Actualités japonaises: ロシア「戦勝記念日」日本時間9日夕方にモスクワで式典開催へ

ロシアでは9日にち、第だい2次じ世界せかい大戦たいせんでナチス・ドイツに勝利しょうりしたことを祝いわう戦勝せんしょう記念きねん日びを迎むかえ、プーチン大統領だいとうりょうが首都しゅとモスクワで行おこなわれる記念きねん式典しきてんで演説えんぜつする予定よていです。軍事ぐんじ侵攻しんこうを続つづけるロシアに対にたいしてウクライナが今後こんご、反転はんてん攻勢こうせいに乗り出のりだすとみられるなど情勢じょうせいが緊張きんちょうする中なか、プーチン大統領だいとうりょうの演説えんぜつに関心かんしんが集あつまっています。

ことしの戦勝せんしょう記念きねん日びは、旧きゅうソビエトが第だい2次じ世界せかい大戦たいせんでナチス・ドイツに勝利しょうりしてから78年ねんになることを祝いわうもので、ロシアの首都しゅとモスクワの赤あかの広場ひろばでは、日本にっぽん時間じかんの9日にち午後ごご4時じから記念きねん式典しきてんが開ひらかれます。

式典しきてんでは、プーチン大統領だいとうりょうが演説えんぜつするほか、軍事ぐんじパレードも行おこなわれる予定よていです。

ロシア大統領だいとうりょう府ふは今月こんげつ3日にち、モスクワ中心ちゅうしん部ぶのクレムリンが、無人むじん機きによる攻撃こうげきを仕掛しかけられたと発表はっぴょうしました。

また、安全あんぜん上じょうの懸念けねんを理由りゆうに20以上いじょうの都市としで軍事ぐんじパレードの中止ちゅうしも発表はっぴょうされました。

戦勝せんしょう記念きねん日びの一連いちれんの行事ぎょうじは、プーチン政権せいけんが国民こくみんの愛国あいこく心しんを高揚こうようさせ結束けっそくを強つよめる機会きかいとして重視じゅうししてきましたが、ことしは異例いれいの展開てんかいとなっています。

また、ウクライナでの戦況せんきょうを巡めぐってはロシアは、正規せいき軍ぐんと民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃとの確執かくしつが表面ひょうめん化かするなど混乱こんらんが続つづいているのに対にたいしてウクライナは、欧米おうべいの軍事ぐんじ支援しえんを受うけながら今後こんご、反転はんてん攻勢こうせいに乗り出のりだすとみられています。

情勢じょうせいが緊張きんちょうする中なか、プーチン大統領だいとうりょうが軍事ぐんじ侵攻しんこうに関にかんする方針ほうしんや対立たいりつを深ふかめるアメリカとの関係かんけいなどを巡めぐって演説えんぜつでどのような発言はつげんを行おこなうか関心かんしんが集あつまっています。

「戦勝せんしょう記念きねん日び」ロシアで最もっとも重要じゅうような祝日しゅくじつの1つ

第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの期間きかん中ちゅう、旧きゅうソビエトでは、世界せかいで最もっとも多おおい少すくなくとも2600万まん人にんの兵士へいしと市民しみんが死亡しぼうしたとされ、ロシアで戦勝せんしょう記念きねん日びは苦難くなんの末すえに勝利しょうりした栄光えいこうと誇ほこりの日ひと位置いちづけられています。

例年れいねん、この日ひには各地かくちで記念きねん式典しきてんなどが行おこなわれ、特とくに首都しゅとモスクワ中心ちゅうしん部ぶの赤あかの広場ひろばで開ひらかれる式典しきてんでは、大統領だいとうりょうによる演説えんぜつのほか、大だい規模きぼな軍事ぐんじパレードが行おこなわれてきました。

このうち60周年しゅうねんの節目ふしめの2005年ねんの式典しきてんには、日本にっぽんから当時とうじの小泉こいずみ総理そうり大臣だいじんや、アメリカの当時とうじのブッシュ大統領だいとうりょうなど、欧米おうべいを含ふくむ50以上いじょうの国くにや国際こくさい機関きかんの代表だいひょうが出席しゅっせきしました。

戦勝せんしょう国こく・敗戦はいせん国こくを問とわず大戦たいせんの犠牲ぎせい者しゃを追悼ついとうし、平和へいわに向むけた国際こくさい社会しゃかいの結束けっそくが誓ちかわれるなど「追悼ついとうと和解わかい」の象徴しょうちょうという側面そくめんもありました。

一方いっぽう、プーチン政権せいけんはこの戦勝せんしょう記念きねん日びを国威こくい発揚はつようの場ばとして利用りようしてきました。

軍事ぐんじパレードでは、最新さいしんのミサイルや戦車せんしゃなどが披露ひろうされ、ロシアの軍事ぐんじ力りょくを内外ないがいにアピールする機会きかいにもなってきました。

また、2012年ねん以降いこう、戦勝せんしょう記念きねん日びに合あわせて、大戦たいせんで戦たたかった家族かぞくや親族しんぞくの遺影いえいを掲かかげて市民しみんが行進こうしんする催もよおし「不滅ふめつの連隊れんたい」が全土ぜんどで行おこなわれ、プーチン大統領だいとうりょうみずからも市民しみんとともに参加さんかするなど、政権せいけん側がわは愛国あいこく心しんを高たかめて国民こくみんの結束けっそくをアピールするイベントとして利用りようしてきました。

ウクライナへ軍事ぐんじ侵攻しんこう開始かいし後ごの去年きょねんの戦勝せんしょう記念きねん日びでは、プーチン大統領だいとうりょうが演説えんぜつで「アメリカやその同盟どうめい国こくが背後はいごについたネオナチとの衝突しょうとつは、避さけられなかった」などと述のべウクライナのゼレンスキー政権せいけんを「ネオナチ」だとする主張しゅちょうを繰り返くりかえし、欧米おうべいの脅威きょういが背景はいけいにあったとして侵攻しんこうを正当せいとう化かしました。

また軍事ぐんじパレードでは、天候てんこうを理由りゆうに実施じっしされなかったものの、核かく戦力せんりょくによる戦争せんそうなど非常時ひじょうじに大統領だいとうりょうが乗り込のりこむ特別とくべつ機きの飛行ひこうも計画けいかくされました。

さらにロシア側がわはウクライナ東部とうぶや南部なんぶの占領せんりょう地域ちいきでも記念きねんの催もよおしを行おこない、ロシアの支配しはい下かに置おいたと誇示こじしました。

ロシア記念きねん日び前まえに攻撃こうげき強つよめる一方いっぽうウクライナも“反転はんてん攻勢こうせい”か

ロシアは、ウクライナ東部とうぶの激戦げきせん地ちバフムトなどで攻撃こうげきを強つよめる一方いっぽう、ウクライナは、近ちかく大だい規模きぼな反転はんてん攻勢こうせいに乗り出のりだすとみられるなど、ロシアが重視じゅうしする第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの戦勝せんしょう記念きねん日びを前まえに緊張きんちょうの度合どあいが高たかまっています。

ウクライナ側がわは、ロシアに占領せんりょうされた領土りょうどを奪還だっかんするため大だい規模きぼな反転はんてん攻勢こうせいに向むけて準備じゅんびを進すすめているとみられます。

クリメンコ内相ないしょうは2日にち、地元じもとメディアに対にたいして反転はんてん攻勢こうせいに向むけて新あらたに編成へんせいされた旅団りょだんに多おおくの志願しがん兵へいが加くわわり、訓練くんれんも本格ほんかく化かしていると強調きょうちょうしました。

欧米おうべい各国かっこくもウクライナに対にたいする軍事ぐんじ支援しえんを強化きょうかし、NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうのストルテンベルグ事務じむ総長そうちょうは先月せんげつ27日にちに「ウクライナに約束やくそくした戦闘せんとう車両しゃりょうの98％以上いじょうがすでに引き渡ひきわたされている」と述のべ、各国かっこくから1550両りょう以上いじょうの装甲車そうこうしゃと、230両りょうの戦車せんしゃが供与きょうよされたと明あきらかにしました。

ウクライナ軍ぐんのザルジニー総そう司令しれい官かんは6日にち、アメリカ軍ぐんの制服せいふく組ぐみトップミリー統合とうごう参謀さんぼう本部ほんぶ議長ぎちょうと電話でんわで会談かいだんしたと明あきらかにし、反転はんてん攻勢こうせいに向むけてアメリカ側がわとも調整ちょうせいを進すすめているとみられます。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは3日にち「われわれはまもなく反転はんてん攻勢こうせいに出でる」と述のべていてウクライナは、近ちかく反転はんてん攻勢こうせいに乗り出のりだすとみられます。

一方いっぽう、ロシア側がわは、今月こんげつ9日にちに第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの戦勝せんしょう記念きねん日びを控ひかえるなか、国民こくみんにアピールできる戦果せんかを得えようと東部とうぶの激戦げきせん地ちバフムトの完全かんぜん掌握しょうあくなどを目指めざしてきたとみられています。

ただ、弾薬だんやくや人員じんいんの不足ふそくが指摘してきされるなかで、アメリカの情報じょうほう機関きかんを統括とうかつするヘインズ国家こっか情報じょうほう長官ちょうかんは4日にち、「ロシア軍ぐんは前線ぜんせんで防御ぼうぎょ的てきな作戦さくせんに移行いこうしたとみられる」としています。

イギリス国防省こくぼうしょうも先月せんげつ、ロシア軍ぐんがウクライナ南部なんぶのザポリージャ州しゅうで、およそ120キロにわたって3重じゅうにもなる大だい規模きぼな防衛ぼうえい線せんを築きずいていると指摘してきしています。

こうした中なか、バフムトを巡めぐってロシアの民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃワグネルの代表だいひょうは5日にち、弾薬だんやくが不足ふそくしているとして国防省こくぼうしょうを激はげしく非難ひなんし、バフムトからの撤退てったいを表明ひょうめいしましたが、その2日にち後ごには弾薬だんやくと武器ぶきの供給きょうきゅうを約束やくそくされたと主張しゅちょうしました。

ウクライナをめぐる情勢じょうせいは、ロシアが重視じゅうしする第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの戦勝せんしょう記念きねん日びを前まえに緊張きんちょうと混乱こんらんの度合どあいが深ふかまっています。

“安全あんぜん上じょうの懸念けねん”など理由りゆうに各地かくちで軍事ぐんじパレードが中止ちゅうしに

ロシアのプーチン政権せいけんは、第だい2次じ世界せかい大戦たいせんでナチス・ドイツに勝利しょうりした5月つき9日にちの戦勝せんしょう記念きねん日びに合あわせて各地かくちで軍事ぐんじパレードを行おこない、国民こくみんの愛国あいこく心しんを高揚こうようさせ結束けっそくを強つよめる機会きかいとして重視じゅうししてきました。

しかし、ことしは先月せんげつに入はいってから安全あんぜん上じょうの懸念けねんなどを理由りゆうに軍事ぐんじパレードの中止ちゅうしが相次あいついで発表はっぴょうされました。

中止ちゅうしが決きまったのは、ロシア西部せいぶのベルゴロド州しゅうやクルスク州しゅう、ブリャンスク州しゅうなどウクライナと国境こっきょうを接せっする地域ちいきのほか、北西ほくせい部ぶのプスコフ州しゅうや中部ちゅうぶのリャザンなど国境こっきょうから離はなれた地方ちほうも含ふくまれています。

また、ロシアが9年ねん前まえ、一方いっぽう的てきに併合へいごうしたウクライナ南部なんぶのクリミアや軍事ぐんじ侵攻しんこう後ごの去年きょねん9月つきに併合へいごうしたとしている東部とうぶルハンシク州しゅうや南部なんぶヘルソン州しゅう、ザポリージャ州しゅうなどでも軍事ぐんじパレードの中止ちゅうしが決きまっています。

ロシアのメディアは今月こんげつ4日にちまでに軍事ぐんじパレードの中止ちゅうしが発表はっぴょうされたのは、20以上いじょうの都市としに上のぼると伝つたえています。

ウクライナと国境こっきょうに近ちかい地域ちいきやクリミアなどでは、ロシア側がわの施設しせつで火災かさいが相次あいつぎ、無人むじん機きによる攻撃こうげきなどが指摘してきされていて、ロシア側がわが警戒けいかいを強つよめているものとみられます。

一方いっぽう、首都しゅとモスクワの中心ちゅうしん部ぶ赤あかの広場ひろばで行おこなわれている軍事ぐんじパレードについてはロシア大統領だいとうりょう府ふは、プーチン大統領だいとうりょうの演説えんぜつとともに予定よていどおり実施じっしされるとしています。

ただ一部いちぶのロシアメディアは先月せんげつ、赤あかの広場ひろばで行おこなわれる軍事ぐんじパレードでは、航空こうくう機きによる上空じょうくうの飛行ひこうは中止ちゅうしが検討けんとうされていると伝つたえていて規模きぼが縮小しゅくしょうされる可能かのう性せいもあります。

また、軍事ぐんじパレードとともに恒例こうれい行事ぎょうじとなっている「不滅ふめつの連隊れんたい」と呼よばれる市民しみんの行進こうしんについて、国営こくえい通信つうしん社しゃは、安全あんぜん上じょうの懸念けねんを理由りゆうにことしは全土ぜんどで実施じっしが見送みおくられることになったとしています。

「不滅ふめつの連隊れんたい」が中止ちゅうしされる背景はいけいについてイギリス国防省こくぼうしょうは先月せんげつ、ウクライナでのロシア側がわの損失そんしつに参加さんか者しゃの目めが向むくことを政権せいけん側がわが懸念けねんしている可能かのう性せいが高たかいとする分析ぶんせきを発表はっぴょうしています。

モスクワでは警備けいび強化きょうか

モスクワでは、9日にちの第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの戦勝せんしょう記念きねん日びを前まえに、市内しないの大通おおどおりなどが記念きねん日びを祝いわう旗はたや看板かんばんなどで飾かざりつけられる一方いっぽう、警備けいびに当あたる警察けいさつ車両しゃりょうや治安ちあん部隊ぶたいの姿すがたも目立めだち緊張きんちょう感かんにも包つつまれています。

ロシア大統領だいとうりょう府ふは今月こんげつ3日にち、戦勝せんしょう記念きねん日びの軍事ぐんじパレードなどが行おこなわれる赤あかの広場ひろばに隣接りんせつし、ロシアの政治せいじの中枢ちゅうすうでもあるクレムリンが無人むじん機きによる攻撃こうげきを仕掛しかけられたと主張しゅちょうする一方いっぽう、記念きねん式典しきてんや軍事ぐんじパレードは予定よていどおり行おこなうとしています。

戦勝せんしょう記念きねん日びについて49歳さいの会社かいしゃ員いんの女性じょせいは「国民こくみんにとって最もっとも重要じゅうような祝日しゅくじつだ。プーチン大統領だいとうりょうには式典しきてんの演説えんぜつで、『必かならず勝利しょうりする』という強つよいことばを発はっしてほしい」と話はなしていました。そのうえで軍事ぐんじ侵攻しんこうが長期ちょうき化かし、こう着こうちゃく状態じょうたいになっているとして「大統領だいとうりょうには、より断固だんことした行動こうどうで、早はやく終おわらせてほしい」と訴うったえていました。

また34歳さいの美容びよう師しの女性じょせいは、軍事ぐんじパレードの実施じっしには賛成さんせいだとしたうえで「安全あんぜん面めんでは不安ふあんがある。警備けいびにあたる人ひとを増ふやし、検査けんさを厳きびしくしてほしい」と不安ふあんを口くちにしていました。

22歳さいの大学生だいがくせいの男性だんせいは「クレムリンへの無人むじん機き攻撃こうげきなど国くにのイメージを傷きずつける大変たいへんな事態じたいだ。しかし、象徴しょうちょう的てきな式典しきてんを中止ちゅうしすれば、さらに人々ひとびとが不安ふあんに陥おちいり、否定ひてい的てきな影響えいきょうを与あたえるだろう」と話はなしていました。一方いっぽうで「政府せいふは長年ながねん、戦勝せんしょう記念きねん日びを勝利しょうりだけでなく軍事ぐんじ力りょくのアピールと関連かんれんづけてきたが、違和感いわかんがある。本来ほんらい、何なにのためにささげられた日ひなのかを考かんがえるようにしている」とも話はなしていました。

ロシアの通信つうしん社しゃによりますとロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは8日にち、戦勝せんしょう記念きねん日びの軍事ぐんじパレードについて「安全あんぜんを確保かくほするために必要ひつような措置そちはすべて講こうじている」と述のべ、厳重げんじゅうな警備けいび態勢たいせいが敷しかれていると強調きょうちょうしました。

モスクワでの戦勝せんしょう記念きねん日びの式典しきてんに出席しゅっせきするのは

モスクワで9日にち開ひらかれる戦勝せんしょう記念きねん日びの式典しきてんには、旧きゅうソビエトのベラルーシ、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、それにアルメニアの6か国かこくから大統領だいとうりょうや首相しゅしょうが出席しゅっせきする予定よていです。

プーチン大統領だいとうりょうは8日にち、キルギスのジャパロフ大統領だいとうりょうとモスクワで会談かいだんし「第だい2次じ世界せかい大戦たいせんでは、36万まん人にんのキルギス国民こくみんが前線ぜんせんに行いき、そのうち13万まん4000人にんが帰かえらぬ人ひととなった」と述のべ、当時とうじ、ソビエトの一員いちいんとしてともにナチス・ドイツと戦たたかった両国りょうこくの歴史れきしを強調きょうちょうしました。

ロシア大統領だいとうりょう府ふによりますと、プーチン大統領だいとうりょうは8日にち、関係かんけいが良好りょうこうな旧きゅうソビエトの国々くにぐにの首脳しゅのうに対にたいして戦勝せんしょう記念きねん日びを祝いわうメッセージを送おくったということで、欧米おうべいとの対立たいりつが深ふかまるなか、第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの歴史れきしを共有きょうゆうする旧きゅうソビエト諸国しょこくをつなぎ止つなぎとめたい思惑おもわくがあるとみられます。