日産自動車は、カルロス・ゴーン
会長が
金融商品取引法違反の
疑いで
逮捕されたことで、
これまで
グループを
けん引してきたゴーン
会長が
不在になります。
日産の
経営への
影響は
避けられない
見通しで、
経営体制の
抜本的な
見直しを
迫られることになります。
日産自動車のカルロス・ゴーン
会長(64)は、
有価証券報告書にみずからの
報酬を
実際より50
億円余り少なく
記載していたとして、グレッグ・ケリー
代表取締役(62)とともに
金融商品取引法違反の
疑いで
東京地検特捜部に
逮捕されました。
これについて日産の西川廣人社長が昨夜、記者会見し、事件の背景について「ガバナンス上、1人に非常に権限が集中しすぎることが問題であり、1つの要因であると思う」と述べました。
ゴーン会長は日産が深刻な危機に陥った平成11年、資本提携したフランスの大手自動車メーカー・ルノーから移り、徹底した合理化で経営を立て直しました。
また「ルノー」の大株主であるフランス政府との間に立って日産の自主的な経営を維持するとともに、グループ会社の三菱自動車を含めた3社を強力なリーダーシップで束ねてきました。
それだけに今後、ゴーン会長が不在になることによる経営への影響は避けられない見通しです。
このため、日産は事件の背景や原因などを調べる第三者の専門家も交えた委員会をなるべく早く設けることにしていますが、経営体制の抜本的に見直しを迫られることになります。
専門家「グループのバランス崩れるおそれ」
今回の事件について、業界に詳しい自動車アナリストの中西孝樹さんは、「このような事態になり驚いたというひと言だ。日産は巨大化する中で、企業統治の構造に問題があると指摘されていた。ゴーン氏に権力が集中し、監視が効きにくい状態になっており、その甘さやひずみが出てきていたと思う」と背景を分析しました。そのうえで、日産グループの今後の経営への影響について、「日産、ルノー、三菱自動車工業という、微妙な力関係の上に成り立つグループを強いリーダーシップでまとめてきたのがゴーン氏だ。それだけにグループの経営がこれまでのようにうまくいくのか暗雲が立ちこめている。グループのバランスが崩れるおそれがある」と述べ懸念を示しました。