Báo tiếng Nhật: 「松橋事件」再審で無罪判決懲役13年で服役した男性に熊本

「松橋まつばせ事件じけん」再審さいしんで無罪むざい判決はんけつ懲役ちょうえき13年ねんで服役ふくえきした男性だんせいに熊本くまもと

Mar 28, 2019 10:03

Furigana

34年ねん前まえ、当時とうじの熊本くまもと県けん松橋まつばせ町まちで男性だんせいを殺害さつがいした罪つみに問とわれ、懲役ちょうえき13年ねんの刑けいが確定かくていし服役ふくえきした85歳さいの男性だんせいの再審さいしん＝やり直やりなおしの裁判さいばんで、熊本くまもと地方ちほう裁判所さいばんしょは「犯人はんにんであることを示しめす証拠しょうこはなく、殺害さつがいしたとは認みとめられない」として無罪むざいを言い渡いいわたしました。昭和しょうわ60年ねん１月いちがつ、当時とうじの熊本くまもと県けん松橋まつばせ町まち、今いまの宇城市じょうしの住宅じゅうたくで59歳さいの男性だんせいが刃物はもので刺さされ殺害さつがいされた事件じけんでは、熊本くまもと市しの宮田みやた浩喜ひろきさん（85）が殺人さつじんなどの罪つみで懲役ちょうえき13年ねんの刑けいが確定かくていし、服役ふくえきしました。

宮田みやたさんは無実むじつを訴うったえて再審さいしん＝裁判さいばんのやり直やりなおしを求もとめ、裁判所さいばんしょは、自白じはくと客観きゃっかん的てきな事実じじつが矛盾むじゅんしていることなどから再審さいしんを認みとめました。

先月せんげつ開ひらかれたやり直やりなおしの裁判さいばんでは、過去かこに有罪ゆうざいを認定にんていする根拠こんきょとなった自白じはく調書ちょうしょや凶器きょうきとされた小刀こがたなに関にかんする資料しりょうなどは証拠しょうことして採用さいようされず、検察けんさつは有罪ゆうざいの立証りっしょうや求刑きゅうけいを行おこないませんでした。

28日にちの判決はんけつで熊本くまもと地方ちほう裁判所さいばんしょの溝みぞ國くに禎ただし久ひさ裁判さいばん長ちょうは「自白じはくの重要じゅうよう部分ぶぶんに客観きゃっかん的てき事実じじつとの矛盾むじゅんがあるという疑義ぎぎが生しょうじ、信用しんよう性せいが否定ひていされた。犯人はんにんであることを示しめす証拠しょうこはなく、被害ひがい者しゃを殺害さつがいしたとは認みとめられない」と指摘してきしました。

そのうえで「確定かくてい判決はんけつから非常ひじょうに長ながい年月としつきが経過けいかしていることなどを踏ふまえると、自白じはくの信用しんよう性せいを改あらためて検討けんとうする必要ひつよう性せいがあるとは考かんがえられず、可能かのうなかぎり速すみやかに判決はんけつを言い渡いいわたすことが最もっとも適当てきとうだ」として無罪むざいを言い渡いいわたしました。

再審さいしん増加ぞうかの背景はいけい「検察けんさつ証拠しょうこ開示かいじに応おうじざるを得えず」

元もと裁判官さいばんかんで法政ほうせい大学だいがく法科ほうか大学院だいがくいんの水野みずの智幸ともゆき教授きょうじゅは、再審さいしんが認みとめられるケースが増ふえている背景はいけいについて、「10年ねん前まえの裁判さいばん員いん制度せいどの導入どうにゅうに伴ともない、裁判さいばんの前まえに争点そうてんを整理せいりする手続てつづきが新あらたに始はじまり、検察官けんさつかんが持もつ証拠しょうこを弁護べんご側がわに開示かいじすることが法律ほうりつで認みとめられたことが大おおきく影響えいきょうしている」と指摘してきしています。

そのうえで「今回こんかいのような昔むかしの事件じけんでは、当時とうじ、検察官けんさつかんが証拠しょうこの開示かいじを断ことわるなどして開示かいじが行おこなわれることはほとんどない状況じょうきょうだった。しかし現在げんざいの裁判さいばんで証拠しょうこの開示かいじが行おこなわれるようになったことを受うけて、再審さいしんが申し立もうしたてられた昔むかしの事件じけんについても裁判所さいばんしょ側がわが現在げんざいと同おなじように開示かいじするよう説得せっとくし、検察官けんさつかんも応おうじざるをえない状況じょうきょうになってきている。今後こんごも証拠しょうこの開示かいじによって今いままでなかった客観きゃっかん的てきな証拠しょうこが明あきらかになり、再審さいしんの開始かいしにつながるケースが出でてくるのではないか」と話はなしています。