おととし神戸市の
高校の
校舎から
転落し
大けがをした
男子生徒について、
市の
調査委員会は、
2日連続で
合わせて16
時間にも
及ぶ指導を
受けるなど
行き過ぎた
指導で
追い込まれ、
自殺を
図ったとする
報告書をまとめました。
報告書では
指導目的を
超えた
一種のハラスメントだった
指摘しています。
おととし12
月、
神戸市東灘区の
市立六甲アイランド
高校で、
1年生だった
男子生徒が、
校舎の
5階から
転落して
大けがをしました。
生徒側からの要望で市が設置した調査委員会が原因などの調査を行っていて、その報告書が12日、神戸市教育委員会の長田淳教育長に提出されました。
報告書では、生徒は同級生の悪口を言ったとして担任の教諭などから別室で指導を受けていて、2日連続で合わせて16時間にも及んでいたということです。
その際、退学処分をほのめかす発言が繰り返され、弁明を許さず、うそつきだと決めつける発言もあったということで、「個人の尊厳などの観点から指導は最小限にすべきであり、指導目的を超えた一種のハラスメントだった」と指摘しています。
そして生徒が精神的に追い込まれ、教諭が目を離した隙に自殺を図って飛び降りたと結論づけています。
生徒は、別の学校に転校し、弁護士によりますと今も後遺症が残っているということです。長田教育長は、「大変申し訳ない。指導の在り方を見直し、再発の防止につなげたい」と陳謝しました。
男子生徒が文書でコメント
男子生徒は、弁護士を通じて文書でコメントを出し、「調査委員会には、僕が嘘をついていないことを分かってもらえて大変うれしく思います。命は助かりましたが、いまも足の裏の感覚がなく、以前のように走ったりすることができません。学校や教育委員会には改善策を必ず実行して、同じような被害にあう生徒が二度と出ないようにしてほしい」などとつづっています。