さらに7回にはデスパイネ選手が満塁ホームランを打って突き放すなど、15本のヒットで13点を挙げました。
投げては、先発の石川柊太投手が大きく曲がる変化球を軸にテンポよく投げ込んで、6回途中2失点。
そのあとは5人のピッチャーが得点を与えず、13対2で勝ちました。
2連敗となった巨人は、先発の今村信貴投手が2回途中4失点と打ち込まれ、打線もヒット5本とふるわず、得点は5回にウィーラー選手が打ったツーランホームランで挙げた2点だけでした。
第3戦は24日、会場をソフトバンクの本拠地、福岡市のPayPayドームに移し、午後6時半から行われます。
ソフトバンク 鮮やかな先制攻撃で主導権
ソフトバンクが鮮やかな先制攻撃で流れを引き寄せ、2連勝を飾りました。
試合は1回、1アウト一塁から、第1戦でノーヒットだった3番の柳田悠岐選手。
「ピッチャーに楽に投げてもらえるように頑張りたい」と141キロをはじき返し、打球はすさまじい勢いでセンターの頭上を超えて、先制のタイムリーツーベース。
続く4番のグラシアル選手のセカンドへの内野安打に相手のエラーが絡んで2点目。
さらに5番の栗原陵矢選手がライト前ヒットでつなぐと、一塁ランナーのグラシアル選手が三塁をヘッドスライディングで陥れる好走塁でチャンスを広げ、6番のデスパイネ選手の内野ゴロの間に3点目となるホームを踏みました。
ソフトバンク打線が、甘いボールを確実にしとめるバッティングと、先の塁をねらう意識の高さで、日本シリーズ初先発だった巨人の今村信貴投手の立ち上がりを一気に攻めたて、主導権を握りました。
今シーズン、最多勝、最高勝率に輝いたソフトバンク先発の28歳、石川柊太投手にとってはこれが大きな援護になりました。
最速150キロのストレートに得意の大きく縦に割れるパワーカーブ。そして右バッターの外に逃げていくスライダー。
石川投手は「早い回から点を取ってくれたおかげで、1回から自分らしいテンポで投げられた。いい流れを持ってくることができた」と、1球1球の間隔を短くリズム良く投げ込んで、1回、2回、4回と三者凡退に抑えて、巨人打線に流れを渡しませんでした。
ソフトバンクは第2戦で、柳田選手が2安打、グラシアル選手がホームラン含む2安打、5番の栗原選手は4安打で、シリーズ通して8打数7安打の打率8割7分5厘と絶好調。中軸が力を発揮しています。
一方の巨人は、4番の岡本和真選手に第3打席でシリーズ初ヒットが出ましたが、5番の丸佳浩選手が2試合続けてチャンスで凡退するなど、ソフトバンクの豊富な投手陣を前に打線はつながりませんでした。
さらにことしはセ・リーグ巨人のホームゲームでも採用された指名打者制でも明暗が分かれました。
ソフトバンクの6番に入ったデスパイネ選手は7回に満塁ホームランを打つなど、日本シリーズ記録に並ぶ6打点。
一方の巨人は指名打者で同じく6番に38歳のベテラン、亀井善行選手が入りましたが、2試合で6打数ノーヒットと役割を果たせず、6回のチャンスで代打を送られました。
NHKプロ野球解説の宮本慎也さんは「ソフトバンクはクライマックスシリーズを緊張感の中、戦ってきた。巨人は先月30日に優勝が決まってから緊張感のある試合から遠ざかっていたのが影響しているかもしれない」と、新型コロナウイルスの影響でクライマックスシリーズがパ・リーグのみで開催されたことも、両チームの勢いの差にあらわれていると分析しています。
第3戦はこの勢いのままソフトバンクが一気に王手をかけるのか、巨人が意地を見せて巻き返せるか、舞台はソフトバンクの本拠地、福岡市のPayPayドームに移ります。