大相撲の
本場所で
初日に、
日本相撲協会の
理事長が
土俵上から
ファンに
向けて
行う恒例の
協会あいさつ。
無観客で
始まった
春場所で、
八角理事長は
テレビの
中継を通じて
異例の
長さと
なる3分あまりにわたって「
大相撲のもつ
力が
世界中の
方々に
勇気や
感動を
与え、
世の中に
平安を
呼び戻すことが
できるよう、
協会員一同、
一丸となり15
日間、
全力で
努力する
所存です」とあいさつしました。
本場所初日のあいさつは、通常は、三役以上の力士だけが理事長とともに土俵に上がり、四方に向かって礼をする形式です。
しかし、無観客で始まった今回は、幕内のすべての力士と審判の親方が土俵の周りに正面に向かって並びました。
そして、八角理事長が土俵上からテレビの中継を通じて異例の長さとなる3分あまりにわたってあいさつしました。
理事長あいさつ【全文】
「公益財団法人日本相撲協会は、社会全体でコロナウイルス感染症の拡大を防いでいる状況を勘案し、またなにより、大相撲を応援してくださる多くのファンの皆様に、ご迷惑をかけることは決してできないと考え、大相撲三月場所を無観客で開催させて頂く事となりました。
本場所を楽しみにお待ち頂いておりました多くの皆様には、大変なご迷惑とご心配をおかけすることとなりましたが、何とぞ、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
また、コロナウイルスに感染した皆様には、いっときも早いご回復をお祈り申し上げます。
このようなお客様のいない本場所となり、力士にとっても、気持ちを整えるのが難しい非常に厳しい土俵となりますが、それでも全力士は、全国各地で応援してくださっている郷土の皆様やファンの方々の歓声や声援を心に感じ、精いっぱいの土俵を務め、テレビでご観戦の皆様のご期待にお応えするものと存じます。
古来から力士の四股は、邪悪なものを土の下に押し込む力があると言われてきました。また、横綱の土俵入りは五穀豊穣と世の中の平安を祈願するために行われてきました。
力士の体は、健康な体の象徴だともいわれます。
床山が髪を結い、呼出が拍子木を打ち、行司が土俵をさばき、そして、力士が四股を踏む。この一連の所作が、人々に感動を与えると同時に、大地を鎮め、邪悪なものを押さえこむのだと信じられてきました。
こういった大相撲のもつ力が、日本はもちろん世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるよう、協会員一同、一丸となり、15日間、全力で努力する所存でございます。何とぞ千秋楽まで、温かいご声援を賜りますよう、お願い申し上げごあいさつと致します」