沖縄おきなわ本土ほんど復帰ふっき50年ねん 記念きねん式典しきてん 岸田きしだ首相しゅしょう「基地きち負担ふたん軽減けいげんに全力ぜんりょく」

一方いっぽう、沖縄おきなわのアメリカ軍ぐん基地きちについて「復帰ふっきから50年ねんがたつ今いまもなお、沖縄おきなわの皆様みなさまには大おおきな基地きち負担ふたんを担になっていただいている。政府せいふとして、重おもく受け止うけとめ、引き続ひきつづき基地きち負担ふたんの軽減けいげんに全力ぜんりょくで取り組とりくんでいく」と述のべました。

そして、再来さいらい年度ねんど以降いこうに返還へんかんが予定よていされているアメリカ軍ぐんキャンプ瑞慶覧ずけらんの「ロウワー・プラザ住宅じゅうたく地区ちく」について返還へんかんに先立さきだち、緑地りょくち公園こうえんとして利用りようできるよう、近ちかく日にち米べい両りょう政府せいふで合意ごういする見通みとおしだとして、来年らいねん度ど中ちゅうの利用りよう開始かいしに向むけて必要ひつような準備じゅんびを進すすめる考かんがえを示しめし「これからも日にち米べい同盟どうめいの抑止よくし力りょくを維持いじしながら基地きち負担ふたん軽減けいげんの目めに見みえる成果せいかを一ひとつ一ひとつ着実ちゃくじつに積み上つみあげていく」と述のべました。

そして「復帰ふっきから50年ねんという大おおきな節目ふしめを迎むかえた今日きょう、沖縄おきなわがアジア太平洋たいへいよう地域ちいきに、そして世界せかいに力強ちからづよく羽はばたいていく新あらたな時代じだいの幕まくが開あけたことを感かんじている。復帰ふっきから今日きょうに至いたる沖縄おきなわ県民けんみんのたゆまぬ努力どりょくと先人せんじんたちの尽力じんりょくに改あらためて敬意けいいを表ひょうするとともに、世界せかいの平和へいわと沖縄おきなわのさらなる発展はってんを祈念きねんする」と述のべました。

そして、沖縄おきなわのアメリカ軍ぐん基地きちをめぐり「復帰ふっきから50年ねんたった現在げんざいも、わが国わがくにの国土こくど面積めんせきの0.6％にすぎない沖縄おきなわ県けんに全国ぜんこくの在日ざいにちアメリカ軍ぐん専用せんよう施設しせつ面積めんせきの70.3％が集中しゅうちゅうし、アメリカ軍人ぐんじん・軍属ぐんぞくによる事件じけん・事故じこ、騒音そうおん、環境かんきょう汚染おせん等とう、県民けんみんは過重かじゅうな基地きち負担ふたんを強しいられ続つづけている」と指摘してきしました。

そのうえで政府せいふに対にたいし、沖縄おきなわの本土ほんど復帰ふっきの意義いぎと重要じゅうよう性せいについて国民こくみん全体ぜんたいの認識にんしきの共有きょうゆうを図はかるとともにすべての県民けんみんが真しんに幸福こうふくを実感じっかんできる平和へいわで豊ゆたかな沖縄おきなわの実現じつげんに向むけて取り組とりくむよう求もとめました。

そのうえで「沖縄おきなわには、今いまなお、さまざまな課題かだいが残のこされています。今後こんご、若わかい世代せだいを含ふくめ、広ひろく国民こくみんの沖縄おきなわに対にたいする理解りかいがさらに深ふかまることを希望きぼうするとともに、今後こんごとも、これまでの人々ひとびとの思おもいと努力どりょくが確実かくじつに受け継うけつがれ、豊ゆたかな未来みらいが沖縄おきなわに築きずかれることを心こころから願ねがっています」と述のべられました。

沖縄おきなわ復帰ふっき50周年しゅうねんに当あたり、本日ほんじつ、沖縄おきなわと東京とうきょうをオンラインでつなぎ、記念きねん式典しきてんが開催かいさいされることを誠まことに喜よろこばしく思おもいます。

先さきの大戦たいせんで悲惨ひさんな地上ちじょう戦せんの舞台ぶたいとなり、戦後せんごも約やく27年間ねんかんにわたり日本にっぽん国こくの施政しせい下かから外はずれた沖縄おきなわは、日にち米べい両国りょうこくの友好ゆうこうと信頼しんらいに基もとづき、50年ねん前まえのきょう、本土ほんどへの復帰ふっきを果はたしました。

大戦たいせんで多おおくの尊とうとい命いのちが失うしなわれた沖縄おきなわにおいて、人々ひとびとは「ぬちどぅたから」（命いのちこそ宝たから）の思おもいを深ふかめられたと伺うかがっていますが、その後そのごも苦難くなんの道みちを歩あゆんできた沖縄おきなわの人々ひとびとの歴史れきしに思おもいを致いたしつつ、この式典しきてんに臨のぞむことに深ふかい感慨かんがいを覚おぼえます。

本土ほんど復帰ふっきの日ひ、中学ちゅうがく1年生ねんせいであった私わたしは、両親りょうしんと一緒いっしょにニュースを見みたことをよく覚おぼえています。

そして、復帰ふっきから15年ねんを経へた昭和しょうわ62年ねん、国民こくみん体育たいいく大会たいかい夏季かき大会たいかいの折おりに初はじめて沖縄おきなわを訪おとずれました。

その当時とうじと比くらべても、沖縄おきなわは発展はってんを遂とげ、県民けんみん生活せいかつも向上こうじょうしたと伺うかがいます。

沖縄おきなわ県民けんみんを始はじめとする、多おおくの人々ひとびとの長年ながねんにわたるたゆみない努力どりょくに深ふかく敬意けいいを表あらわします。

一方いっぽうで、沖縄おきなわには、今いまなおさまざまな課題かだいが残のこされています。

今後こんご、若わかい世代せだいを含ふくめ、広ひろく国民こくみんの沖縄おきなわに対にたいする理解りかいがさらに深ふかまることを希望きぼうするとともに、今後こんごとも、これまでの人々ひとびとの思おもいと努力どりょくが確実かくじつに受け継うけつがれ、豊ゆたかな未来みらいが沖縄おきなわに築きずかれることを心こころから願ねがっています。

美うつくしい海うみを始はじめとする自然しぜんに恵めぐまれ、豊ゆたかな歴史れきし、伝統でんとう、文化ぶんかを育はぐくんできた沖縄おきなわは、多おおくの魅力みりょくを有ゆうしています。

沖縄おきなわの一層いっそうの発展はってんと人々ひとびとの幸しあわせを祈いのり、式典しきてんに寄よせることばといたします。

波平なみひらさんは、沖縄おきなわの本土ほんど復帰ふっきの1年ねん前まえ、1971年ねんから半はん世紀せいき以上いじょうにわたって普天間ふてんま基地きちに近ちかい、宜野湾ぎのわん市しの上うえ大謝名おおじゃな地区ちくに住すんでいます。15日にちは、本土ほんど復帰ふっき50年ねんの記念きねん式典しきてんの中継ちゅうけい番組ばんぐみを大おおきな画面がめんで見みたいと自宅じたく近ちかくの公民館こうみんかんにあるテレビで見守みまもり、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんの発言はつげんをノートに書き留かきとめていました。

波平なみひらさんは「本土ほんど並なみになったというが、基地きちと経済けいざいでは本土ほんど並なみになっていないと思おもいます。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、基地きち軽減けいげんに取り組とりくんでいくと言いうが、どこを軽減けいげんするのかとしか思おもえません。式典しきてんを見みてて複雑ふくざつな気持きもちです」と話はなしていました。

そのうえで波平なみひらさんは「今いまも変かわらない基地きちの現状げんじょうを子こや孫まごたちに引き継ひきついでいくのは心苦こころぐるしいです。復帰ふっき50年ねんはお祝おいわいの年としではなく、これから沖縄おきなわの問題もんだいをどうするのか考かんがえる年としだと思おもいます」と話はなしていました。

記念きねんレセプションは宜野湾ぎのわん市しで開ひらかれ、この中なかで岸田きしだ総理そうり大臣だいじんはレセプションについて「沖縄おきなわの伝統でんとう、歴史れきしを感かんじるとともに将来しょうらいに向むけた沖縄おきなわの可能かのう性せいを実感じっかんできるものになると期待きたいをしている。皆みなさんとともに沖縄おきなわ文化ぶんかの豊ゆたかさとそして沖縄おきなわの持もつ可能かのう性せいに思おもいを巡めぐらす機会きかいとしたい」と述のべました。

また玉城たまき知事ちじは「沖縄おきなわの新あらたな時代じだいにおいても沖縄おきなわ文化ぶんかの根底こんていに流ながれるちむぐくる（肝心かんじん）を忘わすれずに努力どりょくを重かさね次世代じせだいに継承けいしょうし、ちむどんどん（わくわく）するような新あたらしい文化ぶんかの創造そうぞうにつながるよう取り組とりくみたい」と述のべました。

そして、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんや玉城たまき知事ちじ、それに西銘にしめ沖縄おきなわ・北方ほっぽう担当たんとう大臣だいじんらが沖縄おきなわの酒さけ、泡盛あわもりの古こ酒さけが入はいった大おおきなかめにことしできた新酒しんしゅを注そそぎ、復帰ふっき50年ねんを祝いわうとともに沖縄おきなわの一層いっそうの発展はってんを願ねがいました。

このあと沖縄おきなわ県けん出身しゅっしんの琉球りゅうきゅう舞踊ぶよう家かで国くにの重要じゅうよう無形むけい文化財ぶんかざいの保持ほじ者しゃ、いわゆる「人間にんげん国宝こくほう」の志田しだ房子ふさこさんと宮城みやぎ幸子さちこさんが祝いわいの場ばなどで披露ひろうされる琉球りゅうきゅう舞踊ぶよう「かじゃでぃ風ふう」を、地元じもとの高校生こうこうせいが八重山やえやま地方ちほうを代表だいひょうする踊おどりの1つ「黒島くろしま口説くぜつ」を、それぞれ披露ひろうしました。

また、東京とうきょうオリンピックの空手からて男子だんし形がたで金メダルきんめだるを獲得かくとくした沖縄おきなわ県けん出身しゅっしんの喜友名きゅうな諒りょうさんなどが形かたちを披露ひろうし、力強ちからづよく迫力はくりょくのある演技えんぎに会場かいじょうからは大おおきな拍手はくしゅが送おくられました。