ウクライナ東部から避難したセルヒィ・ヴィルリッチさん(66)と妻のリボフ・ヴィルリッチさん(59)は、ことし3月10日に埼玉県に住む娘の根本ユリアさん夫妻を頼って、孫のブラッド・ブラウンさん(12)とともに入国しました。
3人は避難生活の長期化を見据え、先月、在留資格を90日間の「短期滞在」から就労が可能で1年間滞在できる「特定活動」に変更しました。
夫妻は、地元の公民館で開かれる日本語教室に通っているほか、娘のユリアさんと一緒に買い物に出かけるなどして過ごしていて、妻のリボフさんは近くの病院で持病の治療も受けているということです。
ブラウンさんはオンラインでウクライナの学校の授業を受けていて、近所の小学校で日本の子どもたちと交流する機会もあるということです。
セルヒィさんは、持病がある妻を日本でサポートしたいという気持ちがある一方、もう1人の娘の家族が生活し、仕事も残してきたウクライナに帰国したいという思いも強いということです。
セルヒィさんは「日本にだいぶ慣れてきましたがウクライナにも家族が残っているので、サポートするために帰国したい気持ちもある。どうすればよいか迷っていて、苦しいです」と胸の内を明かしました。
妻のリボフさんは「ウクライナでは薬が手に入らないので戻るのはまだ難しいです。ウクライナに残っている娘が心配なので戦争はできるだけ早く終わってほしいです」と話していました。
また、孫のブラウンさんは「ウクライナの友達とオンラインではなく、一緒に勉強したいです。日本での生活は楽しくなってきましたが、家族に会いたいので一回、戻りたいです。ウクライナのみんなが無事でいることを祈ってます」と話していました。