天皇てんのう陛下へいか あす退位たいい 最後さいごのおことばも

これを前まえに、天皇てんのう陛下へいかは30日にち午前ごぜん10時じから皇居こうきょの「宮中きゅうちゅう三さん殿どの」で「退位たいいの礼れい」を行おこなうことを皇室こうしつの祖先そせんや神かみ々に伝つたえる儀式ぎしきに臨のぞまれます。

天皇てんのう陛下へいかの退位たいいに向むけて皇室こうしつの行事ぎょうじとして行おこなわれてきた一連いちれんの儀式ぎしきは、これで最後さいごになります。

そして、午後ごご５ご時じから「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ（たいいれい せいでんのぎ）」が皇居こうきょ宮殿きゅうでんの「松まつの間ま」で国事こくじ行為こういとして行おこなわれます。

天皇てんのうの退位たいいの儀式ぎしきが行おこなわれるのは、江戸えど時代じだい後期こうきの光ひかり格かく天皇てんのうの時とき以来いらい、202年ねんぶりで、天皇てんのう陛下へいかはモーニングを着きて、皇后こうごうさまとともに儀式ぎしきに臨のぞまれます。

皇太子こうたいしご夫妻ふさいなどの皇族こうぞく方かたも出席しゅっせきされるほか、三権さんけんの長ちょうや閣僚かくりょう、地方ちほう自治体じちたいの代表だいひょうなど、およそ300人にんが参列さんれつする予定よていです。

儀式ぎしきでは、安倍あべ総理そうり大臣だいじんが天皇てんのう陛下へいかの前まえに進み出すすみでて、おととし６月ろくがつに成立せいりつした特例とくれい法ほうにより天皇てんのう陛下へいかが退位たいいされることや、天皇てんのう陛下へいかへの感謝かんしゃの気持きもちなどを国民こくみんを代表だいひょうして述のべます。

このあと、天皇てんのう陛下へいかが、国民こくみんへの最後さいごのおことばを述のべられることになっています。

天皇てんのう陛下へいかは、儀式ぎしきのあとも皇后こうごうさまとともに午後ごご７なな時半じはんごろまで、皇族こうぞく方かたや宮内庁くないちょうの職員しょくいんなどからあいさつを受うけられる予定よていです。

そして、日付ひづけが変かわると同時どうじに皇位こういを退しりぞかれ、皇太子こうたいしさまが新あらたな天皇てんのうとして即位そくいされて、時代じだいは平成へいせいから令りょう和わへとかわります。

退位たいいの一連いちれんの儀式ぎしきとは

天皇てんのう陛下へいかの退位たいいにあたっては、30日にち、「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」が国事こくじ行為こういとして行おこなわれるほか、先月せんげつから皇室こうしつの行事ぎょうじとして関連かんれんする儀式ぎしきが行おこなわれてきました。

このうち、先月せんげつ12日にちには、退位たいいとその期日きじつを皇室こうしつの祖先そせんや神かみ々に伝つたえる儀式ぎしきが一連いちれんの儀式ぎしきの最初さいしょに行おこなわれ、天皇てんのう陛下へいかは、平安へいあん時代じだいから儀式ぎしきでの天皇てんのうの装束しょうぞくとされる「黄櫨染こうろぜん御ご袍ほう（こうろぜんのごほう）」に身みを包つつみ、皇居こうきょの宮中きゅうちゅう三さん殿どのに参拝さんぱいされました。

また、先月せんげつ26日にちには、奈良なら県けん橿原かしはら市しを訪おとずれ、皇后こうごうさまとともに日本書紀にほんしょきなどに登場とうじょうする初代しょだいの天皇てんのう、神武じんむ天皇てんのうの陵りょうに参拝さんぱいする儀式ぎしきに臨のぞまれました。

今月こんげつ18日にちには、皇室こうしつとゆかりが深ふかい伊勢いせ神宮じんぐうを、23日にちには、昭和しょうわ天皇てんのうが埋葬まいそうされた東京とうきょうの武蔵野むさしの陵りょうをそれぞれ参拝さんぱいし、退位たいいすることを伝つたえられました。

そして、30日にち午前ごぜん10時じから、天皇てんのう陛下へいかが宮中きゅうちゅう三さん殿どのに参拝さんぱいし、退位たいいの礼れいを行おこなうことを皇室こうしつの祖先そせんや神かみ々に伝つたえられたあと、午後ごご５ご時じから202年ねんぶりとなる天皇てんのうの退位たいいの儀式ぎしき、「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」が行おこなわれます。

天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかが皇居こうきょ宮殿きゅうでんの「松まつの間ま」に入はいられ、総理そうり大臣だいじんが国民こくみんを代表だいひょうして天皇てんのう陛下へいかへの感謝かんしゃの気持きもちなどを述のべたあと、天皇てんのう陛下へいかが、国民こくみんへの最後さいごのおことばを述のべられることになっています。

退位たいい当日とうじつの宮中きゅうちゅう三さん殿どのでの儀式ぎしき

天皇てんのう陛下へいかは、30日にち午後ごご５ご時じから国事こくじ行為こういとして行おこなわれる「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」の前まえに、皇居こうきょの「宮中きゅうちゅう三さん殿どの」で退位たいいに関にかんする儀式ぎしきに臨のぞまれます。

これは、「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」の当日とうじつに、退位たいいの礼れいを行おこなうことを、宮中きゅうちゅう三さん殿どのにまつられている皇室こうしつの祖先そせんや神かみ々に伝つたえるもので、天皇てんのう陛下へいかの退位たいいにあたって皇室こうしつの行事ぎょうじとして行おこなわれる最後さいごの儀式ぎしきとなります。

天皇てんのう陛下へいかは午前ごぜん10時じから「退位たいい礼れい当日とうじつ賢所かしこどころ大前おおまえの儀ぎ（たいいれいとうじつ かしこどころ おおまえのぎ）」に臨のぞみ、平安へいあん時代じだいから儀式ぎしきでの天皇てんのうの装束しょうぞくとされる「黄櫨染こうろぜん御ご袍ほう」に身みを包つつみ、宮中きゅうちゅう三さん殿どのの中央ちゅうおうにあり、「天てん照あきら大神おおがみ」をまつる賢所かしこどころに向むかわれます。

そして、賢所かしこどころの中なかに入はいると拝礼はいれいし、日本にっぽん古来こらいのことばで記しるした「御ご告文こくぶん」を読み上よみあげて退位たいいの礼れいを行おこなうことを伝つたえられます。

続つづいて天皇てんのう陛下へいかは、皇室こうしつの祖先そせんをまつる皇霊こうれい殿どの、さらに国内こくないの神かみ々をまつる神殿しんでんでも儀式ぎしきに臨のぞみ、同おなじように拝礼はいれいして「御ご告文こくぶん（おつげぶみ）」を読み上よみあげられます。

儀式ぎしきには皇太子こうたいしさまも出席しゅっせきし、天皇てんのう陛下へいかと同おなじ順じゅんに「宮中きゅうちゅう三さん殿どの」を回まわって拝礼はいれいされます。

皇后こうごうさまは、儀式ぎしきが行おこなわれている時間じかん帯たいはお住すまいの御所ごしょで静しずかに過すごされるということです。

儀式ぎしきには、秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいなど9人にんの皇族こうぞく方かたのほか、宮内庁くないちょうの職員しょくいんなどおよそ50人にんが参列さんれつすることになっています。

宮内庁くないちょうは、退位たいいに関にかんする一連いちれんの儀式ぎしきを全体ぜんたいとして粛々しゅくしゅくと静しずかに執り行とりおこなうことにしていて、天皇てんのう陛下へいかが即位そくいされた際さいの同様どうようの儀式ぎしきと異ことなり、この儀式ぎしきには、総理そうり大臣だいじんなど三権さんけんの長ちょうは参列さんれつしないことになっています。

宮内庁くないちょうの退位たいいの儀式ぎしきの考え方かんがえかた

宮内庁くないちょうは、憲政けんせい史上しじょう初はじめてとなる天皇てんのう陛下へいかの退位たいいに関にかんする一連いちれんの儀式ぎしきについて、平成へいせいの代替だいがわりの際さいの儀式ぎしきの枠組わくぐみを基本きほんにしたうえで、天皇てんのう陛下へいかのお気持きもちを踏ふまえて、全体ぜんたいとして粛々しゅくしゅくと静しずかに執り行とりおこなうことにしています。

このため、30日にちの「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」の前まえに、天皇てんのう陛下へいかが皇居こうきょの宮中きゅうちゅう三さん殿どのに参拝さんぱいし、退位たいいの礼れいを行おこなうことを皇室こうしつの祖先そせんや神かみ々に伝つたえられる儀式ぎしきについては、即位そくいされた際さいの同様どうようの儀式ぎしきと異ことなり、総理そうり大臣だいじんなど三権さんけんの長ちょうは参列さんれつしないことになりました。

また、今月こんげつ18日にちに行おこなわれた、皇室こうしつとゆかりが深ふかい三重みえ県けんの伊勢いせ神宮じんぐうに参拝さんぱいする儀式ぎしきでは、即位そくいされた時ときとは違ちがい、儀式ぎしき用ようの装束しょうぞくや馬車ばしゃは使つかわれず、天皇てんのう陛下へいかはモーニングを着用ちゃくようし、車くるまで移動いどうされました。

一連いちれんの儀式ぎしきの費用ひようも天皇てんのう陛下へいかの意向いこうに沿そって、国事こくじ行為こういとして行おこなわれる「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」を除のぞいては、天皇てんのうの生活せいかつ費ひにあたる予算よさんの「内廷ないてい費ひ」から支出ししゅつされます。