일본어 뉴스: パラリンピック「手話の人しか勝たん」で話題の人

パラリンピック「手話しゅわの人ひとしか勝かたん」で話題わだいの人ひと

Sep 5, 2021 19:09 3

Furigana

「手話しゅわの人ひとめっちゃ好すき表情ひょうじょう豊ゆたかでいいね」

「オリンピックの手話しゅわの人ひとしか勝かたん」

パラリンピックの開会かいかい式しき、またオリンピックの閉会へいかい式しきでも豊ゆたかな表情ひょうじょうと大おおきな身みぶり手しゅぶりの手話しゅわ通訳つうやくにネット上じょうで多おおくの反響はんきょうがありました。

話題わだいの手話しゅわの人ひとは幼おさない時ときに聴力ちょうりょくを失うしなった戸田とだ康之やすゆきさん。

聞きこえない中なかでどうやってアナウンサーのコメントを通訳つうやくしたのか、そして通訳つうやくへの思おもいを答こたえてくれました。

手話しゅわ通訳つうやくのチームプレイ

戸田とださんはNHKの手話しゅわニュースのキャスターも務つとめています。

1歳さいの時ときに中耳ちゅうじ炎えんが原因げんいんで聴力ちょうりょくを失うしない、反響はんきょうの多おおさなどについてはメールで答こたえてくれました。

「多おおくの方ほうがオリンピックやパラリンピックをきっかけに手話しゅわやろう通訳つうやくに関心かんしんを持もっていただいたことはとても喜よろこばしいことだと思おもいます」

聴覚ちょうかくに障害しょうがいがある中なかでの通訳つうやくはチームプレイでした。

まず手話しゅわ通訳つうやく士しの資格しかくを持もつフィーダーと呼よばれる健常けんじょう者しゃがアナウンサーのコメントや会場かいじょうでどんな音おとがしているのかを手話しゅわで戸田とださんに伝つたえます。

すると、ろうの人ひとの感覚かんかくや習慣しゅうかん、文化ぶんか的てきな背景はいけいを考慮こうりょして、もういちど手話しゅわに通訳つうやくし直なおすのです。

「私わたしに音声おんせい情報じょうほうを伝つたえてくれるフィーダーの存在そんざいはとても大切たいせつです。お互おたがいに役割やくわりを分担ぶんたんしチームで通訳つうやくを行おこなっています」

手話しゅわの人ひとしか勝かたん

ネット上じょうではパフォーマーと一緒いっしょに踊おどったり、楽器がっきを演奏えんそうしたりするような戸田とださんの身みぶりや手てぶり、目めを見開みひらいたり眉毛まゆげをつり上つりあげたりする豊ゆたかな表情ひょうじょうに注目ちゅうもくが集あつまりました。

「手話しゅわの人ひとがわあ！って驚おどろいててかわいいと言いうか一緒いっしょに見みてるみたいで楽たのしい。笑えみ」

「閉会へいかい式しきの手話しゅわの人ひとめっちゃ好すき表情ひょうじょう豊ゆたかでいいね」

若わかい人ひとが使つかうこんなことばで、ツイートした人ひともいました。

「手話しゅわの人ひと紅蓮ぐれん華はなのとき鬼瓦おにがわらしてて大だい草原そうげんwwwwww」

「オリンピックの手話しゅわの人ひとしか勝かたん」

豊ゆたかな表情ひょうじょうは文法ぶんぽうのひとつ

ネット上じょうの反応はんのうに対にたいして戸田とださんは「表情ひょうじょうを豊ゆたかにしようと思おもってやっている訳わけではないんです」と答こたえてくれました。

「眉毛まゆげの動うごきや目めの開ひらき具合ぐあい、上体じょうたいの動うごきなど含ふくめて、手話しゅわを構成こうせいする重要じゅうような文法ぶんぽうのひとつなんです。例たとえば眉毛まゆげをつり上つりあげると疑問ぎもんを表あらわすように、眉毛まゆげの動うごきひとつ異ことなるだけで意味いみが異ことなります。文法ぶんぽうを駆使くしして通訳つうやくをしていたということです」

テレビをじっと見みつめていたのは

また通訳つうやくをせず、モニターの画面がめんを静しずかに眺ながめている様子ようすも関心かんしんが集あつまりました。

その理由りゆうは…。

「手話しゅわは視覚しかく言語げんごです。目めを合あわせて話はなしをします。画面がめん越ごしに私わたしに見みつめられていると『何なにか話し出はなしだすのではないか？』と思おもわれてしまいます。そこで、会場かいじょうの音声おんせいがないときには『今いまは音声おんせい情報じょうほうはありません、会場かいじょうをみてください』という意味いみを込こめてモニターを見みるという方法ほうほうをとりました」

聴覚ちょうかく障害しょうがいの私わたしが通訳つうやくをする意味いみ

戸田とださんは聴覚ちょうかく障害しょうがいがある人ひとが通訳つうやくを担当たんとうすることの大切たいせつさも教おしえてくれました。

戸田とださんによると「手話しゅわ」とひとことで言いっても日本語にほんごに手話しゅわの単語たんごを一語いちご一いち語ごあてはめている「日本語にほんご対応たいおう手話しゅわ」と日本語にほんごとは文法ぶんぽう構造こうぞうが全まったく異ことなる手話しゅわ言語げんご「日本にっぽん手話しゅわ」に分わけて考かんがえられるそうです。

「日本にっぽん手話しゅわ」はろう者ろうしゃにとっての母語ぼごにあたり、聴覚ちょうかく障害しょうがいがある人ひとが通訳つうやくを担になうことで、より細こまかな情報じょうほうやニュアンスを伝つたえることができるということです。

「聴者しゃ通訳つうやくでも日本にっぽん手話しゅわが巧たくみな通訳つうやく者しゃもたくさんいます。ただ、ろうの文化ぶんかやろう者ろうしゃの価値かち観かん、日本にっぽん手話しゅわの特徴とくちょう、独特どくとくな言い回いいまわしなども含ふくめて、同おなじろう者ろうしゃの通訳つうやくだと安心あんしん感かんが高たかいということもあると思おもいます」。

画面がめんの隅すみでなく

オリンピックもパラリンピックも通訳つうやく者しゃたちは画面がめんの隅すみに出でるのではなく、大おおきく映し出うつしだされました。

戸田とださんは「大おおきく映うつったことで、ろう者ろうしゃにとって見みていて疲つかれることなく、楽たのしむことができたのではないかと思おもいます。実際じっさいに『最初さいしょから最後さいごまで楽たのしむことができた。感動かんどうをありがとう！』と言いってくれた人ひともいます。手話しゅわ通訳つうやく者しゃが大おおきく映うつるレイアウトが今後こんご増ふえてくれることを願ねがっています」と伝つたえてくれました。