Actualités japonaises: 建築家ル・コルビュジエが改修した船日本の支援で引き揚げ

建築けんちく家かル・コルビュジエが改修かいしゅうした船ふね日本にっぽんの支援しえんで引き揚ひきあげ

Oct 20, 2020 07:10

Furigana

世界せかいを代表だいひょうするフランスの建築けんちく家か、ル・コルビュジエが90年ねん余あまり前まえに改修かいしゅうした船ふねが、日本にっぽんの建築けんちく家からの支援しえんでパリのセーヌ川がわから引き揚ひきあげられ、今後こんご船上せんじょうギャラリーとして再生さいせいされることになりました。この船ふねは、世界せかい文化ぶんか遺産いさんに登録とうろくされた東京とうきょうの国立こくりつ西洋せいよう美術館びじゅつかんなどの設計せっけいで知しられる、ル・コルビュジエが90年ねん余あまり前まえに改修かいしゅうしたもので、水平すいへいな連続れんぞく窓まどなどみずから提唱ていしょうした近代きんだい建築けんちくの要素ようそが盛り込もりこまれフランスの文化財ぶんかざいにも指定していされています。

しかし、おととしのセーヌ川がわの増水ぞうすいで浸水しんすいし、そのまま放置ほうちされてきました。

この船ふねの設計せっけいには、日本にっぽんの現代げんだい建築けんちくの礎いしずえを築きずいた建築けんちく家かの前川まえかわ國男くにおもル・コルビュジエのもとで関かかわっていたことから、日本にっぽんの建築けんちく家かでつくる学会がっかいがことし8月つき、この船ふねを買い取かいとって再生さいせいさせることを決きめました。

そして今月こんげつから、ポンプで水みずを抜ぬくため船体せんたいの穴あなを塞ふさぐ作業さぎょうが始はじまり、19日にち、船ふねは2年ねん半はんぶりに引き揚ひきあげられました。

今後こんご、2年ねんかけて船内せんないを復元ふくげんし、船上せんじょうギャラリーとして再生さいせいしたうえで、フランス側がわに引き渡ひきわたされるということです。

当初とうしょからこの計画けいかくに関かかわってきた神戸こうべ大学だいがく大学院だいがくいんの遠藤えんどう秀平しゅうへい教授きょうじゅは、「この船ふねは日本にっぽんとフランスの交流こうりゅう、建築けんちく文化ぶんかの原点げんてんです。しっかりと残のこして、両国りょうこくの文化ぶんか交流こうりゅうの拠点きょてんにしたい」と話はなしています。

またフランスのル・コルビュジエ財団ざいだんのブヴィエ館長かんちょうは、「この日ひを待ち焦まちこがれていました。両国りょうこくの連帯れんたいが生いき続つづけていることに感謝かんしゃの思おもいでいっぱいです」と述のべ引き揚ひきあげを喜よろこんでいました。

引き揚ひきあげられた船ふね

今回こんかい、引き揚ひきあげられた船ふねは、第だい1次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうのフランスで、セーヌ川がわを使つかって石炭せきたんを輸送ゆそうするため、大量たいりょう生産せいさんされたコンクリート製せいの船ふねです。

戦後せんご、この船ふねを難民なんみんのための避難ひなん船せんとして改修かいしゅうすることになりこの設計せっけいを引き受ひきうけたのが、「近代きんだい建築けんちくの巨匠きょしょう」、ル・コルビュジエでした。

柱はしらで支ささえられた「ピロティ」と呼よばれる空間くうかんをつくり、窓まどを横よこに連続れんぞくさせることで明あかるい光ひかりが差し込さしこむように工夫くふうするなど、みずからが提唱ていしょうした近代きんだい建築けんちくの要素ようそが盛り込もりこまれています。

当時とうじ、ル・コルビュジエの下したでは、日本にっぽんの現代げんだい建築けんちくの礎いしずえを築きずいた前川まえかわ國男くにおが学まなんでおり、この船ふねの設計せっけいにも関かかわっていたことがわかっています。

1995年ねんまで難民なんみんなどの避難ひなん船せんとして使つかわれたこの船ふねは、引退いんたい後ご、廃はい船せんにすることも検討けんとうされましたが、貴重きちょうな文化財ぶんかざいとして保存ほぞんすべきだとして、フランスの建築けんちく家からとともに、神戸こうべ大学だいがく大学院だいがくいんの遠藤えんどう秀平しゅうへい教授きょうじゅが再生さいせいさせる計画けいかくを進すすめてきました。