいふは各かく自治体じちたいに対にたいし、政府せいふが作成さくせいする手引てびきを基もとに感染かんせん防止ぼうし策さくなどを定さだめたマニュアルを作つくるよう要請ようせいしています。

23日にちの会議かいぎでは、対策たいさくが必要ひつようなポイントとして、移動いどう、練習れんしゅう、交流こうりゅう、宿泊しゅくはく、食事しょくじ、検査けんさなど多数たすうの項目こうもくが示しめされ、自治体じちたい側がわは今後こんご、地域ちいきの実情じつじょうに応おうじて具体ぐたい策さくを詰つめなければなりません。今月こんげつ10日にちに開ひらかれた政府せいふと自治体じちたいのオンラインの会議かいぎでは、自治体じちたい側がわから「検査けんさなどの費用ひようは国くにが負担ふたんしてほしい」といった意見いけんが出だされ、負担ふたんの在り方ありかたも検討けんとうが進すすめられます。

一方いっぽう、現在げんざい、スポーツ大会たいかいが国内こくない外がいで再開さいかいされている中なか、JOC＝日本にっぽんオリンピック委員いいん会かいやJPC＝日本にっぽんパラリンピック委員いいん会かいからは来年らいねんの東京とうきょう大会たいかいの期間きかんのみならず、行動こうどう管理かんりなどの条件じょうけんを付つけたうえで大会たいかいなどへの参加さんかがしやすくなる環境かんきょうをいち早いちはやく整備せいびしてほしいという意見いけんや、特例とくれいの対象たいしょうを選手せんしゅだけではなく介助かいじょ者しゃにも広ひろげてほしいという要望ようぼうが寄よせられています。

聖火せいかリレー 日数にっすう維持いじで合意ごうい目指めざす

簡素かんそ化かする項目こうもくのうち、聖火せいかリレーについて大会たいかい組織そしき委員いいん会かいは、すでに決きまっているランナーと実施じっしする日数にっすうを従来じゅうらいどおりとしたうえで、車両しゃりょうの隊列たいれつやスタッフの数かずを減へらすなどして費用ひようの削減さくげんを図はかることでIOCと合意ごういしたい考かんがえです。

東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーは当初とうしょ、ことし3月つきに福島ふくしま県けんをスタートし、121日間にちかんをかけて全国ぜんこくをまわる計画けいかくでしたが、大会たいかい延期えんきによる簡素かんそ化かのため、組織そしき委員いいん会かいは聖火せいかランナーや通過つうかする市区しく町村ちょうそんで予定よていしていた計画けいかくを尊重そんちょうする一方いっぽう、日数にっすうの短縮たんしゅくなどを検討けんとうしていました。

しかし、関係かんけい者しゃによりますと、特とくに競技きょうぎが行おこなわれない地方ちほうにとってはオリンピックに関かかわる貴重きちょうな機会きかいであり、従来じゅうらいどおりの日程にっていで実施じっししてほしいという意見いけんが多おおいということです。

こうしたことから組織そしき委員いいん会かいは、聖火せいかリレーはすでに決きまっているランナーと実施じっしする日数にっすうの121日間にちかんを従来じゅうらいどおりとしたうえで、運営うんえい本部ほんぶの車両しゃりょうやコースの確認かくにんのための車両しゃりょうなど、隊列たいれつの一部いちぶを縮小しゅくしょうしたり、リレーの地域ちいきで行おこなわれる「セレブレーション」と呼よばれる聖火せいかの到着とうちゃくを祝いわうイベントの規模きぼを縮小しゅくしょうし、聖火せいかの展示てんじ時間じかんも短縮たんしゅくしたりするなど、日程にってい以外いがいの面めんで費用ひようの削減さくげんを図はかる方針ほうしんです。