6年前、
大阪市で
生後1か月の
女の子が
脳に
大けがを
負ったことをめぐり、
頭を
激しく
揺さぶったのが
原因だとして、
母親が
傷害の
罪に
問われた
裁判で、
2審の
大阪高等裁判所は「
揺さぶりが
原因ではない
可能性を
否定できない」として、
1審の
有罪判決を
取り消し
無罪を
言い渡しました。
平成26
年、
大阪市内に
住んでいた
生後1か月の
女の子が
自宅の
中で
脳に
大けがを
負ったことをめぐり、30
代の
母親が
体を
激しく
揺さぶったのが
原因だとして、
傷害の
罪に
問われました。
母親は「一緒にいた2歳のきょうだいが持ち上げて落としてしまった」などと無罪を主張しましたが、1審で執行猶予のついた懲役3年の有罪判決を言い渡され、控訴していました。
6日の2審の判決で、大阪高等裁判所の西田眞基裁判長は「『揺さぶりによる出血があった』という1審の有罪判決の根拠となった医師の証言が、2審では『誇張する内容だった』として撤回された。ほかの複数の医師の証言により、低い位置からの落下でも脳に大けがをする可能性が否定できない」として1審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
担当弁護士「捜査を検証し見直しを」
判決のあと、女性の弁護をした秋田真志弁護士は「無罪判決が出るまでの5年間は長いものでした。裁判のために証言してくれた医師や家族など、たくさんの人が支えてくれたことを感謝します」という女性のコメントを読み上げました。
そのうえで、SBSと呼ばれる乳児の揺さぶりが疑われたケースについて「去年10月に大阪高裁で出た無罪判決に引き続き、今回も無罪判決が出た。捜査機関は子どもの虐待が疑われる事案について、その多くを揺さぶりと結び付け付けすぎている。今後、捜査機関はこの捜査方針自体を検証し、見直す必要があるだろう」と話していました。
大阪高検 次席検事「適切に対応」
無罪判決が言い渡されたことについて、大阪高等検察庁の畝本毅次席検事は「内容を精査し、適切に対応する」とコメントしています。