Báo tiếng Nhật: “死の灰”浴びた第五福竜丸悲惨な歴史をいまに伝える

“死の灰しのはい”浴あびた第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる悲惨ひさんな歴史れきしをいまに伝つたえる

Oct 22, 2020 16:10

Furigana

66年ねん前まえ、アメリカの水爆すいばく実験じっけんによって被ひばくした、日本にっぽんのまぐろ漁船ぎょせん「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる」の船内せんないが特別とくべつに公開こうかいされました。いわゆる「死の灰しのはい」を浴あびながら、いまも残のこされている当時とうじの木材もくざいを見みることができ、悲惨ひさんな歴史れきしをいまに伝つたえています。

「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる」は、いまから66年ねん前まえの昭和しょうわ29年ねん3月つき、太平洋たいへいようのビキニ環礁かんしょうでアメリカの水爆すいばく実験じっけんに巻き込まきこまれ、23人にんの乗組のりくみ員いん全員ぜんいんが「死の灰しのはい」を浴あびて被ひばくし、半年はんとし後ごに1人にんが亡なくなりました。

いまは、東京とうきょう江東こうとう区くにある都立とりつの展示てんじ館かんで保存ほぞん・公開こうかいされていますが、ふだんは船内せんないは見みることができません。

国内こくないに現存げんそんする唯一ゆいいつの西洋せいよう型がたの木造もくぞう船せんとして、このほど、日本にっぽん船舶せんぱく海洋かいよう工こう学会がっかいの「ふね遺産いさん」に認定にんていされたことから、22日にち、特別とくべつに取材しゅざいが許可きょかされました。

被ひばくしたあと第だい五ご福竜丸ふくりゅうまるは、水産すいさん大学だいがくの練習れんしゅう船せんになったり、大だい規模きぼな改修かいしゅうが行おこなわれたりしましたが、基本きほん的てきな構造こうぞうは変かわっていません。

骨組ほねぐみには、黒くろずんだり、傷いたんだりした被ひばく当時とうじの木材もくざいが残のこされていて、悲惨ひさんな歴史れきしをいまに伝つたえています。

「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる展示てんじ館かん」の安田やすだ和也かずや主任しゅにん学芸がくげい員いんは「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまるは、被ひばくや核兵器かくへいきについてだけでなく、船ふねの歴史れきしを知しるための資料しりょうとしても貴重きちょうであることを多おおくの人ひとに知しってもらいたい」と話はなしていました。

「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる」歩あゆんだ歴史れきし

「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる」は、昭和しょうわ22年ねんに建造けんぞうされ、戦後せんごの食糧難しょくりょうなんの時代じだい、かつおや、まぐろを取とるための船ふねとして使つかわれました。

そして、昭和しょうわ29年ねん3月つき1日にち、日本にっぽんからおよそ4500キロ離はなれた太平洋たいへいようのマーシャル諸島しょとうのビキニ環礁かんしょう周辺しゅうへんで、操業そうぎょう中ちゅうにアメリカの水爆すいばく実験じっけんに巻き込まきこまれました。

これをきっかけに、日本にっぽんでは原水爆げんすいばく禁止きんし運動うんどうが高たかまり、広島ひろしまと長崎ながさきに投下とうかされた原爆げんばくの被爆ひばく者しゃの全国ぜんこく組織そしき、日本にっぽん被団協ひだんきょう＝日本にっぽん原水爆げんすいばく被害ひがい者しゃ団体だんたい協議きょうぎ会かいの結成けっせいにつながりました。

一方いっぽう、「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる」は政府せいふが買い上かいあげ、放射線ほうしゃせん量りょうが低下ていかしたあと、当時とうじの東京とうきょう水産すいさん大学だいがくの練習れんしゅう船せんとして使用しようされました。

そして昭和しょうわ42年ねんに廃はい船せんになり、東京とうきょう江東こうとう区くの、ごみの埋め立うめたて処分しょぶん場じょうに放置ほうちされていましたが、原水爆げんすいばく禁止きんし運動うんどうのシンボルとして保存ほぞんを求もとめる声こえがあがり、昭和しょうわ51年ねん、東京とうきょう都とが展示てんじ館かんを整備せいびして保存ほぞん・公開こうかいしています。

昭和しょうわ60年ねんには、腐食ふしょくが進すすんだ木材もくざいを取り替とりかえるなどの大だい規模きぼな改修かいしゅうが行おこなわれましたが、基本きほん的てきな構造こうぞうは建造けんぞう当時とうじのままで「第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる」は、当時とうじの西洋せいよう型がたの木造もくぞう船せんの姿すがたを伝つたえる意味いみでも、貴重きちょうな船ふねとなっています。