Actualités japonaises: トランプ「ロシアとの中距離核ミサイル全廃条約破棄する」

トランプ「ロシアとの中距離ちゅうきょり核ミサイルかくみさいる全廃ぜんぱい条約じょうやく破棄はきする」

Oct 21, 2018 05:10

Furigana

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは、冷戦れいせん時代じだいにアメリカと旧きゅうソビエトが調印ちょういんした中距離ちゅうきょりの核ミサイルかくみさいるの保有ほゆうなどを禁止きんしするＩＮＦ＝中距離ちゅうきょり核ミサイルかくみさいる全廃ぜんぱい条約じょうやくについて、ロシアが条約じょうやくを順守じゅんしゅしていないとして、条約じょうやくを破棄はきする考かんがえを明あきらかにしました。トランプ大統領だいとうりょうは20日にち、訪問ほうもん先さきの西部せいぶネバダ州しゅうで記者きしゃ団だんの質問しつもんに答こたえました。この中なかで、冷戦れいせん時代じだいの1987年ねんにアメリカと旧きゅうソビエトが調印ちょういんし、現在げんざいはロシアが履行りこう義務ぎむを引き継ひきつぐＩＮＦ＝中距離ちゅうきょり核ミサイルかくみさいる全廃ぜんぱい条約じょうやくについて「われわれは条約じょうやくを尊重そんちょうし守まもっているがロシアはそうではない。このため条約じょうやくを終おわらせ抜ぬけることにする」と述のべ、条約じょうやくを破棄はきする考かんがえを明あきらかにしました。

さらに、トランプ大統領だいとうりょうは「ロシアや中国ちゅうごくがこうした兵器へいきの開発かいはつをやめようと言いわないかぎりわれわれも兵器へいきを作つくらざるをえない。約束やくそくに違反いはんするものがいるかぎりわれわれだけが守まもるということにはならない」と述のべ、核かく戦力せんりょくの強化きょうかも辞じさない構かまえを示しめしました。

ＩＮＦをめぐりトランプ政権せいけんは、ロシアが条約じょうやくに違反いはんし核かく戦力せんりょくの強化きょうかを続つづけているとして批判ひはんを繰り返くりかえしてきました。トランプ大統領だいとうりょうの考かんがえについて、近ちかくロシアを訪おとずれるボルトン大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんがロシア側がわに伝つたえる見通みとおしです。

核兵器かくへいきをめぐってはアメリカ政府せいふ内ないで、ＩＮＦの制約せいやくを受うけない中国ちゅうごくが大量たいりょうに中距離ちゅうきょり核ミサイルかくみさいるなどを保有ほゆうし、脅威きょういになっているとして条約じょうやくの見直みなおしを求もとめる声こえがあり、トランプ大統領だいとうりょうの発言はつげんの背景はいけいには中国ちゅうごくを強つよくけん制けんせいする狙ねらいもあるものと見みられます。

ＩＮＦとは

ＩＮＦ＝中距離ちゅうきょり核ミサイルかくみさいる全廃ぜんぱい条約じょうやくは、1987年ねんにアメリカと旧きゅうソビエトの間まで調印ちょういんされたもので、現在げんざいはロシアが条約じょうやくの履行りこう義務ぎむを引き継ひきついでいます。条約じょうやくでは、射程しゃていが500キロから5500キロの地上ちじょう発射はっしゃ型がたの弾道だんどうミサイルと巡航じゅんこうミサイルの保有ほゆうと生産せいさん、それに発射はっしゃ実験じっけんなどを禁止きんししています。

この条約じょうやくが調印ちょういんされた当時とうじは、核兵器かくへいきの開発かいはつ競争きょうそうなど軍拡ぐんかくが繰り広くりひろげられた米べいソ冷戦れいせん時代じだいで、当時とうじのレーガン大統領だいとうりょうと旧きゅうソビエトのゴルバチョフ書記しょき長ちょうとの間まで調印ちょういんされた条約じょうやくは、東西とうざい冷戦れいせんの終結しゅうけつに至いたる緊張きんちょう緩和かんわの象徴しょうちょうの１ひとつとされてきました。しかし、アメリカ政府せいふはこれまでロシアが条約じょうやくに違反いはんしているとたびたび批判ひはんしています。

ロシア国営こくえいメディアが速報そくほう

トランプ大統領だいとうりょうがＩＮＦ＝中距離ちゅうきょり核ミサイルかくみさいる全廃ぜんぱい条約じょうやくを破棄はきする考かんがえを明あきらかにしたことを、ロシアの国営こくえいメディアは一斉いっせいに速報そくほうで伝つたえました。今いまのところロシア政府せいふから公式こうしきの反応はんのうは出でていないものの、今後こんご、強つよい反発はんぱつが予想よそうされます。

ロシアはこれまで条約じょうやく違反いはんを否定ひてい

「ロシアはＩＮＦ＝中距離ちゅうきょり核ミサイルかくみさいる全廃ぜんぱい条約じょうやくを順守じゅんしゅしていない」というアメリカの批判ひはんに対にたいし、ロシアはこれまで「一切いっさい証拠しょうこがない」として否定ひていしてきました。

そのうえで、ルーマニアで運用うんようが始はじまり、日本にっぽんでも配備はいびされる方針ほうしんの新型しんがた迎撃げいげきミサイルシステム「イージス・アショア」に、巡航じゅんこうミサイルを搭載とうさいすれば攻撃こうげき兵器へいきになると主張しゅちょうして「アメリカこそがＩＮＦに違反いはんした行動こうどうをとり続つづけている」と批判ひはんしてきました。