Actualités japonaises: コロナ禍の陸上日本選手権今後のスポーツ大会の「試金石」に

コロナ禍かの陸上りくじょう日本にっぽん選手権せんしゅけん今後こんごのスポーツ大会たいかいの「試金石しきんせき」に

Oct 3, 2020 22:10

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを受うけて、スポーツ大会たいかいの中止ちゅうしや延期えんきが相次あいついだなか、オリンピックの主要しゅよう競技きょうぎのなかで先駆さきがけて開催かいさいされた陸上りくじょうの日本にっぽん選手権せんしゅけんは、いわば今後こんごの大会たいかい運営うんえいの「試金石しきんせき」ともいえる大会たいかいでした。

陸上りくじょうの日本にっぽん選手権せんしゅけんは、東京とうきょうオリンピックの代表だいひょう選考せんこうを兼かねてことし6月つきに大阪おおさか市しで行おこなわれる予定よていでした。しかし、ウイルスの感染かんせん拡大かくだいで延期えんきが決きまり、当初とうしょの予定よていから3か月かげつ遅おくれで会場かいじょうも新潟にいがた市しに変更へんこうして開催かいさいされました。

ほとんどの競技きょうぎ団体だんたいが大会たいかいの開催かいさいに慎重しんちょうな姿勢しせいを崩くずさない中なかで、日本にっぽん選手権せんしゅけんの開催かいさいを決きめた日本にっぽん陸上りくじょう競技きょうぎ連盟れんめいが最もっとも重視じゅうししたのは感染かんせん対策たいさくです。

ほかの競技きょうぎに先駆さきがけて7月つきから始はじめ、トップ選手せんしゅが集あつまる中なか長距離ちょうきょりの大会たいかいの開催かいさいに踏ふみきり、感染かんせん防止ぼうし対策たいさくの実績じっせきを重かさねていきました。

今こん大会たいかいでは、そのノウハウを活いかしながら選手せんしゅや関係かんけい者しゃの大会たいかい前まえから健康けんこう状態じょうたいを管理かんりするアプリを新あらたに投入とうにゅうし、会場かいじょうの入り口いりくちには非ひ接触せっしょく型がたの自動じどう検温けんおんシステムも導入どうにゅうして、選手せんしゅや関係かんけい者しゃの利便りべん性せいを図はかりながら人ひとと人ひととの接触せっしょくを減へらす対策たいさくをとりました。

そうした準備じゅんびが新潟にいがた県けん在住ざいじゅう者しゃ限定げんていとはいえ、2000人にんまでの観客かんきゃくを入いれた大会たいかいの開催かいさいにつながりました。

主役しゅやくの選手せんしゅたちからは厳きびしい状況じょうきょうの中なかでも大会たいかいが開ひらかれたことについて「感謝かんしゃ」や「幸しあわせ」という言葉ことばが数多かずおおく聞きかれ、大会たいかいに参加さんかできることを大おおきなモチベーションに躍動やくどうしました。

なかでも輝かがやいていたのは高校生こうこうせいや大学生だいがくせいなどの若わかい選手せんしゅたちでした。

学校がっこうや競技きょうぎ場じょうが閉鎖へいさされるなど練習れんしゅう環境かんきょうが限かぎられる中なかで、「何なにを目標もくひょうにすればいいのか」と苦くるしんだ選手せんしゅも少すくなくありませんでした。

「日本一にっぽんいち」を争あらそう大会たいかいで、順位じゅんいは低ひくくてもその舞台ぶたいに立たてる喜よろこびを胸むねに、はつらつとした走はしりや投とうてきを見みせていたのが印象いんしょう的てきでした。

JOC＝日本にっぽんオリンピック委員いいん会かいの選手せんしゅ強化きょうか本部ほんぶ長ちょうも務つとめる日本にっぽん陸連りくれんの尾お縣貢みつぎ専務せんむ理事りじは「選手せんしゅたちの雄姿ゆうしは国民こくみんの皆みなさんの内うち向むきだった気持きもちを少すこしでも外そとに向むけられたと思おもう。今回こんかいの大会たいかいがオリンピックとパラリンピックに必かならずつながると思おもう」と胸むねを張はりました。

そして「この大会たいかいでのノウハウをしっかり引き継ひきついで共有きょうゆうしていきたい」と話はなしました。

ここまでは何事なにごともなく3日間にちかんの開催かいさいを終おえた日本にっぽん選手権せんしゅけんですが、来年らいねんの東京とうきょう大会たいかいの安全あんぜん・安心あんしんな開催かいさいを目指めざすうえで、モデルケースとなるかどうかの評価ひょうかはこれからで、そうなったときにはじめて、大会たいかいは成功せいこうしたと言いえるのかもしれません。