保釈の
条件で
海外への
渡航が
禁じられるなか、
中東のレバノンに
入国した
日産自動車の
元会長、カルロス・ゴーン
被告について、レバノン
政府は
従来から
擁護する
姿勢を
示してきたことから、
日本への
身柄の
引き渡し
などについて、
協力を
得られるかは
不透明な
情勢です。
一方、
日本の
司法制度に
批判的だったゴーン
元会長は、
来週にも
会見する
見通しで、
その発言に
注目が
集まっています。みずからの
報酬を
有価証券報告書に
少なく
記載した
罪などで
起訴され、
保釈中だった
日産自動車のゴーン
元会長は、「
不公正な
日本の
司法から
逃れるためだ」として
日本を
秘密裏に
出国し、
今はレバノンにいることを
明らかにしています。
レバノン政府は、幼少期をレバノンで過ごし、ビジネスの成功者として尊敬を集めるゴーン元会長を従来から擁護する姿勢を示してきました。
今回の入国についても、レバノンの治安当局は「合法的な入国で法的な措置を取る必要はない」としているほか、大統領府の閣僚は地元紙に対し「腐敗防止に関する国連の条約にのっとって、司法手続きはレバノンで進めるべきだ」と主張しています。
このため、日本とレバノンが容疑者の身柄の引き渡しに関する条約を結んでいないなか、日本が身柄の引き渡しなどを求めたとしてもレバノン側の協力を得られるかは不透明な情勢です。
一方、日本の司法制度に批判的だったゴーン元会長は声明で「メディアへの対応を来週から始めるのを楽しみにしている」として、来週にも会見する見通しで、日本の司法制度や出国の方法などについて具体的な言及があるのかどうか、その発言に注目が集まっています。
レバノンの元会長宅 人の出入りなどなし
レバノンの首都ベイルートの高級住宅街にあるゴーン元会長の住宅前では、1日朝、メディア関係者や警備員の姿は見られましたが、人の出入りなどはなく、扉や窓も閉められたままとなっています。
犬の散歩をしていた近所に住む25歳の女性は、「ゴーン氏がレバノンに戻ってきたと聞き、31日も住宅の前に来てみましたが、たくさんの人たちが集まっているだけで、住宅の中に人けは感じられませんでした。以前もバルコニーに電気がついていることはありましたが、室内の電気がついているのは一度も見たことがないです」と話していました。
ベイルート中心部 新年の祝日で人通りはまばら
1月1日はレバノンも新年の祝日で、多くの人は家族や親戚に会いにふるさとに戻ります。ふだんは、多くの人が行き交う首都ベイルート中心部の大通りも人通りはまばらで、道の両脇の店もほとんどが閉店するなどひっそりとしています。