小出さんは千葉県の高校で陸上部を指導したあと実業団に移り、有森裕子さんや高橋尚子さんなどオリンピックや世界選手権のメダリストを育て、平成の女子マラソン黄金期を築きました。
この春まで選手やチームの指導に当たってきましたが、今月24日、肺炎のため80歳で亡くなりました。
小出さんの告別式は29日午前9時から地元佐倉市の斎場で営まれ、小出監督の教え子や瀬古利彦さんなど親交のあった関係者が参列しました。
式では、高橋さんが教え子を代表して弔辞を述べました。高橋さんは現役時代、レースのたびに小出さんと手紙のやり取りをしていたことを明かしたうえで、最後の手紙として弔辞を読み上げ、何度も「ありがとうございました」と感謝のことばを口にしながら、「監督には最後は泣くな笑って送れよと言われました。たくさんの人がきょう監督を送りに、そして会いに来ています。人を大切にすること、まわりに感謝をすること、そして走る楽しさを伝えること、監督の教えを忘れることなく胸に刻んで歩いていきます。東京オリンピックもビールでも飲みながら見守っていてください。私の中で監督は永遠です。本当にありがとうございました」と語りかけました。
祭壇には、高地合宿の拠点となったコロラド州ボルダーの雪山をイメージして花が飾られ、参列した人たちは高みを見つめるような小出さんの遺影に向かって手を合わせ最後の別れを惜しみました。
瀬古利彦氏「天国から『頑張れよ』と」
告別式に参列した日本陸上競技連盟の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「お顔を拝見したが、やりきったという表情で眠られていて安心しました。マラソンは体育会的な指導が多く、小出監督はそれを変えた人で、楽しく陸上の指導ができるのかと驚きました。来年の東京オリンピックでも日本の選手たちに天国から『頑張れよ』と応援してくれるものと思っています。期待に応えられる走りを選手たちにさせたい」と話していました。