立たつ皇嗣こうしの礼れい行おこなわれる 皇位こうい継承けいしょうに伴ともなう一連いちれんの国くにの儀式ぎしきすべて終了しゅうりょう

儀式ぎしきには、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいのほか、9人にんの皇族こうぞく方かたが参列さんれつされ、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんなど三権さんけんの長ちょうや外国がいこくの大使たいしの代表だいひょうなど46人にんも正装せいそうで臨のぞみました。

はじめに天皇てんのう陛下へいかが、「皇室こうしつ典範てんぱんの定さだめるところにより文ぶん仁じん親王しんのうが皇嗣こうしであることを、広ひろく内外ないがいに宣明のぶあきします」とおことばを述のべられました。

続つづいて、秋篠宮あきしののみやさまが、紀子のりこさまとともに天皇てんのう陛下へいかの前まえに進すすみ、「皇嗣こうしとしての責務せきむに深ふかく思おもいを致いたし、務つとめを果はたしてまいりたく存ぞんじます」と決意けつい表明ひょうめいにあたるおことばを述のべられました。

このあと、菅かん総理そうり大臣だいじんが「寿ことぶき詞ことば（よごと）」と呼よばれるお祝おいわいのことばを述のべました。

そして、午後ごご4時半じはんすぎから「朝見ちょうけんの儀ぎ」が行おこなわれ、秋篠宮あきしののみやさまが紀子のりこさまとともに天皇てんのう陛下へいかの前まえに進すすみ、「本日ほんじつは、立たつ皇嗣こうし宣明のぶあきの儀ぎをあげていただき、誠まことに畏れ入おそれいりました。皇嗣こうしとしての務つとめを果はたすべく、これからも、力ちからを尽つくしてまいりたく存ぞんじます」とお礼おれいのことばを述のべられました。

続つづいて、天皇てんのう陛下へいかが秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいに「これまでに培つちかってきたものを十分じゅうぶんにいかし、国民こくみんの期待きたいに応こたえ、皇嗣こうしとしての務つとめを立派りっぱに果はたしていかれるよう願ねがっています」とおことばを贈おくられました。

このあと、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかが、秋篠宮あきしののみやさま、紀子のりこさまの順じゅんに、それぞれさかずきを授さづけられるなどして儀式ぎしきが終おわりました。

これで、去年きょねん4月つきの「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」から始はじまった上皇じょうこうさまから天皇てんのう陛下へいかへの皇位こうい継承けいしょうに伴ともなう一連いちれんの国くにの儀式ぎしきがすべて終おわりました。

秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいは、儀式ぎしきを終おえると宮殿きゅうでんの車寄くるまよせから車くるまに乗り込のりこみ、「立たつ皇嗣こうしの礼れい」の終了しゅうりょうを報告ほうこくするため、東京とうきょう・港みなと区くにある上皇じょうこうご夫妻ふさいの仮住かりずまい先さきに向むかわれました。

皇居こうきょの乾いぬい門前もんぜんの沿道えんどうには、20人にん余あまりの人ひとたちが待ち構まちかまえていて、秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいは、窓まどを開あけ会釈えしゃくをするなどしてこたえられていました。

天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいは、8日にち、「立たつ皇嗣こうしの礼れい」の2つの儀式ぎしきのほか、関連かんれんする皇室こうしつの行事ぎょうじなどにも臨のぞまれました。

天皇てんのう陛下へいかは、午前ごぜん中ちゅう、皇居こうきょの宮中きゅうちゅう三さん殿どので皇室こうしつの祖先そせんや神かみ々に「立たつ皇嗣こうしの礼れい」を行おこなうことを伝つたえる儀式ぎしきに臨のぞまれ、皇后こうごうさまもあとに続つづかれました。

そして、皇居こうきょ・宮殿きゅうでんで、「立たつ皇嗣こうしの礼れい」の中心ちゅうしん的てきな儀式ぎしき、「立たつ皇嗣こうし宣明のぶあきの儀ぎ」が終おわると、天皇てんのう陛下へいかが、歴代れきだいの皇太子こうたいしに伝つたわる「壺つぼ切せつ御剣みつるぎ（つぼきりぎょけん）」と呼よばれる守もり刀がたなを秋篠宮あきしののみやさまに授さづけられました。

このあと秋篠宮あきしののみやさまは、「壺つぼ切せつ御剣みつるぎ」を携たずさえて、2頭とうびきの馬車ばしゃで宮殿きゅうでんを出発しゅっぱつし、宮中きゅうちゅう三さん殿どのに向むかわれました。

この馬車ばしゃが使つかわれたのは、平成へいせい3年ねんの天皇てんのう陛下へいかの「立太子りったいしの礼れい」の時とき以来いらい、およそ30年ねんぶりです。

秋篠宮あきしののみやさまは、紀子のりこさまとともに、宮中きゅうちゅう三さん殿どので皇嗣こうしとなったことなどを伝つたえる儀式ぎしきに臨のぞみ、皇嗣こうしとして初はじめて3つの殿舎でんしゃにあがって拝礼はいれいされました。

一方いっぽう、秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいが三重みえ県けんの伊勢いせ神宮じんぐうなどに参拝さんぱいされる行事ぎょうじについては、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、当分とうぶんの間ま、延期えんきされることになっていて、これらの行事ぎょうじも終おわると皇位こうい継承けいしょうに伴ともなう一連いちれんの儀式ぎしきや行事ぎょうじがすべて終おわることになります。

御厨みくりや貴たか東大とうだい名誉めいよ教授きょうじゅ 皇位こうい継承けいしょうについて国民こくみん的てき議論ぎろんを

8日にちの「立たつ皇嗣こうしの礼れい」で、上皇じょうこうさまから天皇てんのう陛下へいかへの皇位こうい継承けいしょうに伴ともなう一連いちれんの国くにの儀式ぎしきがすべて終おわりました。

上皇じょうこうさまの退位たいいに向むけた政府せいふの有識者ゆうしきしゃ会議かいぎで座長ざちょう代理だいりを務つとめた東京とうきょう大学だいがく名誉めいよ教授きょうじゅの御厨みくりや貴たかさんは、「これでようやく新あたらしい皇室こうしつの体制たいせいができあがったと言いってよく、感慨かんがいに堪こたえない」と述のべました。

そのうえで今後こんごの皇位こうい継承けいしょうについて国民こくみん的てきな議論ぎろんをしていくべきだと指摘してきします。

現在げんざいの皇室こうしつで皇位こうい継承けいしょう資格しかくがあるのは、秋篠宮あきしののみやさまのほかには秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいの長男ちょうなんの悠ゆう仁ひとしさまと上皇じょうこうさまの弟おとうとの常陸ひたち宮みやさまに限かぎられています。

御厨みくりやさんは、「ようやく皇室こうしつの1つの動うごきが終おわり、新あたらしい皇室こうしつをどうしていったらいいのか、ここで議論ぎろんを始はじめなければいけない。先さき延のばしをするとますます皇位こうい継承けいしょう者しゃが減へっていくことになり、先さき延のばしにすることは避さけたい」と訴うったえます。

そして、「丁寧ていねいにみんなに知しらせ、天皇てんのうと皇室こうしつというのは今後こんごどうあるべきなのかということを、皆みなでしっかりと、しかし、ゆっくりと考かんがえるということが必要ひつようなのではないでしょうか」と述のべました。

秋篠宮あきしののみやさま 文書ぶんしょで感想かんそう寄よせられる

秋篠宮あきしののみやさまは、「立たつ皇嗣こうしの礼れい」が終おわったことについて、8日にち夜よる、文書ぶんしょで感想かんそうをあらわし、「立たつ皇嗣こうし宣明のぶあきの儀ぎをはじめとする本日ほんじつ一いち日にちの儀式ぎしきが滞とどこおりなく終おわりましたことを、ありがたく思おもっております。

現下げんかのCOVID-19の影響えいきょうをはじめ、様々さまざまな状況じょうきょうにある人々ひとびとや社会しゃかいに思おもいを致いたしつつ、これからも、皇嗣こうしとしての務つとめを果はたしてまいりたいと思おもいます」と述のべられました。

秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいは、10日にち、皇居こうきょ・宮殿きゅうでんで、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかや皇族こうぞく方かたなどから、「立たつ皇嗣こうしの礼れい」が終おわったことについてお祝おいわいを受うける行事ぎょうじに臨のぞまれます。