4年前、
埼玉県熊谷市で
6人を
殺害した
罪などに
問われ、
1審で
死刑判決を
受けたペルー
人の
被告が
2審で
無期懲役を
言い渡されたことについて、
東京高等検察庁は
最高裁判所への
上告を
断念しました。
被告の
弁護士が
無罪を
主張してすでに
上告し、
今後、
最高裁で
審理されますが、
被告に
死刑判決が
言い渡されることはなくなりました。ペルー
人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン
被告(34)は、
平成27
年9月、
熊谷市で
住宅3軒に
次々と
侵入して
小学生2人を
含む6人を
殺害したとして、
強盗殺人などの
罪に
問われています。
1審のさいたま地方裁判所が求刑通り、死刑を言い渡したのに対して、2審の東京高等裁判所は今月5日、「責任能力が十分ではなかった」と判断し、1審の死刑を取り消して無期懲役を言い渡しました。
これについて東京高等検察庁は19日、上告を断念したことを明らかにしました。理由について、東京高等検察庁の久木元伸次席検事は、「事案の重要性や遺族の心情などを踏まえたうえで、さまざまな角度から判決内容を慎重に検討したが、適法な上告理由が見いだせず遺憾だが上告を断念せざるをえない」とするコメントを出しました。
被告の弁護士が無罪を主張してすでに上告し、今後、最高裁で審理されますが、検察が上告しなかった場合、2審の判決より重い刑にはできないという法律の規定があるため、被告に死刑判決が言い渡されることはなくなりました。
裁判員裁判による1審の死刑判決が2審で取り消されて無期懲役とされたケースはこれまで6件ありますが、検察が最高裁に上告せずに死刑にならないことが決まるのは初めてです。