恐喝の
罪で
服役していた
指定暴力団・
山口組の
ナンバー2の
幹部が、
刑期を
終えて18
日朝、
出所しました。
山口組が
4年前に
分裂して
以降、
対立抗争とみられる
事件が
相次いでいて、
警察当局は
影響力の
ある幹部の
出所を
きっかけに
抗争が
激しく
なるおそれもあるとして
警戒を
強めています。
出所したのは、
国内最大の
指定暴力団山口組の
ナンバー2で
若頭の
立場に
ある高山清司元受刑者(72)です。
高山元受刑者は、現金4000万円を脅し取った恐喝の罪で懲役6年の実刑判決を受け東京の府中刑務所で服役していましたが、18日午前6時前に迎えに来た黒いワンボックスカーに乗って刑務所を出ました。
その後、大勢の警察官が警戒する中、午前7時前にJR品川駅に到着し、新幹線に名古屋に向かいましたが、大きな混乱はありませんでした。
名古屋市には出身組織の弘道会があり、関係者に会うものとみられます。
山口組は4年前に分裂し、新たに神戸山口組や任侠山口組が結成されましたが対立抗争と見られる事件が全国で相次ぎ、今月10日には、暴力団員2人が撃たれて死亡しました。
警察当局は影響力のある高山元受刑者の出所をきっかけに対立抗争がさらに激しくなるおそれもあるとして、警戒を強化しています。
高山元受刑者とは
高山元受刑者は国内最大の指定暴力団・山口組で組長に次ぐナンバー2の「若頭」という立場にあります。
現在、山口組トップの司忍、本名、篠田建市組長と同じ、名古屋市に本部がある山口組傘下の暴力団「弘道会」の出身で、長い間、篠田組長の「右腕」とされてきました。
山口組が分裂する前、篠田組長が刑務所に服役していた際には組織を実質的に取りしきり、全国の関係する団体に強い影響力を持っています。
一方、山口組から離脱した幹部の中には高山元受刑者の運営方針に反発していた人物も多く、今回の出所によって対立抗争が激しくなるおそれもあるとして、警察当局が警戒を強めています。
山口組 分裂の経緯と現状
「山口組」は、神戸市に本部がある国内最大の暴力団で、昭和30年代から40年代にかけて全国に勢力を拡大し、不動産業や金融業などにも進出していました。
しかし、平成になると暴力団対策法や暴力団排除条例による取締りなどで資金源は少なくなって組織は弱体化します。
こうした中、関西を中心とする一部の幹部の間で名古屋市の弘道会出身者が多くを占める執行部に対して不満が高まり、4年前の平成27年8月山口組とは別に新たに「神戸山口組」が結成されました。
さらに、おととし4月には「神戸山口組」から一部の勢力が離脱し「任侠山口組」を立ち上げています。
警察庁によりますと組員と準構成員などをあわせた人数は去年末の時点で▽山口組がおよそ4400人、▽神戸山口組がおよそ1700人、▽任侠山口組がおよそ400人となっています。
警察庁などによりますと、山口組が分裂した2つの団体を切り崩そうと、離脱した一部の幹部に復帰を働きかける動きがあるということです。
一方、3つの団体の対立抗争とみられる事件は依然として全国で相次いでいて、16日までに合わせて129件に上り、9人が死亡しています。
今月10日には、神戸山口組系の暴力団員2人が撃たれて死亡し、山口組系の暴力団員が逮捕されました。
警察は、「山口組」や「神戸山口組」の事務所など合わせて20か所について建物の使用を制限する仮命令を出し警戒を強化しています。