新しん年度ねんど予算よさんが成立せいりつ 一般いっぱん会計かいけい総額そうがくで過去かこ最大さいだいの102兆ちょう円えん余よ

本ほん会議かいぎでは討論とうろんが行おこなわれ、自民党じみんとうの福岡ふくおか資し麿まろ氏しは「新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんに伴ともなうさまざまな影響えいきょうに対処たいしょするための前提ぜんていとなる予算よさんで、１いち日にちも早はやく成立せいりつさせたうえで、さらなる措置そちを検討けんとうしていかなければならない」と述のべました。

一方いっぽう、立憲りっけん民主みんしゅ党とうの長浜ながはま博行ひろゆき氏しは「予算よさんには、新型しんがたコロナウイルス対策たいさくの経費けいひが１いち円えんも計上けいじょうされていない。苦境くきょうを訴うったえる国民こくみんの声こえに耳みみを貸かさず、無為むい無策むさくに終始しゅうしする予算よさんには賛成さんせいできない」と述のべました。

そして採決さいけつが行おこなわれた結果けっか、新しん年度ねんど予算よさんは自民じみん・公明こうめい両りょう党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつ・成立せいりつしました。

新しん年度ねんど予算よさんは、高等こうとう教育きょういくの無償むしょう化かや去年きょねん策定さくていした経済けいざい対策たいさくの費用ひようなどが盛り込もりこまれていて、一般いっぱん会計かいけいの総額そうがくが、102兆ちょう6580億おく円えんと過去かこ最大さいだいになりました。

政府せいふは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいで経済けいざいに深刻しんこくな影響えいきょうが出でていることから、追加ついかの経済けいざい対策たいさくをまとめ、新しん年度ねんどの補正ほせい予算よさん案あんを編成へんせいすることにしています。

主おもな歳出さいしゅつは

主おもな歳出さいしゅつを項目こうもく別べつに見みますと、医療いりょうや年金ねんきんなどの「社会しゃかい保障ほしょう費ひ」は、今年度こんねんどより１いち兆ちょう7300億おく円えん余あまり増ふえて過去かこ最大さいだいの35兆ちょう8608億おく円えんとなりました。

高齢こうれい化かによる伸のびに加くわえ、新しん年度ねんどから始はじまる、低てい所得しょとく世帯せたいを対象たいしょうにした高等こうとう教育きょういくの無償むしょう化かの費用ひようが上積うわづみされました。

「防衛ぼうえい費ひ」は、宇宙うちゅう空間くうかんを監視かんしする「宇宙うちゅう作戦さくせん隊たい」や「サイバー防護ぼうご隊たい」を設もうける費用ひようなどを盛り込もりこみ過去かこ最大さいだいの５ご兆ちょう3133億おく円えん、「文化ぶんか、教育きょういく、科学かがく技術ぎじゅつ関連かんれん予算よさん」は、今年度こんねんどより800億おく円えん余あまり少すくない５ご兆ちょう5055億おく円えんとなりました。

新しん年度ねんどの打ち上うちあげを目指めざす、日本にっぽんの新あたらしい主力しゅりょくロケット「Ｈえいち３さんロケット」の開発かいはつ費用ひようなどが計上けいじょうされました。

防災ぼうさい・減げん災わざわいと国土こくど強きょうじん化かに向むけたインフラ強化きょうかなどを盛り込もりこんだ経済けいざい対策たいさくには、１いち兆ちょう7788億おく円えんが盛り込もりこまれています。

このほか、地方ちほう自治体じちたいに配分はいぶんする「地方ちほう交付こうふ税ぜい」は15兆ちょう8093億おく円えん、過去かこに発行はっこうした国債こくさいの償還しょうかんや利払りばらいに充あてる「国債こくさい費ひ」は23兆ちょう3515億おく円えんとなりました。

一方いっぽう、「歳入さいにゅう」は、税収ぜいしゅうが消費しょうひ税率ぜいりつ引き上ひきあげによる増収ぞうしゅうを反映はんえいして過去かこ最高さいこうの63兆ちょう5130億おく円えんを見込みこんでいます。国くにの新あらたな借金しゃっきんにあたる国債こくさいの新規しんき発行はっこう額がくは32兆ちょう5562億おく円えんと当初とうしょ予算よさんとしては10年ねん連続れんぞくで減へりました。

ただ、減少げんしょう額がくは1000億おく円えん程度ていどにとどまり、歳入さいにゅうの31.7％を国債こくさいに頼たよる厳きびしい財政ざいせい状況じょうきょうが続つづきます。

経済けいざい対策たいさくなどに１いち.7兆ちょう円えん超ちょう

新しん年度ねんど予算よさんには、去年きょねん12月つきに決定けっていした一連いちれんの災害さいがいからの復旧ふっきゅう・復興ふっこう、それに消費しょうひの活性かっせい化か策さくなどを柱はしらとした経済けいざい対策たいさくを実行じっこうするための費用ひようとして１いち兆ちょう7788億おく円えんが計上けいじょうされています。

このうち、消費しょうひ税率ぜいりつの引き上ひきあげに合あわせたキャッシュレス決済けっさいのポイント還元かんげん制度せいどでは、ことし６月ろくがつまでの期間きかん中ちゅうの追加ついかの経費けいひとして2703億おく円えんが充あてられました。また、マイナンバーカードを活用かつようした消費しょうひ活性かっせい化か策さくには2478億おく円えんが計上けいじょうされました。

これはマイナンバーカードを持もっている人ひとを対象たいしょうに、１いち人にん当あたり最大さいだい２に万まん円えんまでのキャッシュレスでの決済けっさいや入金にゅうきんに対にたいして5000円えん分ぶんのポイントを付つけるもので、ことし９月くがつから来年らいねん３月さんがつまで実施じっしされる予定よていです。

このほか、一定いっていの所得しょとくに満みたない人ひとが住宅じゅうたくを購入こうにゅうする場合ばあいに現金げんきんを給付きゅうふする「すまい給付きゅうふ金きん」は、1145億おく円えんが計上けいじょうされました。消費しょうひ税率ぜいりつの引き上ひきあげによる住宅じゅうたく販売はんばいの落ち込おちこみを防ふせぐため、去年きょねん10月つきから給付きゅうふ額がくの上限じょうげんが30万まん円えんから50万まん円えんに引き上ひきあげられていて、新しん年度ねんども引き続ひきつづき、補助ほじょが受うけられます。

さらに、防災ぼうさい・減げん災わざわいに向むけた「国土こくど強きょうじん化か」の予算よさんとして１いち兆ちょう1432億おく円えんが充あてられました。洪水こうずいのおそれがある河川かせんの堤防ていぼうのかさ上あげやため池ためいけの決壊けっかいを防ふせぐ工事こうじのほか洪水こうずいや土砂どしゃ災害さいがいのハザードマップの作成さくせいが遅おくれている自治体じちたいを支援しえんするための費用ひようなどが盛り込もりこまれました。

教育きょういく分野ぶんや

来月らいげつから始はじまる所得しょとくの低ひくい世帯せたいを対象たいしょうにした高等こうとう教育きょういくの無償むしょう化かを実施じっしするための費用ひようとして4882億おく円えんが新あらたに盛り込もりこまれました。

大学だいがくや専門せんもん学校がっこうなどの授業じゅぎょう料りょう・入学にゅうがく金きんの減免げんめんのほか、返済へんさいの必要ひつようがない給付きゅうふ型がたの奨学しょうがく金きんを支給しきゅうするために活用かつようされます。

また、年収ねんしゅうが約やく590万まん円えん未満みまんの世帯せたいを対象たいしょうに、来月らいげつから私立しりつ高校こうこうの授業じゅぎょう料りょうを実質じっしつ、無償むしょう化かするための費用ひようなどとして4248億おく円えんが計上けいじょうされました。

さらに、通学つうがく路ろで子こどもが被害ひがいにあう事故じこが相次あいついでいることから、歩道ほどうの拡幅かくふくや防護ぼうご柵しがらみの設置せっち、それに車くるまのスピードを抑おさえるために道路どうろに段差だんさを設もうけるなどの安全あんぜん対策たいさくを行おこなう費用ひようとして30億おく円えんが盛り込もりこまれました。

子育こそだて支援しえんなど

去年きょねん10月つきに始はじまった、幼児ようじ教育きょういくと保育ほいくの無償むしょう化かを年間ねんかんを通をつうじて実施じっしするための費用ひようとして、3410億おく円えんが盛り込もりこまれました。

待機たいき児童じどうの解消かいしょうに向むけて、保育ほいくの受け皿うけざらを拡大かくだいするため、保育ほいく所しょの整備せいびや保育ほいく士しの処遇しょぐうの改善かいぜんなどに358億おく円えんが計上けいじょうされました。

また、仕事しごとに就つかずに自宅じたくに引ひきこもっている人ひとを支援しえんするため、自立じりつ相談そうだん支援しえん機関きかんの窓口まどぐちに専門せんもんの職員しょくいんを配置はいちし、個別こべつに自宅じたくを訪問ほうもんして相談そうだんに乗のったり、就労しゅうろうを手助てだすけしたりするための費用ひようとして32億おく円えんが充あてられました。

医療いりょう分野ぶんや

来年らいねん３月さんがつからマイナンバーカードを健康けんこう保険ほけん証しょうの代かわりに使用しようできるようにするため、医療いりょう機関きかんにカードの読み取よみとり機きやシステムを整備せいびする費用ひようとして、768億おく円えんが計上けいじょうされました。