移動いどう式しき集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつ「エクモカー」連日れんじつ出動しゅつどう 重症じゅうしょう化かで転院てんいん相次あいつぐ

この治療ちりょうの拠点きょてんになっている府中ふちゅう市しの「都立とりつ多摩たま総合医療センターそうごういりょうせんた-」には、別べつの病院びょういんで中等ちゅうとう症しょうで入院にゅういんしていた患者かんじゃが重症じゅうしょう化かし、ECMOが必要ひつようだとして転院てんいんを要請ようせいされるケースが相次あいついでいます。

センターには、都内とないで唯一ゆいいつ、「エクモカー」が配備はいびされていてECMOの治療ちりょうができる病院びょういんへの転院てんいんを行おこなっていて、年末ねんまつから年明としあけの感染かんせん拡大かくだいの第だい3波はや春はるの第だい4波はでは、それぞれ数すう回かいしか出動しゅつどうがありませんでしたが、先月せんげつ下旬げじゅんからは、ほぼ連日れんじつ、出動しゅつどうしているということです。

病院びょういんには「日本にっぽんECMOnet」を通をつうじて重症じゅうしょう患者かんじゃへの対応たいおうを行おこなう医師いしたちが全国ぜんこくから派遣はけんされていて、エクモカーに乗り込のりこんだり、他たの病院びょういんでのエクモの治療ちりょうを指導しどうしたりしていますが、依頼いらいが重かさなると対応たいおうが難むずかしいこともあるということです。

病院びょういんの清水しみず敬たかし樹じゅECMOセンター長ちょうは「全国ぜんこくの医師いしたちの力ちからを借かりてなんとか対応たいおうできているが、本当ほんとうにギリギリの運用うんようで、これ以上いじょう、重症じゅうしょう者しゃが増ふえると難むずかしくなる」と話はなしています。

医師いしや看護かんご師し、臨床りんしょう工学こうがく技士ぎしなど通常つうじょうの救急きゅうきゅう車しゃより多おおくのスタッフが乗り込のりこむことができ、患者かんじゃの容体ようだいの急変きゅうへんにも対応たいおうできるようになっています。

東京とうきょう都内とないで唯一ゆいいつ、配備はいびされている府中ふちゅう市しの都立とりつ多摩たま総合医療センターそうごういりょうせんた-では重症じゅうしょう患者かんじゃが急増きゅうぞうした8月つき中旬ちゅうじゅんごろから出動しゅつどう要請ようせいが相次あいついでいて、取材しゅざいした9月つき2日にちには、重症じゅうしょう化かした患者かんじゃを転院てんいんさせてほしいという要請ようせいを受うけて、午前ごぜん8時半じはんごろから救命きゅうめい救急きゅうきゅうが専門せんもんの医師いしや臨床りんしょう工学こうがく技士ぎし、それに「日本にっぽんECMOnet」から派遣はけんされた医師いしらが準備じゅんびを進すすめ、合あわせて7人にんが乗り込のりこんで病院びょういんを出発しゅっぱつしました。

エクモカーが向むかったのは、主おもに中等ちゅうとう症しょうの患者かんじゃを受け入うけいれている東京とうきょう文京ぶんきょう区くの病院びょういんで、人工じんこう呼吸こきゅう器きを使つかった治療ちりょうを受うけていた50代だいの患者かんじゃの呼吸こきゅう状態じょうたいがさらに悪化あっかし、ECMOでの治療ちりょうが必要ひつようになったということです。

ECMOでは、患者かんじゃの体内たいないから取り出とりだした血液けつえきに直接ちょくせつ酸素さんそを送り込おくりこむことで、肺はいの機能きのうを一時いちじ的てきに代行だいこうすることができ、首くびや足あしの付け根つけねなどから入いれた管かんを通をつうじて体内たいないから血液けつえきを取とりだしたあと、肺はいの代かわりに酸素さんそを溶け込とけこませて体内たいないに戻もどします。

その後そのご、医療いりょうチームは防護ぼうご服ふくを着きたまま、患者かんじゃをエクモカーに載のせ、走行そうこう中ちゅうも管かんがずれていないかや装置そうちや管かんの中なかで血栓けっせんができていないか、モニターなどを見みながら、慎重しんちょうに確認かくにんしていました。

そして、患者かんじゃの転院てんいん先さきの品川しながわ区くの昭和しょうわ大学だいがく病院びょういんに到着とうちゃくすると、大学だいがく病院びょういんの医師いしや看護かんご師しなどとともにおよそ10人にんがかりで、患者かんじゃを病室びょうしつに運び込はこびこみ、ECMOや人工じんこう呼吸こきゅう器きなどの装置そうちの調整ちょうせいを行おこないました。

都立とりつ多摩たま総合医療センターそうごういりょうせんた-の清水しみず敬たかし樹じゅECMOセンター長ちょうは「今回こんかい、転院てんいん搬送はんそうした患者かんじゃは、ECMOを装着そうちゃくしなければ救命きゅうめいできない状態じょうたいだった。対応たいおうが必要ひつような患者かんじゃがいればいつでも出向でむきたいが、運用うんようはギリギリで、すべての要請ようせいに対応たいおうできていないのが現実げんじつだ。少すこしでも感染かんせん者しゃを減へらし、これ以上いじょうの重症じゅうしょう患者かんじゃを減へらす行動こうどうを多おおくの人ひとにとってもらいたい」と話はなしています。