地元メディアなどによりますと、香港の有名歌手、ジャッキー・チュンさんこと張学友さんが中国各地で開いたコンサートでは、ことし4月以降、逃亡中の犯罪容疑者が次々と逮捕されています。
いずれもコンサートを見に来たところを会場に設置されていた監視カメラの顔認証システムによって発見されていて、逮捕者は合わせるとおよそ60人に上るということです。
逮捕の容疑は、器物損壊や詐欺、違法薬物の売買などさまざまで、インターネット上では逮捕に貢献した形となった張さんに「逃亡犯をも制するスター」との異名もつきました。
中国では治安対策などを理由に監視カメラが全国のあらゆる場所に設置され、その数は1億7000万台とも言われていて、その多くは個人を特定するための顔認証システムと連動しています。逮捕された1人は警察の調べに対して「危ないとは思っていたがどうしてもコンサートが見たかった」と供述しているということです。
コンサート会場で相次ぐ容疑者の逮捕は、習近平指導部のもと、社会への監視が強まっていることを象徴する出来事として話題となっています。