いずれも、全国の消費生活センターに寄せられた外国人観光客からの相談です。
こうした消費者トラブルは、外国人観光客の増加とともに増えているとみられていますが、外国語への対応は個々の相談員や地域によってまちまちで、全体状況も十分に把握できていませんでした。
このため国民生活センターは、3日から外国人観光客専用の電話相談の窓口を設けることになりました。
電話番号は03-5449-0906で、平日の午前10時から午後4時まで、専門の職員が英語、韓国語、中国語、タイ語、それにベトナム語の5か国語の通訳を通じて相談に応じます。
国民生活センターは、「文化の違いによるトラブルもあると思うので、できるだけ解決するとともに、よりよいサービスにつなげてもらえるよう事業者にも情報提供していきたい」と話しています。
浅草で聞いてみると…
外国人観光客をめぐる消費者トラブルについて、人気スポットの1つ、東京・浅草で話を聞きました。
このうち、アルゼンチンとイタリアから来た観光客のカップルは、その前に訪れた京都でインターネットで予約した宿に着いてみると、予約が入っていなかったというトラブルに遭遇したということです。説明を求めても十分に意思疎通ができなかったということで、「従業員がなんとかしてみると言ってくれたが、らちが明かず、結局、自分たちで宿を探した。本当にいやな思いをした」と話していました。
一方、外国人観光客を受け入れる側の人たちからも、対応に戸惑うことがあるという声が聞かれました。人力車の引き手をしている男性は、一定の時間で希望のコースを回るサービスを提供していますが、突然、途中でいったん降りて名所を歩いて回りたいと言われることがあるといいます。
男性は「要望には応えてあげたいが、時間をすぎてしまうと追加料金が必要になったり、元の場所に戻れなかったりするので、理解してもらえるまで説明するのに苦労します」と話していました。
訪日外国人 ことし3000万人超か
観光庁によりますと、去年、観光などで日本を訪れた外国人は推計で2869万人と5年連続で過去最高を更新。国内での消費額も4兆4162億円と初めて4兆円を超えました。ことしも3000万人を超える勢いだということです。
政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年には、日本を訪れる外国人の数を4000万人に、消費額は8兆円に引き上げることを目標にしています。