核かくのごみ最終さいしゅう処分しょぶんで国際こくさい枠組わくぐみを 日本にっぽんが提案ていあん Ｇじ-20閣僚かくりょう会合かいごう

午前ごぜん中ちゅうのエネルギー分野ぶんやの議論ぎろんで、議長ぎちょうの世よ耕こう経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじんは、原子力げんしりょく発電はつでん所しょから出でる高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ、いわゆる「核かくのごみ」の最終さいしゅう処分しょぶんについて「原子力げんしりょくを利用りようする国くにの共通きょうつうの課題かだいで、各国かっこくの経験けいけんや知見ちけんを共有きょうゆうし、課題かだい解決かいけつに向むけて取り組とりくみを加速かそくすることが重要じゅうようだ」と述のべ国際こくさい的てきな枠組わくぐみを設もうけることを提案ていあんしました。

核かくのごみをめぐっては、世界せかいでも最終さいしゅう処分しょぶん地ちを選定せんていしたのはスウェーデンとフィンランドに限かぎられていて、日本にっぽんをはじめとした多おおくの国くにでは調査ちょうさも始はじまっていないなど選定せんていが難航なんこうしています。

このため、最終さいしゅう処分しょぶん地ちの選定せんていに向むけた各国かっこくの活動かつどうを共有きょうゆうし、研究けんきゅう協力きょうりょくや人材じんざい交流こうりゅうを進すすめる国際こくさい的てきな枠組わくぐみをつくり、ことし10月つきにフランスで初はじめての会合かいごうを開ひらく方針ほうしんです。

このＧじ-20の閣僚かくりょう会合かいごうは16日にち、議論ぎろんの成果せいかを共同きょうどう声明せいめいとして打ち出うちだすことを目指めざしています。

核かくのごみ 各国かっこくとも処分しょぶん地ちさえ決きまらず

「核かくのごみ」は放射能ほうしゃのうレベルが極きわめて高たかいため、地下ちか深ふかくに埋うめて人ひとが生活せいかつする環境かんきょうから隔離かくりする「地層ちそう処分しょぶん」が各国かっこく共通きょうつうの方針ほうしんです。

しかし、日本にっぽんを含ふくめて多おおくの国くにでは処分しょぶん地ちさえ決きまっておらず、各国かっこくで課題かだいとなっています。

英えいも独どくも日本にっぽんも

イギリスは処分しょぶん場じょうの設置せっちにいったん２ふたつの自治体じちたいが関心かんしんを示しめしましたが、2013年ねん、議会ぎかいの反対はんたい多数たすうで白紙はくしになっています。

ドイツでも１いちか所かしょ、候補こうほ地ちが挙あげられていたものの、原子力げんしりょく政策せいさくの見直みなおしなどによって2000年ねんに計画けいかくは凍結とうけつされ、処分しょぶん地ちの選定せんてい手続てつづきが見直みなおされることになりました。

日本にっぽんも難航なんこうしています。2007年ねんに高知こうち県けん東洋とうよう町まちが全国ぜんこくで唯一ゆいいつ、調査ちょうさ受け入うけいれの応募おうぼをしましたが、住民じゅうみんの反対はんたいなどで撤回てっかいされました。

2008年ねん時点じてんの計画けいかくでは2037年ねんまでに処分しょぶんを開始かいしする方針ほうしんでしたが、選定せんていに向むけた最初さいしょの段階だんかいの文献ぶんけん調査ちょうさも始はじまっていません。

2017年ねんには科学かがく的てきに見みて処分しょぶん地ちの調査ちょうさ対象たいしょうになる可能かのう性せいがある全国ぜんこく地図ちずを国くにが公表こうひょうし、原子力げんしりょく発電はつでん環境かんきょう整備せいび機構きこう＝ＮＵＭＯが全国ぜんこくで説明せつめい会かいを開催かいさいするなどしていますが、現時点げんじてんでは全まったく未定みていです。

場所ばしょ決きまっても処分しょぶん実施じっしは遠とおく

計画けいかくが進すすんでいる国くにでもまだ処分しょぶんは実施じっしされていません。

アメリカは「ユッカマウンテン」という場所ばしょを処分しょぶん地ちに決きめていましたが、オバマ政権せいけんで計画けいかくが中止ちゅうしされました。

トランプ政権せいけんになって再ふたたび計画けいかくを継続けいぞくする方針ほうしんが示しめされましたが、まだ処分しょぶんは行おこなわれていません。

世界せかいで初はじめて2001年ねんに処分しょぶん地ちを「オルキルオト」という自治体じちたいに決きめたフィンランドでもまだ建設けんせつ工事こうじ中ちゅうで、処分しょぶんが始はじまるのは2020年代ねんだいの予定よていです。

スウェーデンも処分しょぶん地ちをすでに決きめていますが、処分しょぶんの開始かいしは2029年ねんごろになる見通みとおしです。

このように高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの「地層ちそう処分しょぶん」を実施じっしできている国くには現状げんじょうではありません。