日産自動車のゴーン
前会長の
妻のキャロル
さんが11
日午後、
東京地方裁判所に
出頭し、
参考人として
裁判所で
尋問を
受けました。キャロル
さんが
代表を
務める会社には
日産の
資金の
一部が
流れた
疑いがあり、
裁判官の
立ち会いのもと
検察官が
資金の
流れなどについて
説明を
求めたものとみられます。
日産自動車の
前会長 カルロス・ゴーン
容疑者(65)は、オマーンの
販売代理店に
日産から
支出させた
資金の
一部を、みずからが
実質的に
保有するペーパーカンパニーに
還流させていたとして
特別背任の
疑いで
東京地検特捜部に
再逮捕されました。
関係者によりますと、日産の資金の一部はキャロルさんが代表を務めるペーパーカンパニーに流れた疑いがあり、特捜部はキャロルさんに参考人として任意での事情聴取を要請しましたが応じなかったため、裁判所で尋問する手続きを行うよう東京地方裁判所に請求していました。
キャロルさんは前会長が再逮捕された翌日の今月5日にフランスへ出国していましたが、10日夜、日本に戻り、11日午後、弁護団とともに裁判所に出頭しました。
前会長の弁護士によりますと、裁判所での尋問は午後1時半から非公開の法廷で3時間にわたって行われ、裁判官や弁護士の立ち会いのもと、検察官が英語の通訳を介してキャロルさんに説明を求めたということです。
尋問のあと前会長の弁護士は報道陣の取材に対し「証言は拒否せず誠実に答えた」と話し、キャロルさんは不正への関与を否定したものとみられます。
初公判前の証人尋問とは
刑事訴訟法では事件の重要な参考人が出頭や供述を拒んだ場合、検察は初公判の前に証人尋問を行うよう裁判所に請求することができます。
尋問は捜査の一環として非公開で行われ、裁判所は参考人が出頭要請を拒んだ場合「勾引状」と呼ばれる令状を示して強制的に呼び出すことができます。
関係者によりますと、手続きは通常、法廷で行われ裁判官や検察官が尋問するほか、裁判所が認めれば弁護士が立ち会って反対尋問を行うことができます。
参考人は、うその証言をすれば偽証罪に問われる可能性がありますが、みずからや配偶者など近い親族が刑事訴追を受けるおそれがある場合は証言を拒むことができます。
クルーザー「SHACHOU号」はいま
日産自動車のゴーン前会長らが使用していたクルーザー「SHACHOU号」とみられる船は、船舶の位置情報などを公開しているサイトによりますと、去年10月中旬からイタリア中部ピサ近郊の港の近くにとどまっています。
クルーザーは船舶の修理や改修を行う会社の敷地に陸揚げされていて、現地では船の甲板などに人があがり、何らかの作業が行われている様子もうかがえました。
この会社はNHKの取材に対し、クルーザーの所有者が誰かや、どんな依頼を受けたのかなどについて「何もコメントできない」と答えています。