専門せんもん家か会議かいぎが提言ていげん“地域ちいきの状況じょうきょうに応おうじた対策たいさく必要ひつよう” 新型しんがたコロナ

この中なかで専門せんもん家か会議かいぎは、全国ぜんこくの感染かんせん状況じょうきょうについて、先月せんげつ10日にちごろには１いち日にち当あたりの感染かんせん者しゃの数かずが700人にん近ちかくに上のぼっていたものの、最近さいきんは200人にん程度ていどの日ひが増ふえていて、新あらたな感染かんせん者しゃの数かずが減少げんしょう傾向けいこうに転てんじていることがうかがわれるとして、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんや一般いっぱんの人ひとたちの協力きょうりょくを含ふくめた対策たいさくの成果せいかが現あらわれ始はじめているのは確たしかだと考かんがえられるとしました。

一方いっぽうで、減少げんしょうのスピードは緩ゆるやかで、これまで求もとめられてきた人ひととの接触せっしょくの８はち割わり削減さくげんについては地域ちいきや年齢ねんれい層そうによって達成たっせいの状況じょうきょうにばらつきがあるとしています。

さらに、人工じんこう呼吸こきゅう器きが必要ひつような重症じゅうしょう患者かんじゃが多おおく出でていて、入院にゅういんが長期ちょうき化かし、人数にんずうが減少げんしょうしにくいため医療いりょう現場げんばのひっ迫ひっぱくした状況じょうきょうは緩ゆるやかにしか解消かいしょうされないとしています。

こうしたことから専門せんもん家か会議かいぎは、感染かんせんが再ふたたび拡大かくだいすると、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいへのさらなる負荷ふかが生しょうじるおそれがあるとしています。

そのうえで、地域ちいきでの感染かんせんの状況じょうきょうに応おうじた対策たいさくが必要ひつようだとする考え方かんがえかたを示しめし「感染かんせんの状況じょうきょうが厳きびしい地域ちいき」では新あらたな感染かんせん者しゃの数かずが一定いってい水準すいじゅんまで下さがるまでは、「徹底てっていした行動こうどう変容へんようの要請ようせい」が求もとめられるとしています。

ただ、こうした地域ちいきでも、社会しゃかい的てきに必要ひつよう性せいが高たかい活動かつどうで、さまざまな工夫くふうによって感染かんせんリスクを十分じゅうぶんに下さげられる事業じぎょうなどについては制限せいげんを一部いちぶ徐々じょじょに緩ゆるめることも検討けんとうする必要ひつようがあるとしています。

その一方いっぽうで、「新あらたな感染かんせん者しゃの数かずが限定げんてい的てきとなった地域ちいき」では、対策たいさくの強度きょうどを一定いってい程度ていど緩ゆるめられるとしました。

「徹底てっていした行動こうどう変容へんようの要請ようせい」を維持いじするか緩和かんわするかの判断はんだんは必要ひつようなＰＣＲなどの検査けんさが迅速じんそくに実施じっしでき、感染かんせんが一定いってい範囲はんいに抑おさえられていることや医療いりょう提供ていきょう体制たいせいが確保かくほできることを踏ふまえるとしています。

こうした上うえで、専門せんもん家か会議かいぎは対策たいさくを一定いってい程度ていど緩ゆるめられるようになった地域ちいきでも再度さいどのまん延まんえんが起おきないよう、長丁場ながちょうばの対応たいおうを前提ぜんていとした新あたらしい生活せいかつ様式ようしきの定着ていちゃくが求もとめられるとしています。

具体ぐたい的てきには、いわゆる「３みっつの密みつ」を徹底てってい的てきに避さけるとともに手洗てあらいや人ひととの距離きょりを取とる対応たいおうを続つづけることや、全国ぜんこく的てきで大だい規模きぼなイベントは感染かんせんリスクへの対応たいおうが整ととのわない場合ばあいは、中止ちゅうしや延期えんきすることを含ふくめて主催しゅさい者しゃによる慎重しんちょうな対応たいおうを求もとめることが必要ひつようになるとしています。

また学校がっこうについては、学習がくしゅうの機会きかいを保障ほしょうしていくことも重要じゅうようであるなどとして、感染かんせんのリスクをできるだけ低減ていげんしたうえで活動かつどうの再開さいかいの在り方ありかたを検討けんとうすることが必要ひつようだとしました。

さらに外出がいしゅつ自粛じしゅくによるメンタルヘルスへの影響えいきょうや家庭かてい内ない暴力ぼうりょく、倒産とうさんや失業しつぎょう、それに感染かんせん者しゃや医療いりょう従事じゅうじ者しゃに対にたいする差別さべつや風評ふうひょう被害ひがいなど、さまざまな課題かだいに対応たいおうするため、適切てきせつな支援しえんが提供ていきょうされるよう、必要ひつような措置そちを講こうじていくべきだとしています。

専門せんもん家か会議かいぎは、近日きんじつ中ちゅうに今後こんご求もとめられる対策たいさくの詳細しょうさいを示しめすとしています。

感染かんせん状況じょうきょうの分析ぶんせき

提言ていげんでは、新型しんがたコロナウイルスへの国内こくないでの感染かんせん状況じょうきょうの分析ぶんせきがまとめられています。

全国ぜんこく的てきな感染かんせんの状況じょうきょうについて、一時いちじは700人にん近ちかくに上のぼっていた１いち日にちの新規しんきの感染かんせん者しゃ数すうが４月しがつ下旬げじゅんは200人にん程度ていどとなる日ひが増ふえてきたとして、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんなどの一連いちれんの対策たいさくの成果せいかが現あらわれはじめていることは確たしかだとしています。

一方いっぽうで、３月さんがつ20日にちすぎから急増きゅうぞうした際さいの増加ぞうかのスピードと比くらべると、現在げんざいの減少げんしょうのスピードは緩ゆるやかに見みえるとしました。

その理由りゆうとしては大だい都市とし圏けんからの人ひとの移動いどうにより地方ちほうに感染かんせんが拡大かくだいし、感染かんせんの縮小しゅくしょうのスピードが東京とうきょうに比くらべて鈍にぶいためであると考かんがえられると指摘してきしました。

流行りゅうこう判断はんだんの指標しひょう「実効じっこう再さい生産せいさん数すう」とは

また、今後こんごの流行りゅうこうを判断はんだんする際さいの指標しひょうとなる「実効じっこう再さい生産せいさん数すう」と呼よばれる数値すうちが示しめされました。

この数値すうちは感染かんせんした１いち人にんがほかの何なん人にんに感染かんせんを広ひろげているかを示しめすもので、１いちを下回したまわると流行りゅうこうは収束しゅうそくに向むかいます。

３月さんがつ25日にちの時点じてんでは全国ぜんこくの数値すうちは2.0でしたが、４月しがつ10日にちには0.7となって１いちを下回したまわりました。

東京とうきょう都とについても、３月さんがつ14日にちの時点じてんでは実効じっこう再さい生産せいさん数すうは2.6でしたが、４月しがつ10日にち時点じてんでは0.5となり、こちらも１いちを下回したまわりました。

そのうえで提言ていげんでは、市民しみんの「行動こうどう変容へんよう」により新あらたな感染かんせん者しゃの数かずは減少げんしょう傾向けいこうにあると評価ひょうかする一方いっぽうで、感染かんせん者しゃが増ふえ始はじめた３月さんがつ上旬じょうじゅんや爆発ばくはつ的てきな感染かんせんの拡大かくだいの兆候ちょうこうが見みえ始はじめた３月さんがつ中旬ちゅうじゅん前後ぜんごの水準すいじゅんは下回したまわっていないと指摘してきしました。

また、提言ていげんではＰＣＲ検査けんさの件数けんすうが海外かいがいと比くらべて限定げんてい的てきな中なかで、感染かんせん者しゃが減へっていると判断はんだんできるのかという指摘してきに対にたいして、感染かんせん者しゃのすべてが把握はあくできているわけではないとしたうえで、検査けんさ数すうが徐々じょじょに増ふえる中なかで、陽性ようせいとなる数かずが全国ぜんこく的てきに減少げんしょう傾向けいこうになっていることや、東京とうきょうなどで累積るいせきの感染かんせん者しゃ数すうが２に倍ばいになるまでにかかる時間じかんが伸のびていることなどから、新あらたな感染かんせん者しゃが減少げんしょう傾向けいこうにあることは間違まちがいないと判断はんだんされるとしました。

専門せんもん家か会議かいぎでは近ちかく詳くわしいデータを公表こうひょうするということです。

「行動こうどう変容へんよう」の分析ぶんせきは

提言ていげんでは、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんなどで、市民しみんの行動こうどうの変化へんか、いわゆる「行動こうどう変容へんよう」がどの程度ていど、実現じつげんしたかについて分析ぶんせきしました。

分析ぶんせきの中なかでは、携帯けいたい電話でんわの位置いち情報じょうほうなどを利用りようして、「接触せっしょく頻度ひんど」という新あたらしい指標しひょうを示しめし、４月しがつ24日にち時点じてんでの「接触せっしょく頻度ひんど」を緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん前まえの１月いちがつ17日にちと比くらべました。

その結果けっか、東京とうきょうの渋谷しぶや駅えき周辺しゅうへんや大阪おおさかの難波なんば駅えき周辺しゅうへんでは、世代せだいによって達成たっせいの状況じょうきょうが異ことなっていたとしています。

10代だいや20代だいの若わかい世代せだいでは、「接触せっしょく頻度ひんど」は昼夜ちゅうやを問とわず80％以上いじょう、減少げんしょうしたことがうかがえる一方いっぽう、30代だい以上いじょうの働はたらく世代せだいではテレワークが普及ふきゅうした分ぶんだけ下さがったものの、80％減少げんしょうには達たっしていなかったとしています。

また、都道とどう府県ふけんをまたぐ移動いどうは３さん割わりから５ご割わりの減少げんしょうにとどまるところが多おおく、都心としんなどへの通勤つうきんを続つづけるかぎり働はたらく世代せだいの「接触せっしょく頻度ひんど」の減少げんしょう度合どあいが少すくないことも分わかったということです。

今後こんごの対策たいさくの考え方かんがえかた

提言ていげんでは、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんに伴ともなう外出がいしゅつ自粛じしゅくなどの対策たいさくで国内こくないの新規しんきの感染かんせん者しゃは減少げんしょう傾向けいこうに転てんじたと判断はんだんされるものの、当面とうめんは今いまの対策たいさくを維持いじすることが望のぞましいとしています。

そのうえで、今後こんごの対策たいさくについては、感染かんせんの状況じょうきょうは地域ちいきによって異ことなっているため、地域ちいきでのまん延まんえんの状況じょうきょうに応おうじた対策たいさくが必要ひつようになるとしています。

このうち、感染かんせんの状況じょうきょうが厳きびしい地域ちいきでは、新規しんきの感染かんせん者しゃが一定いってい水準すいじゅんまで減少げんしょうするまで、引き続ひきつづき「徹底てっていした行動こうどう変容へんようの要請ようせい」が必要ひつようになるとしています。

ただ、こうした地域ちいきにおいても、対策たいさくの長期ちょうき化かに伴ともない、市民しみん生活せいかつへの悪影響あくえいきょうや「自粛じしゅく疲づかれ」が懸念けねんされるとして、特とくに社会しゃかい的てきに必要ひつよう性せいが高たかく感染かんせんリスクを下さげられる事業じぎょうなとについては、制限せいげんを一部いちぶ、徐々じょじょに緩和かんわしていくことも検討けんとうしていく必要ひつようがあるとしています。

そして、その例れいとして、学校がっこうや公園こうえんなどの取り扱とりあつかいを検討けんとうしていく必要ひつようがあるとしています。

一方いっぽうで、「新規しんきの感染かんせん者しゃ数すうが限定げんてい的てきとなった地域ちいき」として、対策たいさくの強度きょうどを一定いってい程度ていど緩ゆるめるにあたっては再さい流行りゅうこうへの対策たいさくを整ととのえたうえで、感染かんせん拡大かくだいを予防よぼうするための新あたらしい生活せいかつ様式ようしきにより、暮くらしていくことが求もとめられるとしています。

こうした判断はんだんにあたっては、新規しんきの感染かんせん者しゃ数すうの水準すいじゅんが十分じゅうぶんに抑おさえられることや、ＰＣＲなどの検査けんさが迅速じんそくに実施じっしできること、医療いりょう機関きかんの役割やくわり分担ぶんたんの明確めいかく化かや患者かんじゃの受け入うけいれ先さきの調整ちょうせい機能きのうが確立かくりつされていることなど、軽症けいしょう者しゃから重症じゅうしょう者しゃまで、病状びょうじょうに応おうじて迅速じんそくに対応たいおうできる医療いりょう提供ていきょう体制たいせいが構築こうちくされているといった点てんを総合そうごう的てきに勘案かんあんして判断はんだんしていくことになるとしています。

今後こんごの対応たいおうについて

提言ていげんの中なかでは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん者しゃが減少げんしょうしたとしても、再ふたたびまん延まんえんするのを防ふせぐため、長丁場ながちょうばの対応たいおうを前提ぜんていとした新あたらしい生活せいかつ様式ようしきが求もとめられるとしました。

具体ぐたい的てきには「３みっつの密みつ」を徹底てってい的てきに避さけることや、手洗てあらいや人ひとと接せっする際さいの距離きょりをあけるなどの基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくの継続けいぞくは不可欠ふかけつとしたうえで、テレワークや時差じさ出勤しゅっきんなどの対策たいさくも重要じゅうようとし、新あたらしい生活せいかつ様式ようしきを身みにつけることが求もとめられるとしています。

一方いっぽう、感染かんせん者しゃ数すうが限定げんてい的てきになった地域ちいきでは、地域ちいきのイベントや、屋外おくがいでのスポーツなどについてこれまで示しめしている考え方かんがえかたを今後こんご、精査せいさし、改定かいていを検討けんとうするということです。

なお、再度さいど、まん延まんえんした場合ばあいには「徹底てっていした行動こうどう制限せいげん」を講こうじざるをえないことを覚悟かくごしておく必要ひつようがあるとしています。

そして、各かく事業じぎょう者しゃも感染かんせん対策たいさくを行おこなうことが求もとめられることから、業界ぎょうかい団体だんたいが中心ちゅうしんとなって業種ぎょうしゅごとのガイドラインなどの作成さくせいにむけて検討けんとうすることが重要じゅうようだと指摘してきしました。

医療いりょう提供ていきょう体制たいせい

提言ていげんでは、今後こんご、再ふたたび患者かんじゃが増ふえてくる場合ばあいに備そなえて、医療いりょうの崩壊ほうかいを生しょうじさせないことが最大さいだいの目標もくひょうだとしました。

そのうえで、具体ぐたい的てきな取り組とりくみとして、重症じゅうしょうや軽症けいしょうの患者かんじゃをみる医療いりょう機関きかんごとの役割やくわり分担ぶんたんを調整ちょうせいする機関きかんの設置せっちや、患者かんじゃの搬送はんそうを調整ちょうせいするコーディネーターの配置はいち、それに、軽症けいしょう者しゃが療養りょうようする宿泊しゅくはく施設しせつの確保かくほなどを都道とどう府県ふけんごとに確実かくじつに進すすめること、新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃが急激きゅうげきに増ふえても、ほかの病気びょうきの患者かんじゃの治療ちりょうに重大じゅうだいな支障ししょうがでないような受け入うけいれ体制たいせいを整ととのえること、都道とどう府県ふけんごとの医療いりょうの体制たいせいの情報じょうほうが住民じゅうみんに適切てきせつに提供ていきょうされること、国くには、院内いんない感染かんせん対策たいさくとしてＰＣＲ検査けんさを積極せっきょく的てきに実施じっしし、感染かんせんの防護ぼうご具ぐの提供ていきょうなどに努つとめるべきとした、合あわせて４よっつの項目こうもくを指摘してきしました。

また、今後こんご、「徹底てっていした行動こうどう変容へんようの要請ようせい」を一定いってい程度ていど緩ゆるめる場合ばあいは、ＰＣＲなどによる検査けんさ体制たいせいの拡充かくじゅうに努つとめなければならないとして、次回じかいの専門せんもん家か会議かいぎで改あらためて議論ぎろんするとしました。

学校がっこうについて

提言ていげんの中なかでは、臨時りんじ休業きゅうぎょうが続つづく学校がっこうについても触ふれられています。

この中なかでは子こどもたちに学習がくしゅうの機会きかいを保障ほしょうすることの重要じゅうよう性せいを踏ふまえつつ、一方いっぽうで、新型しんがたコロナウイルスへの対策たいさくは今後こんごも続つづける必要ひつようがあることなどから、学校がっこうで感染かんせんが広ひろがるリスクをできるだけ減へらしたうえで、学校がっこうの活動かつどうの再開さいかいを検討けんとうしていくことが必要ひつようだとしました。

そして、登とう下校げこうなども含ふくめてさまざまな場面ばめんで感染かんせんのリスクが高たかい活動かつどうを整理せいりして、対応たいおうを早急そうきゅうに示しめす必要ひつようがあるとしました。