この日本地図は、
北九州市に
ある「ゼンリンミュージアム」に
寄贈されたもので、
縦が1.5
メートルから2.5メートル、
横が1.6メートルほどの3
枚の
紙に、
北海道と
東日本、
西日本の
地図が
描かれています。
日本地図学会の専門部会が調査した結果、伊能忠敬と測量隊が作った日本地図のうち、43万2000分の1の縮尺で全体を3枚に収めた「小図」の副本と判断されました。
学会によりますと、伊能忠敬の日本地図は縮尺の異なる「大図」「中図」「小図」があり、幕府に提出した「正本」は明治時代にすべて焼失しています。
副本は正本と近い時期に作られたと考えられ、3枚がそろった小図の副本は国内ではこれまで、重要文化財に指定されている東京国立博物館の所蔵資料しか確認されていませんでした。
今回見つかった資料には海岸線や地名などが手書きで記されているほか、東京国立博物館の資料にはない、どのように作ったかについての説明も書き込まれています。
日本地図学会地図史料・地図アーカイブ専門部会の鈴木純子主査は「伊能忠敬の測量隊が作ったとみられる実物感があり、驚がくしました。本当にすばらしい発見で、地図がどう仕立てられていったのかという研究が進んでいくきっかけになる」と話しています。