27日午後5時すぎ、尼崎市神田南通の路上で、神戸山口組系暴力団の古川恵一幹部(59)が顔などを銃で撃たれて死亡しました。
事件後、現場から逃走したとみられるレンタカーの軽乗用車が京都市内で見つかり、運転していた山口組の関係者とみられる、愛知県江南市の朝比奈久徳容疑者(52)が自動小銃や拳銃を持っていたため銃刀法違反などの疑いで逮捕されました。
警察によりますと調べに対して「自分1人でやった」と発砲を認めているということです。
さらにその後の調べに対して「京都の神戸山口組系の暴力団員も殺害するつもりで、ここまでやってきた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かりました。
レンタカーは兵庫県内で借りたものだったということです。
警察は兵庫県内に入るまでの経路や自動小銃や拳銃をどこで入手したのかなど、組織の関与がなかったかも含めて捜査しています。
現場に銃器か?
27日午後6時すぎに、容疑者が確保された京都市内の現場付近で撮影された映像です。
赤色灯を付けた警察車両に囲まれた場所で、警察官が地面に落ちている銃のようなものを調べている様子が写っています。
その周りでは大勢の警察官が慌ただしく動き回っています。
撮影した男性は「パトカーのサイレンを聞いて現場に向かうと、地面に銃のようなものがあったので急いで撮影しました。とても驚いています」と話していました。
京都での確保状況
京都府警では、兵庫県尼崎市で銃を発砲した男が、車に乗って逃走したことから、緊急配備を敷いて、警戒を続けていました。
そして27日午後6時ごろ、発砲の現場から北東に40キロほど離れた名神高速道路の京都南インターチェンジ近くの国道1号線で、現場から逃走した軽乗用車と同じナンバーの車を発見し、交差点の赤信号で停車したため2台のパトカーで前と後ろを挟み込みました。
そして、職務質問をしようとしたところ、朝比奈容疑者が運転席から降りてきて、後ろのパトカーまで近づき、窓に拳銃を向けてきたということです。
警察官はとっさに身をかがめましたが、朝比奈容疑者は、車に戻ってさらに自動小銃も取り出してもう片方の手に持ち、再びパトカーに向かってきたということです。
すぐに現場に多くのパトカーが駆けつける中、朝比奈容疑者は、銃を2丁とも路上に放り投げて投降し、その場で逮捕されたということです。
地元から不安の声
人通りの多い商店街のすぐ近くで起きた発砲事件に、地元の人からは不安の声が聞かれました。
2人の子どもがいる20代の女性は「商店街のスーパーにいつも来るので、犯人に出くわしていたらと思うと怖いです。銃の取締りなどを厳しくしてほしい」と話していました。
70代の男性は「商店街を毎日とおりますが、事件のあった午後5時すぎは人通りがとても多く、流れ弾などでもっと大変な事態になるおそれもあったと思います」と話していました。
商店街で店を営む60代の女性は「きのうは、いままで聞いたことがないほど大きな音がして、びっくりしました。こういう事件が起き、『このあたりは怖い』と思われて客が減ったら困ります」と話していました。